毎回さまざまなジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくフジテレビのトーク番組『ボクらの時代』。
8月30日(日)の放送は、 加藤一二三、杉本昌隆、竹俣紅が登場。藤井聡太二冠の活躍もあって、現在、将棋界が大きな注目を集めている。そこで、将棋人気をけん引してきた加藤九段、元女流棋士の竹俣、藤井聡太二冠の師匠である杉本八段が、将棋の世界で長く活躍してきた3人だからこそ語ることができる、“将棋の魅力”について語る。
竹俣:お2人は…。
加藤:ときどきね。
杉本:もちろん、対局は何局も、先生に教えていただきました。むしろ最近では、テレビ局でご一緒させていただくことが(笑)。私の世代からすると加藤先生は、自分が将棋を覚えたときから、もうトップで活躍されていて、本当に雲の上の存在。
竹俣:それこそ、女子高生とか若者が、“ひふみん”と呼んでいるのが、私はちょっと鳥肌が立ってしまうというか…。
加藤:たぶん、将棋の棋士で知名度ベスト3っていったら、まず藤井さんは、絶対入りますよ。
杉本:でも、加藤先生にはかなわない。
竹俣:そうですよね。
加藤:私も、当然入っているんですよ(笑)。
と、ひふみんが2人を大笑いさせたところから、トークはスタート。
藤井聡太×加藤一二三戦に、杉本が師匠としてアドバイスしたこととは?
2016年の藤井(当時四段)のデビュー戦の相手は、加藤九段。最年少棋士と現役最年長棋士の対戦は、大きな話題となった。
杉本:(藤井二冠の)初対戦が加藤先生とでしたよね。「迫力がすごいから、圧倒されないように」「加藤先生の得意戦法から逃げないように」とアドバイスをした覚えがあります。
竹俣:逃げないようにというのは?
杉本:やっぱり、加藤先生のいいところを吸収してほしいなと。加藤先生の将棋は、真っすぐなんですよね。
加藤:うふふふ。
杉本:真っすぐ攻めて、攻め勝つというのは、若手が見習うには一番の将棋だと。
加藤:私の性格は、相手が待っているところに真正面から攻めていくのが好きなタイプなの。
加藤は「やっぱり、これは棋風ですよ」と、羽生善治九段との比較をしながら、自身の棋風を説明する。
また、杉本はこの対局の際に、服装についての相談があり「制服を着ていった方がいい」と助言していたことを明かす。
藤井聡太二冠は「考えることを苦にしない性格」
藤井二冠の師匠である杉本は、その性格についても言及。
杉本:将棋から離れると、子どもらしいというか。例えば、外食するときでもメニュー見て長考するんですよ。全然決まらないんですね。
竹俣:へえ。
加藤:例えば、フランス人。フランス人は長考するんだよね。つまり楽しんでいるわけよ。
竹俣:楽しんでいるんですね。
杉本:将棋に関しても、考えるタイプ、長考派ですよね。考えることを苦にしない性格というのは、ひとつあります。
杉本は、藤井二冠は子どものころから「定跡書に書いてあるような、あまり重要でないところで長く考えていた」「定跡書をあまり読まないタイプ」と語り、常に自分で考え、“楽をしない性格”だったと振り返る。
将棋界をけん引してきた3人が語る“天才”論
そして話題は、“天才”論へと移っていく。
竹俣:例えば、将棋の才能。将棋を始めたら強くなる才能があるとしても、将棋というものに出会わなければ、その才能は絶対に開花しないわけで。そこで出会う運みたいなものも、天才と言われる方は持ち合わせているのかなと。
杉本:いわゆる天才と言われる人は、子どものころから落ち着いていて、すごく理知的で、隙がない人なのかなと思っていたんですね。
ここから杉本は、藤井二冠の子どものころのエピソードを交えながら、天才の条件としてあるキーワードを導き出す。
また 14歳7ヵ月でプロ棋士となり「神武以来(じんむこのかた)の天才」と言われた加藤は、自身の経験から「僕の天才の定義は…」と、年齢にまつわる意外ともいえる天才論を展開し、杉本と竹俣を驚かせる。
ほかにも、「藤井ブームの中、質問されて困ること」「今、藤井二冠と対戦したら?」「将棋との出会い」「藤井二冠に恋人ができたら?」など、藤井二冠の話題を中心に、将棋の魅力について語り合う。