

「絵本のまち板橋」を区のブランドとして推進している東京都板橋区は、古くから語り継がれてきた板橋区にまつわる「いたばしの昔ばなし」の絵本を制作しました(刊行:板橋区教育委員会)。現代の子どもたちにも読みやすい「絵本」として昔ばなしをアップデートすることで、読書の推進や学習の進展だけでなく、子どもたちに地域の歴史に対する親近感や興味を持ってもらい、ひいては郷土としての板橋区に愛着を感じてもらうことがねらいです。
読み物としての「いたばしの昔ばなし(文化財シリーズ第25集)」は、昭和53年に板橋区教育委員会が刊行しました。全173ページ、53話で構成され、板橋地域の口承文芸とも言える伝説・昔ばなし・世間ばなしなどの代表的なものを取りまとめています。板橋の古い地名のほか、「縁切り榎」「松月院」「赤塚溜池」など現存する名所、江戸時代にあった「加賀下屋敷」にまつわる話など、随所に板橋の歴史を感じられる、区の貴重な財産となっています。
この度制作した絵本は全2冊で、原作の「いたばしの昔ばなし」から4話を選び、「その1.」には「和尚さんとぬすびと」「与兵衛さんときつね」、「その2.」には「仏さまのおだんご」「街道のえのき」を掲載しています。絵本の絵は、「ボローニャ国際絵本原画展」入選者や、板橋区立美術館ゆかりのイラストレーターが担当しており、「その1.」をあいざわふみさん、「その2.」をumecoさん、巻末の「いたばしの昔ばなしMAP」をなかむらしんいちろうさんが描いています。
刊行した絵本は、令和7年4月26日(土)から区立図書館(全12館)で閲覧できます。
収録している昔ばなしなど
和尚さんとぬすびと


今の板橋区赤塚四丁目あたりのお話です。
ある日、村にあらわれたぬすびとたちは、おおあばれをして、古いお堂を守っていた和尚さんにもつめよります。
ことばを聞こうとしないぬすびとたちに、和尚さんは・・・。
与兵衛さんときつね


今の板橋区志村坂下あたりのお話です。
ある日、親戚を訪ねた与兵衛さんは、日のくれた帰り道を急ぎますが、いくら歩いても家に近づきません。
与兵衛さんが道に座り込んでうとうとしていると、目の前に・・・
仏さまのおだんご


今の板橋区志村坂下、志村橋あたりにあった、丸池でのお話です。
ある日、庄之助は5つのおだんごをお弁当に持って、丸池にしじみ取りに出かけます。
面白いほどしじみが取れて、ずっと下を見ていた庄之助の後ろで・・・
街道のえのき(縁切り榎のお話)


今の板橋区仲宿あたりのお話です。
油商人だったみろくさんは、心にちかったことのために、家族と別れて富士山に旅立ちます。
仲宿でやっと追いついた家族を、みろくさんは榎の大木のこかげにすわらせて・・・
いたばしの昔ばなしMAP

時代を超えて、板橋区の昔と今と絵本の舞台を見開きページいっぱいに収めたイラストマップです。
絵・マップを担当した方
あいざわふみさん
2021年、2022年、ボローニャ国際絵本原画展入選。入選作をもとに、初めての絵本「わたしおねえちゃんになります(こぐま社)」を刊行。
umecoさん
2021年、2025年、ボローニャ国際絵本原画展入選。絵本の著書に「すーは~(Gakken)」。
なかむらしんいちろうさん
日本児童教育専門学校保育福祉課専任講師ほか。区立美術館では、中高生向け創作絵本講座講師や周辺地図や展覧会配布冊子のイラスト等を担当。
担当部署
板橋区教育委員会事務局生涯学習課文化財係 電話:03-3579-2636
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