8月12日(水)放送の『林修のニッポンドリルノブVS出川VSフワちゃん日本語ナゾ対決!ノブ負けたら降格』では、副担任の座を賭けてノブとフワちゃんが再び対決。出川哲朗も加えた3人が、日本語のナゾに挑んだ。
51種類も…「わたなべ」のナゾ
1問目に登場したのは、「わたなべ」という名字のナゾだ。「渡辺」「渡邉」「渡邊」をはじめ、名字に使われる「なべ」の漢字はなんと51種類もあるという。
なぜこんなに「なべ」の文字の種類が増えてしまったのだろうか。
もともと、「わたしのべ=船渡り」を生業とする人が住んでいた場所が「渡辺」という地名になり、そこに住んでいた人が「渡辺」という姓を名乗ったと考えられている。
その後、明治時代に戸籍を登録する際、本家と分家の区別がつくよう、同じ漢字をつかわないようにしようと分家たちが気を遣ううちに、漢字が51個に増えていった。
分家①が、昔から存在していた「邊」の字を使い、分家②は「邊」の字も使えない…と「邉」の字をチョイス。そのうちに使える漢字がなくなってしまい、文字の画数を増減したりして、文字の種類が増えていったと言われているのだ。
ただし「分家説」の他にも、有力な説が存在する。それは、「斉藤」の「斉」の文字が多いのと同じく、役人や当事者が書き間違った「書き間違い説」だそうだ。
「応対」と「対応」、「妻」と「嫁」…それぞれの正しい使い分けは?
第2問は、物事に対処するという意味で使われる「応対」と「対応」の正しい使い分けだ。
下記の4種類のイラストは、それぞれ「応対」と「対応」のどちらを使うのが正しいのだろうか?
正しいのは、「来客者」と「病院の受付」の場合は「応対」、「交通事故」と「来場者」は「対応」だ。
「応対」は「人」に対する時だけに使用し、「対応」は主に「人以外の物事」に対処する時に使う表現なので、覚えておきたい。
「妻」と「嫁」の正しい使い分け
続いては、配偶者を指す「妻」と「嫁」の正しい使い分けを答える問題だ。
婚姻届に書いてある通り、「夫」の対義語は「妻」なので、夫が配偶者を呼ぶ時には「妻」が正しく、「息子の妻」を表す「嫁」は、舅と姑が使うのが正しい。
また、夫が妻を呼ぶ時に使いがちな「女房」「カミさん」「奥様」はそれぞれ、「女房=自分の妻を謙遜して呼ぶ時の表現」、「カミさん=親しみを込めた表現(相手の妻に使ってもOK)」、「奥様=相手の妻を敬う表現」だ。
自分の妻を指して「嫁」「奥さん」と言うのは、本来NGなのだ。
「金字塔」という言葉が指す建築物&「一両日」の意味とは?
第4問に登場したのは、「後世に残る立派な業績」を表す「金字塔」という言葉だ。
「金字塔」というのは、実在する塔を指す言葉でもあるのだが、その塔とは、何だろうか?
「金字塔」とは、そもそも中国で生まれた言葉。
かつて中国の人が「金」の文字に形が似ている、と「ピラミッド」を表す時に使い、後世に残る建造物を表す言葉として使われるようになったという。
では「一両日」とは、いつを指しているのか、正しく理解しているだろうか?
「一両日」を2つに分けると、「一」「両日」となる。
「一=1日」「両日=2日」なので、賞味期限が「一両日中」と言われた場合は、「今日か明日以内」に食べ終わるのが正解だ。
「虹」に「虫」の字が使われるようになった影には、伝説の生き物が…
「虹」という漢字に「虫」が使われている理由は、ご存知だろうか?
実は、「虹」に使われている虫偏が表しているのは、昆虫ではないのだという。
「蛙(カエル)」「蝦(エビ)」「蛸(タコ)」「蛤(ハマグリ)」など、昆虫以外の水辺に住む生き物にも使われている「虫」は、中国から日本に入ってきた当初は「ヘビ」を指す漢字だった。
中国では、ヘビはジメジメとした場所に生息し、雨が降ると現れる生き物だと考えられていたので、ヘビを表す「虫」が水辺の生き物に使われるようになった。
また「虹」は、中国では「龍」のイメージで捉えられていたので、水辺に生きていると考えられていた龍にちなんで、「虫偏」で表現。そして、「虹」という漢字ができる前からの呼び名=「コウ」の音を表す「工」の文字と組み合わせたのだ。
辞書によっては、「工」に「天と地をつなぐ」という意味が書かれているものもあるが、意味を表す文字に音を表す文字を足した形成文字なのではないかというのが、監修のお茶の水大学の橋本陽介先生の考えなのだそうだ。
熟語に送り仮名を足す「足し漢」!「威嚇」+「す」&「凝視」+「める」は?
最後の戦いで登場したのは、熟語に送り仮名をプラスする「足し漢」の文豪編だ。
「威嚇」に「す」を足した「威嚇す」は、谷崎潤一郎が作品の中で生み出した言葉なのだが、一体何と読むのだろうか。
正解は、「おどす」。「相手に自分の威力を見せて、恐怖心を起こさせる」という「威嚇」の意味を思い出せば、推測できるかもしれない。
では、遠藤周作の著書「白い人・黄色い人」に登場する、「凝視」に「める」を足した「凝視める」は何と読むのか。
正解は、「凝視」の「目をこらしてじっと見る」という意味そのままの、「みつめる」。珍回答が続いた副担任剥奪戦は、僅差の戦いが続いたが、得点が倍に設定されたこの問題に正解したノブが、無事に副担任の座を防衛した。