<コラム>『SUPER RICH』第3話

いやいや、どういうオチやねん!!!

うん、マジで、どういう、オチやねん!!!!!

(お台場方面に向かって、みなさんもご一緒に)

一体全体、どういう、オチやねーーーーーーーーーんんん!!!!!!!!

あ~、スッキリした。

え?何に?って、いやいや、白々しい。“あの瞬間”、絶対そう思ったよね。そう思わないはずが、ないよね。だって、

(天井から)“水ドッバー!”だぜ!?

もうまさか、あんな、わけのわからない、細かすぎて誰もがスルーしちゃう…けど、やたら謎に丁寧に、前半~中盤~ラストにかけて展開された、“雨漏り”の伏線が、ホップ・ステップ・ジャンプするかの如く飛躍していって、最後は“水ドッバー!!”って。マジで、どういうオチやねん!!いくらなんでも飛びすぎやろ!!あの水量、ドリフか!!!!!

うん、だけど、みなさん、おわかり?僕、思いのほか、大変、興奮しております!!あのどういうオチやねん!!な“水ドッバー!!”に、大変、大変、興奮しております!!!(変態)

いやだってね、あんなの、普通、絶対見られないからね?通常の、普通の演出で施されたドラマならば、見られないからね?僕、ああいう、ツッコミどころが、異常にピンポイントなドラマ、大好きなんです(あ、知ってたって?)もー、だって、だってさ、普通じゃさ、普通のドラマじゃさ、つまらないやん??ああいう、どんな脚本会議したらそうなるの!?っていう、予想斜め上行く展開のドラマだからこそ、ワクワク、ゾクゾク…そして、記憶に刻まれる…ってもんやん?

いや、だけど、わかってる。やっぱり、あの“水ドッバー!!”が、どういうことなのか、考えが追いつかない、咀嚼(そしゃく)しても咀嚼しても味わかんない!ってんで、みなさんの中にも賛否両論あるかと思う。っていうかむしろ、あの“水ドッバー!!”に賛否両論なかったら、みんな流してドラマ見過ぎよ。“水ドッバー!!”はね、ある意味ね、今の流し見ドラマ社会にね、警鐘を鳴らし、みんなであの“水ドッバー!!”についてツッコませる、語り合わせる、考えさせる…そんなドラマなのよ!!そんな、ドラマなのよ!!!(ところで流し見ドラマ社会て何)

っというわけで、冷静になって(僕がね)、あの“水ドッバー!!”について、改めて、考えてみましょう…。

スリースターブックスの仲間たちは買い出しに出かけるとか言って、

ひとつ屋根の下、不自然に取り残される衛(江口のりこ)と優(赤楚衛二)…

恋人関係にない二人…

衛は優を全く意識しておらず…

優は衛に対して何らかの複雑な気持ちを抱えている…

そこへ、意を決する優…

優、突然に衛の手を取る

「僕は…」

「衛さんが…」

見つめ合う二人…

“水ドッバー!!”

…うん、ごめん…やっぱこれ、どういうこと!?このオチ、一体どういうこと?だって、普通、この場合、「買い出し行ってきまーす!」とか言って男女が不自然に取り残されるこのシチュエーションの場合、考えられるオチって、っていうかその答えって、ひゃくパー、「たっだいまー!!」つって、仲間戻ってくる…やん。いくらベタとは言え、そのベタ込みで「もう何を邪魔してくれちゃってんだよ!!」って、こっちの視聴者も乗っかるわけじゃん。そういうもんじゃん。そういうお決まりじゃん。なのに、“水ドッバー!!”じゃねーよ。しかも、ご丁寧に序盤からその“水ドッバー!!”の為だけに、“雨漏り”フラグ立ててんじゃないよ!いや、もう一個、顔を接近しあって慰め合うくだり…北別府先生(松田美由紀)の漫画関連も含めて、もろもろ伏線張っちゃってたからね!…なんなのその無駄な丁寧さ!!!

とはいえよ…。改めて、もう一度、ちゃーんと、冷静になって考えてみたらよ。この“水ドッバー!!”から判断できること…。それは、きっと…。“並みのドラマはお見せいたしません!!”ってことなのよ。その気概、ありまっせ!ってことなのよ。だてに江口のりこ主演じゃございませんのよ!ってことなのよ(お前誰やねん)。僕みたいな並みの、ドラマクリエイターになりたかったけどなれなかった凡人はやっぱ、みんな帰って来て「たっだいまー!!」どまり、だもの。まさか“水ドッバー!”なんてオチ、想像すらできないし、しかもそれに対していちいち伏線仕掛けとくだなんて所業、思いつかないもの。ありゃあ、並みの発想、並みのドラマじゃあない宣言なんだよ!!

で、でさ、あの場面、みなさんも少なからず、こう思ってたはず…。

え?優!春野優(フルネームで呼びたい)!!ちょっと早ない?恋愛感情早ない!?っていうかそういうドラマなん?そういうドラマにするにしても何にしても早ない!?まだ3話だよ!?“衛は憧れの女性”であって、その先の“恋愛感情”ってどこでどう飛躍した?やめて?そういうんじゃないから、求めてるドラマ。キュンとかそういうの、今、この段階で求めてないから!!(手を握り見つめ合う二人…)おいおい、なんなんこの急展開!はえーよ、まだこっち側の気持ち、追いついてねーよ!はえーよ、やめろや…「僕は…、衛さんが…」あっちゃー!言っちゃうよ!あっちゃー!!…

“水ドッバー!!”

だったもんで、ちょっと笑っちゃったよね。いや、爆笑しちゃったよね。つまり、ドラマ側からしたら、してやったりだったよね。僕ら、完全に罠にかかったよね。“萌えてる場合か!!”ってビンタされたようなもんよね。とんでもねーな!

…いや…だけど…待てよ…。あの…、“水ドッバー!!”…。考えよう、見ようによっちゃあ、その映像のまま、受け取ったらいけないかもしれない可能性…、0じゃないよね?だって“水ドッバー!!”の直前、二人の画角、ちょっとだけ変わったやん?違和感、感じなくもなかったやん?それはさ、つまり、何かしらのイメージ映像?暗示?かもわからんやん?今、この二人の、恋愛模様?なわけねーだろ!!っていう、そういう、そういうことを意味するイメージ映像?かもわからんやん?つまりね、うん、そうだ!そういうね、そういうことなのよ!(一体どういうこと)

いやー、ついつい、ほんとについつい、あの“水ドッバー!!”があまりにも衝撃的だったもんで、たった数秒のあのシーンの為だけに、ここまで字数を費やしてしまいました…。大変申し訳ございませんでした。

だけどさ、今回、結局のところ、“水ドッバー!!”、だけじゃないのよ(そらそーだろ)。むしろ今回の第3話、あの最後、僕らをちょっと笑わせて落としちゃう、その前準備として、1話2話にあったスリリングジェットコースター的雰囲気から打って変わって、ずいぶんとコメディテイスト入ってたもんね。なんかあるに違いない…このドラマの大きなキーマンとなるに違いない…と思ってた碇さん(古田新太)が、結構普通に最低な男…深みなさそう(失礼)…っていう真相に加え、諸々のコメディ展開に対するリリカちゃん(志田未来)のツッコミスキルの高さよな。

あれ、志田未来ちゃんじゃなかったら、ただのアホ展開にもなりかねない、急なコメディテイストに戸惑いを隠しきれない僕ら…だったかもしれないのに、志田未来ちゃんのツッコミスキルが異常に高いもんだから、つい笑っちゃう、ちゃんとコメディシーンとして昇華してたものね。

で、物語もかなり凝ってて、今回の、誰も口説き落とせない難攻不落の重要人物をどう落とすか?っていう部分。こりゃあもう、ここで優演じる赤楚くんの本領発揮。赤楚くんの爆発力を持って突破しないでどうする!ってとこだったわけじゃん。あんな子犬顔で、いい感じにフランクで、息するように懐入ってきちゃう系男子が、“雨漏り”も“雨どい”も自ら気づいて修理し、買ってきたズワイガニを調理してくれる…かと思いきや、自分で食べちゃう…しかも「うーん、うま♡」とか言っちゃう…って、もう決まりやん。どんな人物、いやどんな人類でも落ちますやん。

それ用の、それ専用の赤楚くん演じる優ですやん。なのに、そこには一切頼らない。ちゃんと“物語”として、このドラマにおけるキャラクターとして、納得いく展開を用意する。それは、一人のクリエイターとして、忖度なく、真っ当に批判してくれる衛に、落ちましたとさ…っていう決着…。見事!!で、その後、コメディとして軽く流して終わっていいとこだったはずの、投資家の漫画家志望の娘に、衛はちゃんとクリエイターとして向き合う…だけど、向き合うに値しない人間だから断る…っていう、衛の芯の部分。その衛の芯の部分がブレずに、しっかりしていれば、急なコメディテイストになろうが、絵にかいたような漫画家志望が登場しようが、最後“水ドッバー!!”になろうが、ドラマに、衛に最後までついてきます!!って、そういうことなのよ。

とか言いつつ、次回、宮村くん(町田啓太)回なわけでしょ!!??もう宮村くんの顔面の主張と反比例するように醸し出す悲哀…それだけで泣けてくる…。あぁ、もうなんでもいいから、はよ見してーー!!