幼少の頃から幽霊や生き霊が視(み)える特殊な能力を生かし、『ホンマでっか!?TV』『ダウンタウンなう』などで有名人を霊視し、話題を呼んでいる芸人・シークエンスはやともが、本当にあった“恐おもしろ〜い話”を綴った「ヤバい生き霊」(光文社)を上梓した。
「女性自身」(光文社)での連載「ポップな心霊論」をまとめた本書。「初恋の相手も、愛犬も幽霊」という霊視芸人が視ている世界とは?人の気持ちはどこまで視えるのか?本に書ききれなかったエピソードを、フジテレビュー!!がインタビュー。
前編では「良い生き霊・悪い生き霊」についてたっぷりとお届け!
<シークエンスはやともインタビュー(前編)>
「幽霊と生きてる人ってそんなに大差ない 」
――はやともさんと言えば、生きている方の霊「生き霊」という言葉をポピュラーにした印象があります。連載で「生き霊」について書き始めたきっかけは何ですか?
当初「ポップな心霊論」では、亡くなった方の霊を中心に書いていたのですが、仕事でいろいろな方と話しているうちに、なんか強烈な違和感を覚えてきたんです。誰もが「お化けと生きている人はまったくの別もの」だとお話ししていて、生きている人と幽霊に対しての区別がすごく強いことに気づいたんですね。
でも人間は必ず死にますから、いつかお化けになることは、ほぼ確定なんです。これって逆転して考えると「お化けはもともと人間だった」ということになります。
「幽霊」って聞くと、血まみれで白装束、髪が長くておどろおどろしい…とイメージする方が大半だと思います。でも本当はそうじゃないんだよ、っていうことを書くようにしました。それが読者の方に分かっていただけたかなという頃に、今度は「幽霊と生きてる人ってそんなに大差ないよ」ってことも伝えたくなったんです。
――そもそも、はやともさんの語る「生き霊」とはどんなものか、改めて教えてください。
生きてる人みんなが内包しているものです。ある種、“理性”みたいなものでしょうか。日々たくさんの事を学んだり体を鍛えたりすると、心も強くなりますよね。すると、生き霊も強くなっていく。自分を豊かにしてくれるものでもあると思います。
これは幽霊だとか魂、科学的に言うと脳波や匂いのようなものという意見もありますが、とにかく、生きてる人たち全員が内包しています。もし何もないとしたら魂がないってことで、ロボットと同じになってしまいます。
ちなみに人間は、亡くなった瞬間にジュワっと(気化するように)霊に変わるわけではありません。火葬されて体という“よりどころ”がなくなると、霊が体の外にポンと抜け出ていくんです。
――はやともさんからは「生き霊」はどのように見えますか?
テレビ番組などで説明するときは色をつけて絵に描きますが、実際には白黒で、グレーと肌色が混ざったような色で、目視(もくし)で数えられないくらいの粒々がジュワーっていっぱい固まっていて…磁石にザーッとくっつく“砂鉄”みたいに視えています。
生き霊は、好きな相手には「好きだよ」って飛ぶし、恨んでる相手には「恨んでるぞ」って飛んでいきます。これは逆も然りで、もし自分が恨まれてたら「恨んでる」生き霊が、応援されてたら「応援してる」生き霊が飛んできます。霊視をしたときに本人以外の砂鉄のようなものが視えたら、誰かに生き霊を飛ばされている可能性が強いということになります。
合コンでも「誰が誰を好きか」が視える!?
――その人に誰の生き霊が憑いてるのか、はっきり視えるものですか?
隣に生き霊を飛ばしている張本人がいれば分かります。まぁ言わないですけど(笑)。でも、そういうケースは結構ありますよ。僕のところにご夫婦で相談に来ているのに、奥さんが旦那のことめっちゃ嫌ってるとか(笑)。悪い生き霊を飛ばしてくる主が分からないときは、「恨まれてますよ」とか「憑かれてますね」とだけ伝えます。
他にも、先輩と合コンへ行ったときは「どの女の子がどの先輩を好きか」を「どの砂鉄がどの先輩へ飛んでいるか」で判断することが多いですね。
――合コンにも活かせる…そこで視える判断は当たっていましたか?
もちろん、当たってます。でも、視えても意味がない時もあるんです。例えば、お笑いコンビ「レインボー」の池田直人さんはイケメンなので、池田さんに女の子全員の砂鉄が集まってて、他の芸人にはイチ砂鉄も飛んでいないんですよ(笑)!
合コンの途中にグループLINEで「全員池田さんです」って状況を送ると、他の参加メンバーから「ふざけんなよ!」みたいな返事が返ってくるんですけど、しょうがないじゃないですか(笑)。逆に、「今日の合コンハズレだなー」なんて思ってる女の子が誰に対してもイチ砂鉄も飛ばしてないのも視えちゃいます。
良い生き霊・悪い生き霊、その違いと影響について
――「良い生き霊」と「悪い生き霊」では、見え方や感じ方は違いますか?
良い生き霊、つまり「応援してる」とか純粋に「好き」という気持ちなら、白くて蛍の光みたいにホワ〜ンとしてて、飛ばした相手の周りにフワフワ滞留してるときが多いです。悪い生き霊、「恨んでる」とか「嫌い」という気持ちなら、その人に真っ黒でへばりついていて微動だにしません。
ちなみに、赤ちゃんの生き霊って視えないんですよ。物事をまだ何も知らない状態ですから。そこからさまざまな経験を経て、世の中のことやいろいろな感情が分かってくると、砂鉄が増えて大きくなったり色が変わったりします。
逆に「人の命なんてどうでもいい」と思っている完全なるサイコパスの場合は、自分という砂鉄がギュウギュウに固まって、ピッカピカの黒団子みたいに視えます。まるで人の気持ちを寄せ付けない、心の鎖国みたいな感じですね。
――「生き霊」と「亡くなった方の霊」で、受ける影響に違いはありますか?
やっぱり生き霊のパワーは強いです。生き霊の主は当然生きてますから、好きなテレビを見たり、応援しているアーティストのライブに実際に行ったりもできます。生きてる人は時間がどんどん前に進んでいくので、生き霊も同じ歩調で歩んでいます。
ですが、亡くなった方の霊は人生がこれ以上前には進まないので、基本的には自分の想いや過去に縛られている。エネルギーがあって、一緒に人生を歩んでいる生き霊に応援された方が自分の生活に響くし、未来にも影響すると思います。
インタビューは後半では、芸能界で視たスゴい生き霊について語ります!