サービス精神旺盛で、その場の空気を明るくする才能を持つ三浦獠太。2年前から俳優として活動を始めた三浦が、その素直で明るいキャラクターを生かした役柄を演じているのが、神尾楓珠主演の土ドラ『顔だけ先生』。
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三浦が演じるのは、軽音楽部に所属し、クラス一の目立ちたがり屋でお調子者の高校2年生・蟹江凛空(りく)。10月30日(土)放送の第4話では、超過保護の凛空の父親がある騒動を巻き起こすこととなり、三浦がフィーチャーされる。
「凛空と自分は似ているかも」ととびきりの笑顔を見せる三浦に、役柄や現場のエピソード、自身の家族、俳優としての目標などを聞いた。
<三浦獠太インタビュー>
目立ちたい!それが演じる凛空と自分の共通点
──演じている凛空は、テンションが高くて明るいキャラクターですが、ご自身に近いところはありますか?
台本を読んだ時はまったく違うと思ったんですけど、演じるにつれて共感するところが増えてきて、実は近いのかもしれないということに気づかされました。
たとえば、凛空が授業中に突然、ノリノリで歌い出すというシーンがあるのですが、僕もよく歌い出しちゃったりしているみたいで(笑)。なぜかと聞かれたら、目立ちたいから。そういうところが凛空と僕の共通点かなと思います。
でも、そんな凛空と似ていると思いたくないから、たまに素の自分とはかけ離れた感じで演じてみたりするけれど、自分と近い感覚で演じた時の方が結局、監督からOKをもらえるんですよ。
音をはずして歌う難しさに困惑し、NG連発
──凛空は軽音楽部に所属していますが、ご自身は音楽活動は?
カラオケはよくやります。僕の場合は、マイクを持つことと、タンバリン担当(笑)。“体が楽器”みたいな感じです。
ギターを弾くシーンもあったのですが、凛空は驚くほどギターが下手という設定なので、ギターを弾けるところは見せられませんでしたが、それはそれでよかったかな、と(笑)。
──凛空は、歌もひどいようですが、ご自身はいかがですか?
凛空はすごい音痴なので、そこは誇張しました。ただ、何回も歌っていると、歌い慣れてしまって、たまに音が合ってしまうんです。そうすると、NGになってしまって。わざとやっているわけではないのですが、結構NGは出しました(笑)。
第4話でそのシーンが登場するので、ぜひ見ていただきたいですね。音をはずすのに、結構苦労したんです。
人見知りの自分を迎え入れてくれた凛空の家族に感謝
──凛空の家族もユニークですね。
家族のシーンは、めっちゃ楽しかったです。みんな楽屋でもずっと歌っているんですよ。家族で歌っているから、「なんか変な人たちなのかな」と思ったら、練習していただけだったんです(笑)。
一生懸命練習している姿を見て、この人たちの家族になれて幸せだなと思いました。家族での撮影期間は短かったのですが、撮影を通して絆が生まれました。
僕自身は、どちらかというと人見知りで、初めての方だと緊張したり、かっこつけてしまったりして、いきなり人に絡んだりできないタイプ。でも、凛空の両親や祖母役の方たちが僕を迎え入れてくださったので、飛び込んでいくことができました。とてもありがたかったです。
家族が大好き!三浦家の驚くべき仲良しエピソードとは!?
──「僕は、この家族が好きなんです」という凛空のセリフがあります。三浦家はどういうご家族なのですか?
僕も、自分の家族が好きです。家族って一生切れないものですから、あのセリフはスッと出てきました。
うちの家族は、仲がいいですよ。お互いに好きことをやっていてマイペースだけど、うまくまとまっているなと思います。
第4話で、凛空の家族が全員同じトレーナーを着ているシーンが出てくるのですが、僕の家族も全員おそろいのパーカーを着ることがあります。だから、逆にそれがネタになっているのがなんでだろうって。僕の家は、そっちが普通ですから(笑)。
サッカー少年が芸能界へ。そのきっかけは…
──ご自身も好きなことをやらせてもらったのだと思いますが、高校でサッカーを辞めて芸能界を目指したのは、どういうきっかけだったのですか?
両親は、僕に好きなことをやらせてくれました。中高とずっとサッカーをやっていましたが、やっぱりプロの壁は高いです。ちなみに、僕はブラジルにサッカー留学したと言われていますが、留学はしていないんです。ブラジルに2週間旅行に行って、帰ってきたら留学したみたいになっていて(笑)。
ただ、ずっとやってきたサッカーは好きだったので、スポーツに関わるビジネスを勉強しようと思い、大学ではスポーツビジネスの勉強をしていました。でも、勉強するうちに、サッカーは好きだけど、それをビジネスにするのは僕のやりたいことではないと気づいて。
そこで悩んでいた時に、この世界に触れる機会があって、ぜひやってみたいと思い、飛び込みました。だから、それまで芸能界という選択肢はなかったんです。
武器は、“素直さとまっすぐなところ”。芝居は一生勉強
──今は俳優をやっていますが、芸能界でやりたいものは見つかりましたか?
初めは、エンターティナーになりたいと思いました。プライベートでは、カラオケスナックとかで即興のMCをしたりしていましたから(笑)。
ただ、それが職業で成り立っていることは知らなかったので、とんねるずさんに憧れていたこともあり、芸人になりたいと思いました。でも、瞬発力もないし漫才もできない。かといって、ミュージシャンといっても、カラオケで歌うだけで楽器ができないし…。
どうすればいいのか悩んでいた時に、たまたま読んだお芝居の本に、“俳優は努力でなれる”と書いてあって。その当時は浅い考えで、才能はないけど努力することならできる、挑戦してみようと思いました。それで、実際にやってみたら、「あ、これだ!」という感覚でした。
自分の武器は、素直さとまっすぐなところ。野球で例えると、変化球よりもストレートが得意だと思います。お芝居は一生勉強ですから、一生懸命勉強しつつ、自分の届けられることをどんどん発信していきたいと思います。
目標の俳優は、子供のころから大好きな長瀬智也
──ご自身が社会人になり、現役を続けているお父さんの背中を見て、改めて感じることはありますか?
すごい努力をしているとか、つらいだろうけれどがんばっている、みたいに言われることもあるんですけど、子供のころから父親を見ている自分としては、努力しているというより、好きなことをしているという方が大きいと感じています。
努力している人は、それを努力に見せないし、努力しているんだからとは考えていないと思います。好きだから、当たり前のことを一生懸命やり続けていると思うので、そういうところも僕自身、見習わなければいけないなと思います。
大変なことはもちろんあると思いますが、自分が好きでやっているのだから、それも好きの一部。つらいというより、楽しもうと思うようにしています。
──将来の目標はありますか?
目標の俳優は、長瀬智也さん。僕は、子供のころから長瀬さんが出ているドラマが大好きで、毎週楽しみでした。笑って泣ける演技で、お茶の間を楽しませる長瀬さんのようになりたいと思っていました。僕もお茶の間を賑やかにできる存在になりたいと思います。
この人が出ているから見たいとか、この人のお芝居が好きだから毎週楽しみにしているとか、そういう俳優になりたいです。
撮影:河井彩美