今回のお話…

突然大声で歌い出し授業を妨害する生徒…

そのモンスターペアレント…

またその家族と“ある問題”を抱えている教師…

果たして“顔だけ先生”はそれらをどう解決させるのか!?

っというこのあらすじから、うんうん、はいはい、そういう話ね、そういう感じね…って、思ったそこのあなた!!『顔だけ先生』を、見くびらないで!!!(急に)

なんだか暗そう、陰湿そう、不快な気分になりそう…ですって!?見くびっちゃあいけないよ!!(誰も見くびってない)そんな心配のすべて、覆してきます!!ご安心あれ!!

だってね、このあらすじにね、なぜかね、“霜降り明星・粗品”と、“カニベース”(by「キン肉マン」)という、一見意味不明なキーワードが物語に巧みに絡んできてね、しかも、カニベースは、「キン肉マン」作者のゆでたまご先生協力のもと(スタッフロールにもお名前載ってたし)、ちゃんと詳細な説明もあったりなんかして、なにこの無駄に丁寧なお膳立て!!!つって、もう何から何まで予想できない、だけど巧みで丁寧な物語が繰り広げられるのです。

で、その丁寧なお膳立てと言えばもう一個。これについては、かなり細かい部分、私的な驚きにもほどがあるんだけど、モンスターペアレント一家のお母さん役…どっかで見たことあるような…どこで、何の番組で、お見かけしたんだろう…女優さんなのかな…って、もうそっからわかんない…あの方、誰なんだろう…って地味にずっとモヤモヤしてたら、終盤の“ある映像”で、“あの楽器”を弾いている!!そうだ!!あの方だ!!!『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』に出てた!!あのお方!!!(もうわかる人にはわかってしまう…)という、この、わかる人にしかわからない、謎に丁寧な仕掛け…。誰?って思わせてるその仕掛けまでも、後半にかかってくる、ちゃんと意味ある人物として配置する、なんちゅう丁寧なお膳立て!!!で、それは、“ある映像”の、クオリティの高さにも、ちゃんと説得力を持たせてたっていうね…。すげーな、このドラマ…。

っというわけで、このドラマ、ホントに、毎回、僕の想像の斜め上を行く展開の連続で、だからと言って、タガが外れた、ただ奇をてらったってんじゃなく、意外性あふれる展開、ウィットに富んだ会話劇で、興味深く、心地よく物語を楽しんでたら、気付けば最後、なんだかすっごく真理を突いてくる…んだけど、その真理はいったい何の真理か…は確信が持てなくて、だけど、その確信が持てないからこそ、よりこのドラマを噛みしめたくなって、振り返りたくなって…っていう、なんだかよくわかんない新感覚の深みドラマループ!!!とは言え、だけど、これが一番大事なとこなんだけど、その真理がある感じ…を、ひけらかさないし、押し付けないし、視聴者に何かを感じ取ってほしい、考えて欲しいっていう、その素振りすら見せない…っていう。このとんでもなく軽やかな視聴感が、『顔だけ先生』なのよ。

で、今回の意外な展開の最たるものといえば、これまで一切、“教師らしくない”、“顔だけ先生”の遠藤先生(神尾楓珠)だったわけだけど、冒頭、初めて…といっていいほど、ものすごく“教師っぽいことをした”んだけど、そのことで物語が大きく転がりはじめる…っていう、その導入部なのよ。だからと言って、これまでの“教師らしくない”からこその遠藤先生…というアイデンティティは全く失うことはなく、最後にもっかいそのアイデンティティを強調するかのように、“教師っぽいことをした”冒頭に対して、ちゃんと決着をつける…っていうね…。意外が意外過ぎるのよ!!!…ってうん、僕、何言ってるか、全然わかんないっすよね?もう、この感じ!!この感じが『顔だけ先生』なんすよ!!!だから、もう、見て!!(匙投げた)

で、今回は何といっても、先生たちの描写も最高なんすよ。第4話のキーマンは中村先生(和田聰宏)なんだけど、このエピソードは、ドキッとするほど深刻な問題をはらんでいるんだけど、このドラマらしく、深刻になりすぎず、だけど真っ当に、前向きに、リアルに、問題解決すべく葛藤してる姿に感動する…ってのはもちろん、その他の先生たちも魅力が大爆発!!

川相教頭(八嶋智人)のテキトーさ、早坂先生(三浦涼介)の的確さ、藤嶋先生(笠原秀幸)のツッコミ、小畑先生(阿部華也子)の天然、遠藤先生フリーダム、そしてその全てを包み込む亀高先生(貫地谷しほり)の包容力…、それが炸裂しまくりの、中盤に訪れる、“職員室でのひと悶着”が楽しいのなんの。あんまり楽しいもんだから、そのシーンだけ5回は繰り返しちゃったわ…。特に藤嶋先生のツッコミがナイス過ぎて、そのワードが的確すぎて、僕の心のメモ帳に書き留めました…。あの“ツッコミワード”、どっかで使わせていただきます…。って使う場所限定されまくりなんだけど…。そんくらい、この職員室での会話劇が最高なの!必見!!

だいたい、学園ドラマの職員室って、殺伐としてるか、逆にノンキ過ぎるかで、魅力的に描かれることってめったないのに、キャラ特性を生かした描き方だけじゃなく、ちゃんと人としての可笑しさ、憎めなさを全員備えてるもんだから、こんなにも魅力的な学園ドラマに仕上がるんよね…。メインの生徒たちの物語だけじゃない、全部のシーンが楽しめるんですよね…。

今回もこれまでの『顔だけ先生』を裏切らない珠玉回!!だから、見たことある方たちは安心して楽しんでください!!なんだけど、まだ見たことない方…。もうね、ぜひ、1話から見てよ!?こんな学園ドラマ、絶対、見たことないから!!もう、とにかく見て!!!