<コラム>『ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~』第4話
いやー、今回もつい溜息が出ちゃう、美しいお話だったこと!!
おなじみのナレーション「ここにひとつの○○がある…」が、今回は“城”で、その“城”が、冒頭では、たまきさん(山口紗弥加)の“35年ローンの家”ってことなんだけど、第4話、やんややんやの様々なドラマがあって、最後はその“城”が、実は、たまきさんがやりがいを持って働けてる“甘春総合病院”でもありましたー!でフィニッシュする。つまりそう、見方によっては、独りぼっちで、寂しい女性…かもしれないけれど、本当は独りぼっちでも、寂しくもない、信頼のおける仲間たちがいる、幸せな職場に、たまきさんはいる…それとお母さん(中田喜子)の心情がイコールになるっていうね…。
だけど、その部分、僕、クライマックスの、正面玄関での、たまきさんのお母さんを見送る、ラジハメンバー勢ぞろいを前に、MAN WITH A MISSIONさんの主題歌「Remember Me」が流れ、意味ありげに、“甘春総合病院”を、パーンアップ(下から上に映す)するもんだからさ。その瞬間、はいはい、“城”っつーのが、“孤独=35年ローンの家”から“一人じゃない=幸せな職場”になる、見え方をラストで変えてくる…そういう、そういうイカした演出ね?クゥゥー!!気が利いてるぅぅぅ!!!って気付いちゃったもんで、「ここにひとつの城がある。勤続通算18年…」ってなって、やっぱキターーー!!!!気の利いた演出キターーー!!!…ってなっちゃった…。うん、だから、待てよ?…こりゃあ、ちょっとクサいんじゃないか?あまりにも収まりが良すぎて、僕もちょっと勘づいちゃう程に、ドラマのお手本過ぎて、ちょっとクサいんじゃないか?大北(はるか)先生(脚本のね)、ちょっとこりゃあ、クサいんでないかい!?って、偉そうに上から目線になってた…。ってのに、大ラスのナレーション「この瞬間までは…」からの“ゴキッ!(たまきさん。腰を再び痛める)”って、最初と最後に、“ギックリ腰”でサンドイッチしてきたーーー!!まさかのそこサンドイッチしてきたーーーー!!!しかも、その“ギックリ腰”の見え方は、変わってないーーーー!!!って、さすがに、それはね、予想だにしない気の利き方。ひれ伏しました。大北先生、さすがっす!いや、もう、ホントに素敵でおしゃれな一遍だったっす!言うことないっす!!
とか言って、すぐさま言いますが、だいたい、シーズン2まで来て、改めて登場人物たちを紹介しながらエピソードを紡ぐ…尚且つ、ここへ来て、メンバーの誰かの、家族が登場して…って、なんか嫌な予感しかしなかったんだよね。だって、無理矢理、話作ってる感じ、するじゃん。で、しかも、キャラがもう確立してて、独身貴族で、そっからどうしたって絶対結婚するわきゃない、『ラジハ』視聴者全員がわかってる、たまきさんのエピソードで、結婚どうのこうのって…でもって、それをお母さんが、結婚させようと躍起になる…ってんだよ?やっぱ無理矢理じゃん。っていうかもう何回目よその話、じゃん?どっかのドラマで何回もこすり倒したエピソード&キャラじゃん?なんで今、これやんのよ!大丈夫かよ!!いくら“気軽に楽しめる”『ラジハ』だからって、そういう気軽さ求めてないぜ!!って前回、予告見た時、猛烈な疑い、しかなかったんよね…。(予告でここまで疑う僕もどうかしてる)
…うん、だけど、マジで、ホントに、申し訳ございませんでした!!今回も、めっちゃくちゃいいお話!!でした!!侮るどころか、心底疑って、本当に申し訳ございませんでした!!
まず、たまきさんのお母さんが、娘の結婚に躍起になってた理由…お父さんが亡くなって3年、その間にお母さんは改めて自分の孤独と娘の孤独を照らし合わせ、余計に心配になってた…っていうあの病室のシーン。何気ないエピソードだったけど、その機微が丁寧に描かれててグッときたよね。で、たまきさんも、自分は医師ではなく、レントゲン技師なわけで、母親が倒れて病院に運ばれても、直接自分の手で救うことはできない…っていう、その寂しさ、悔しさもさりげなく描いて、だから自ら母親の心配を拭い去ることって難しいのかな…って、結婚するのもいいのかな?なんてちょっと揺らいじゃう、そういう繊細な部分も感じ取れた…。そして何より、娘の手によって母親が救われました!だから母親の考えが改まりました!ってんじゃなく、その娘の仕事っぷり、仲間の存在を知って、その全ての過程を通して、お母さんは、娘にとって一番の幸せに気付いたのです…って、なんて素晴らしいお話!
で、そのトドメとして描いたのが、登場した瞬間から嫌な予感オーラが異常だった忍成修吾さん演じる、堀田さん(臼田あさ美)の旦那…との対峙よ。あの時点でちゃんと、お母さんは、娘の仕事、娘の幸せを実感した…。それをぶつけた相手が、あの嫌な予感オーラが異常な俳優、忍成修吾さんで(何回言うの)、あの忍成修吾さんでありながら、ちゃんと納得させることができた…っていう、その説得力な!!お母さんの実感をシーンとしてわかりやすく提示する…そのための、嫌な予感オーラが異常な忍成修吾さんだったのよ…。(って忍成修吾さん、ホントすんません!)
そして、医療ドラマとして見た時、スーパードクターが大手術に成功!っていうスッキリじゃなくって、みんなで一生懸命調べた結果、患者さんの心配を取り除くことができました…っていうその結末…それこそがレントゲン技師たちの物語だなって思うし、その調べましたってのも、事象を追うだけじゃなく、大腸検査には内視鏡検査のほかに、CTコロノグラフィなる“3D診断”もできるっていう、具体的医療ドラマアプローチも入れてくる…それこそが『ラジハ』!だし、尚かつ、何より、その3D診断によって、堀田さんは大病を患ってたわけじゃない、何にも異常がなかった…でハッピーエンディングにもっていけちゃう。通常の医療ドラマであれば、何かひと悶着ないとドラマとしてつまらなくね?って思わせちゃうところを、「あー何もなくてよかった!」って視聴者に思わせる、納得できる…その空気感こそが、『ラジハ』!!…なんだよね…。
って、今回なんだかすっごく美しく終わっちゃって忘れそうになったけど、あいつ!辻村先生(鈴木伸之)!!あいつ何してた!?!(あいつ言うな)前回、杏ちゃん(本田翼)に「もう少しだけ考えさせて…」(=脈ナシ確率高し)って言われたにも関わらず、ガッツポーズ!してたあいつ、辻村何してた!?!!(呼び捨てにすな)謎に油断してる間に、五十嵐(窪田正孝)と杏ちゃん、ずいぶん先、行っちゃったぜ?「(資料)作ってみたんです♡」って、杏ちゃん、もう、目が完全に♡だったぜ?つまり、それは、杏ちゃんは恋愛の向こう側…、五十嵐への、信・頼・感…にまで、行っちゃってんだぜ?何してんだよ辻村!!!油断してっからだぞコラ!!そんなんだから、来週、二人、温泉旅行いっちゃうじゃねーかよ!!何してんだよ辻村!!!…って、来週、温泉旅行?一体、どんな話なんすか?