鈴木京香、高橋克実、江口のりこが、『ボクらの時代』(10月17日放送/フジテレビ)に出演した。3人は、まもなく開幕する舞台で共演。現在、稽古中ということで「いつも一緒なのに、何かこういう場所になると、また違った気分ですね」(鈴木)と鼎談がスタート。
コロナ禍の稽古の苦労や、年齢を重ねることで変化してきた仕事へのスタンス、「運」についてなどを語り合った。
<日本初演が開幕!「Home,I’mDarling~愛しのマイホーム~」の鈴木京香、高橋克典、江口のりこが『ボクらの時代』に出演!>
「年取ることが面白い」鈴木京香のちょっとした進化!?
舞台での共演は、約7年ぶりという3人。
高橋:変わらないもんね。
江口:克実さんも変わらないですよ。
高橋:そんなことないよ。還暦ですよ、今年。
江口:え!還暦ですか!?
高橋:還暦ですよ。
鈴木:というか、若々しく、よりなってきてる感じがしますね。初めてご一緒したころよりも。
江口:でも、そうかも。
鈴木:本当に。
高橋:あれはまだね、髪型がちょっとユニークなころでしょ?
鈴木:ふわふわっと。ユニークと言うか、豊かなころ(笑)。
高橋:豊かではない(笑)。
鈴木:でも本当にそのころの克実さんより、今の方が若く感じますよ。
江口:へぇー、なんででしょう?
高橋:ああ、でもね、それはあるかもしれないですね。なんか、ああいう、自分の中にある“負”みたいなものが…(笑)。
江口:“負”だったんですね。
高橋:“負”でしょ、やっぱあれは(笑)。
江口:共演してる若い男の子とかでも、「毛がなくなるのが不安」とかって言ってる人、結構いますけど、でもこっちからすると「別にハゲたってええやん」と思うわけです。(高橋に)どうですか?
高橋:いやでも、昔よりはなんだろう…こういうスタイルの人が増えたでしょう。バーコード的な感じが少なくなった気がしますよ。
江口:うん、うん。
鈴木:時代も、そういうヘアスタイルが流行ってるだけじゃなくて、やっぱり自分の気持ちがあんまり気にならなくなったっていうのないですか?年齢を重ねることに、抵抗がまったくないっていうか。
高橋:要するに、年取ることが面白いってことでしょう?
鈴木:そうなんです。「昨日見えてた小さな文字が、今日は見えない」みたいな(笑)。ちょっとした進化みたいな感じ。無駄なものが目に入らなくて、すごく気が楽になるみたいな。
高橋:めちゃくちゃプラスですね、それ。
鈴木:そうですよ(笑)。前のほうが結構細かく気になってたと思うんですよ、その、外見的なこと。「これ、良くないんじゃないか」とか。それが今、あまり気にならないっていう。
と、ポジティブに語った鈴木に対し、江口は「最近、何でしょう、首が痛かったり、『はぁぁ』って思うことが多いです」と明かし「ああそうか、私はもう、41(歳)かぁ」と年齢を感じるようになってきたと吐露した。
多忙な毎日に「自分だけが取り残されていく感じ」(江口)
趣味の話題でも、高橋が「自分の時間というより子ども優先」の生活を送り、「その時間が趣味のようなもの」と語ると、江口は「本当に趣味がないんです」と嘆いた。
江口:本当にすることがない。だから家帰っても、早く仕事終わっても、「ああ、どうしよう、することないな。寝よう」って、もう寝ちゃいますね。
高橋:はっはははは!
江口:本当つまんないですから。何にもない。でも、外歩くのは好きなのでよく歩いたりする。
高橋:なんか本読むとか。映画見るとか…。
江口:映画も見に行くの好きですけど、うーん、いや、でも寝てますね、寝てるかな。
高橋:今、もう本当に忙しいもんね。これだけバタバタ忙しいのってどんな感じなんです?
江口:何も思ってないです。だから私、それが怖いなと思って。当たり前のように1日1日が過ぎてて、この間、春やったのにもう秋になろうとしてるじゃないですか。自分だけが取り残されていく感じっていうんですか。
漠然とした不安を口にした江口に、高橋が「休みの日は何しているの?」と聞くと、「整体に行って、自分の健康のために自炊」と回答。
高橋:何か運動的なこととかも?
江口:全然。ジムとかも行かないですし。京香さん、ジム行かれたりします?
鈴木:ジムもね、行きたい派なんですよ。だけどやっぱり稽古が始まったりすると行ける時間がないなっていうのもあるから。私もだから、最近はもっぱら犬の散歩くらいですね。犬の散歩をしながら、ご近所の庭木を眺めたりしてですね(笑)。
高橋:でも、結局、歩くというのは大きいですね。
鈴木:そうですね。やっぱり前は、健康を害してでも、お芝居がうまくなりたいとか、なんて言うんでしょう…遮二無二やって、ちょっと肉離れを起こしてでもやるくらいの、「頑張らなきゃ」っていうのがあったんだけど、今は「健康あっての表現」かなっていうふうに思うようになってきて。
鈴木は、年齢を重ね「欲しいものってだんだんなくなってくるんだけど、健康が一番尊いものだなと、今は思ったりしているんです」と心境の変化を語った。
舞台出て、芝居して、終わって、誰にも会わずにすぐ帰る
また、3人はコロナ禍における舞台公演についても語った。
高橋:去年、コロナ禍で稽古とか本番があったんですけど、「自分が出ていないところに来るな」って言われて。
江口:ああ、そうですね。
高橋:そうすると全体の(様子)もわからないし。(台本は)読んではいるけれどもね。ああいうのって、なかなかのものですよね。今まで絶対ないことだから。
鈴木:うん。
江口:それで本番入っても、舞台出て、芝居して、終わって、誰にも会わずにすぐ帰るじゃないですか。だから、お客さんがこの芝居のことをどう思ったかっていうのが聞けなかったりする。寂しいですね、こういう状況で芝居するって本当に。
高橋:寂しい、寂しい。(鈴木に)コロナになって舞台は、何回目ぐらい?
鈴木:ないんです。
高橋:ああ、じゃあ(今回が)初めてなんだ。
鈴木:はい。だから今回のような状況で、そうか、お客さんの反応が舞台の上でしか感じられないんですね。
鈴木は「感想は、なかなか聞けないのかぁ」と寂しそうにつぶやいた。
仕事へのスタンス「意思を持って流れていく」
現在、木曜劇場『SUPER RICH』(フジテレビ)に主演する江口は、これまでのキャリアを「運が良かった」と振り返った。
江口:「ああ、もうお金ない!」っていうときに、CM受かったりするんですね。
高橋:「運」は、絶対感じるときあるよね。
江口:でも、仕事ってそうですよね。
高橋:うん。
江口:自分が望んでる、望んでないとかじゃなく、勝手に決められていくものっていう感じがすごくしていて。「勝手に決められていく」っていうのはおかしいかな…「流れに身を任せてる」っていう感じがすごくします。
高橋:京香ちゃん、そういうのは、自分の中で全部選んできてるとかはあるんですか?
鈴木:自分が「こういうことやりたいな」っていうのはあっても、やっぱり本当に「流れ」っていうのが一番ぴったりくるんだけど、そのタイミングで自分のスケジュールがどうしてもそれをお受けすることができないことってあるじゃないですか。
江口:はい。
鈴木:だからやっぱり「今、与えてもらったことをやることが一番大事」というような感じなんですよね。やっぱり、流れっていうのが本当に…。意思を持って流れていくというか、そんな感じ。
高橋:最初にやろうと思っていたスタンスと、今とではだいぶ変わってきてますよね、きっと。
鈴木:私はすごく変わってきてます。最初はぼんやりだったし、それで本当に「自分は向いてないな」というのを感じながら仕事をさせてもらってたから。でも、何かひとつやったあとに、小さいことひとつ、できるようになっていることがあるはずな気がしているので、それを頼りに「次もまた頑張ってやろう」っていうふうになっているのかなとは思いますけど。
3人は、俳優を続けていくうえで「仕事へのモチベーションや目的をはっきり意識することは難しい」と語る。
高橋は「自分が、何か人に渡すことができる俳優とか、何かを表現したいとか、そんなことあんまり考えたことない。これでいいのかなと思うときもあるんですけど。こういう人もいるんだろうなと思いながらやってます」、江口も「私も、『来た仕事、頑張ろう』ってやっている感じですね」と語り、目前に迫った舞台の初日に向け「頑張りましょうね」と誓い合った。
3人が出演する舞台「Home,I’mDarling~愛しのマイホーム~」は、10月20日(水)から日比谷シアタークリエで開幕する。