女優でタレントのつちやかおりが、離婚後も両親が子育てに関わる“共同養育”について語った。

つちやは、自身の離婚の経緯、離婚後の「家族」の関わりについて、一般社団法人「りむすび」の公式YouTubeで語った。

りむすびは、離婚で生じるさまざまな問題をサポートする団体で、このたび、離婚後も両親が子育てをする「共同養育」をテーマにつちやに出演をオファー。活動内容に共感したつちやが快諾し、出演が決まった。インタビュアーは、りむすびの代表・しばはし聡子氏が務めた。

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日本では、子連れ離婚家庭において、離れて暮らす親と会えていない子どもは約7割にものぼるという。また、離婚後、親権を持てるのは「ひとりの親」に限られるため、ひとりで育てるための「ひとり親家庭支援」はあっても、両親で子育てする「共同養育」は普及していない現状があるそうだ。

つちやは、元シブがき隊の布川敏和と結婚し、長男、長女、次女を持つ。2014年の離婚後は、長男、長女が結婚し家庭を持っているため、現在は次女と暮らしている。つちやが離婚したのは、子どもたちが、それぞれ20歳、19歳、11歳のとき。

子どもたちの父親を奪うという考えは、私にはなかった

つちや:8年くらい、離婚するかしないかというのを悩んでいまして。

しばはし:そうなんですね。

つちや:最終的に、離婚をどうして選んだかというと、上2人の手が離れ、下のひとりだけだったら、なんとか連れて生活していけるかなという。それで、その時期を選びました。何しろ、家庭に入ってしまって専業主婦をやっていましたので、家を出るという術もわからないし、お仕事もしていなかったので。

しばはし:そうすると、ご離婚のことをお子さんに話すタイミングというのは、ある程度いろんなことがわかる年齢に(なってから)…。

つちや:そうですね。長男は、私の聞き役になっているようなところがありましたので、もう少し前から「出ていくんだろうな」と言うのはわかっていたと思いますけど。子どもたちには、割ときちんと話をしました。

つちやは、離婚の意思を最後に布川に伝えたという。

つちや:今考えれば、(布川と)もっとちゃんと話をすれば良かったのかなと思いますけど。女性って、シグナルを出せば「(相手が)わかるだろう」と思うことってたくさんあるんですけど、今(布川に)聞くと「いや、全然わからなかった」って。

しばはし:あるあるですよね(笑)。我々も相談を受けているなかで、女性の「察して」は男の人はわからないっていうので、女性はずっと不満を積み重ねて、最後の最後で飽和状態になるんですけど、男の人は、最後の最後ではじめて危機に気づくという。

つちや:まさしく、その状態だったと思います。

そんなつちやだが、離婚後はSNSなどにも、家族全員で写っている写真などがたびたび投稿されている。

つちや:離婚が成立して、そこからは、私のなかで気持ち的に切り替わったというか。要するに、今までは結婚していて、こんな不満があった…ということが、今度はその人に対して求めるものもないし。イヤだと思っていたことも、全然気にならなくなるんですよね。そこからかな、子どもたちも交えて会うというのは、よくありますね。

しばはし:それは、離婚直後からですか?

つちや:一緒にご飯を食べるというのは、子どもが婚約するとか、海外から帰ってきた娘と会うときくらいしかないですけど、両方で飼っていたワンちゃんがいるので、向こうがお仕事に行くときは預けるとか。それは、ずっと。ですから、今でも1週間に一度は、ワンちゃんの受け渡しで会います(笑)。

しばはし:そういったときに、布川さんとの関わりのなかで、心がけていることはありますか?

つちや:結婚しているときにはできなかった、極力相手を受け入れようという(笑)。なんでしょうね、自分のなかでも何かがパーンと弾けたんだと思うんですけれども。離婚したことで、私のなかでいろんなことが成立して、彼に対しても「どうぞ」という形ができたのかな。

あとは、子どもたちの父親であることは間違いがないことで、子どもたちの父親を奪うという考えは、私にはなかったですね。とくに離婚するときに、下の子はまだ小学5年生だったので、彼女にとってはまだまだ両親一緒にいてほしい年齢だったと思いますし。

つちやと布川は、離婚後も、子どもたちが両親に会うことができる環境を作ってきた。だが、日本では、離婚後に親子が会えているのが3割という現状があると知り、つちやは驚きを隠せない。

しばはし:何より、お子さんの気持ちを考えると…。

つちや:小さければ小さいほどでしょうけれども、うーん、私のなかではつらい現状ですね。…何か解決方法がないのかなって、やっぱり思いますよね。できる限り会わせるようにしてあげてほしいです。

しばはし:夫婦が関わりたくないと、子どもにも会わせたくないという気持ちも、わからなくもなかったりしますけれども。

つちや:でも、子どもは、平気な顔をしていても、どこかで傷ついたり悲しんでいるんじゃないかと思います。

しばはし:そうですよね。一緒に住んでいる親の顔を見て「(別れて住む親に)会いたい」となってしまうような環境は、できるだけ避けたいですよね。

インタビューが進むなか、しばはし氏は「もうひとつお聞きしたかったのが、(離婚後も)家族みんなで関わりを持っているというのは、どんな思いからなんですか?」と尋ねる。

つちや:例えば、お祝いごと、孫も生まれましたけど、そういうときにどちらかだけというよりも、やっぱり家族全員で集まりたいなと。あとは、イクメンの方もいらっしゃるので、これがすべてではないですけど、お父さんて、なかなか(自分から)呼び出して「一緒に、ご飯食べようよ」と言えないところがあるじゃないですか。だから、極力私が頑張ってるのは、子どもたちに「パパを誘いなさい」って。

しばはし:そうするとパパもうれしいでしょうし。結果として、お父さん、お母さんがいがみ合ってない様子を見ると、お子さんも安心して誘いやすくなりますよね。

つちや:そうじゃないですかね。

しばはし:ご立派ですね。

つちや:いや、そんなことないです。母親って、やっぱり自分のお腹から産んでるし、離れていてもどこかつながっているみたいなところがあるかもしれないですけど、男の人って関わっていないと…という部分があるじゃないですか。だから、できるだけたくさん関わらせてあげたいなとは思いますね。

しばはし:ともすると、お父さん側は、断られるのが怖くて、なかなか誘えないなんていうこともありますからね。

つちや:(布川は、誘われると)絶対に来ますからね(笑)。

つちやは、離婚後の家族の関わりについて「みなさん、個々にいろいろなことがあると思うから、一概には言えませんけど…」と言いながらも、最後にはあたたかいメッセージを寄せている。

<動画はこちら!>

詳しくは、一般社団法人りむすびの公式サイトまで