10月9日(土)、映画「人と仕事」の公開記念舞台挨拶が行われ、志尊淳と森ガキ侑大監督が登壇した。

本作は、有村架純と志尊がコロナ禍で多大な影響を受けた「エッセンシャルワーカー」の現場をレポートするドキュメンタリーだ。

新型コロナウイルスの影響で、予定されていた劇映画の撮影が中断されたため生まれた本作。森ガキ監督は「大学生の頃にドキュメンタリーを1本撮ったことがあるんですけど、本当に苦しいんです。撮影していても、編集をしていても。なので、『もう1回ドキュメンタリーを、志尊くんと有村さんとでできるのかな?』という不安はありました」と明かした。

続けて、「でも、コロナ禍でのこの映画の企画は今しかできないし、『今、残さないと絶対に後悔する』と思ったので、『やらせてください』とお願いしました」と振り返った。

志尊は、「まずは、劇映画がなくなってしまったことにショックな部分がありました。でも、このような状況でも、作品を届けることが出来る機会をいただいたことはうれしかったです。『ドキュメンタリーだからやります』ということではなく、人と人で成り立つのが映画だと思うし、(ドキュメンタリーだから)筋書きもないので、この作品がどうなるのかわからない。不安もたくさんありましたけど、みなさんと『一生懸命頑張っていこう』とベクトルが同じ方向に向けたのでよかったです」とコメント。

また、「なにか救いたいとか、伝えたいということよりも。僕もガキさん(森ガキ監督の愛称)も何をしたらいいのかわからない状態だったので、『とにかくやれることをやってみよう!』となりました」と語ると、森ガキ監督は「志尊くんは戦友なので、うれしかったです」と答えた。

完成したドキュメンタリーを鑑賞した志尊は、「普段、自分の作品を見るときは役柄があるので物語としてみることが出来るのですが、今回は志尊淳として出ているので、どうしても主観性を持って見てしまう。『作品の全体の流れがどうこう』ではなく、『僕がインタビューさせていただいた方たちが、この作品に出てよかったと思えるかな?』と思いながら、拝見しました」と語った。

渋谷でのインタビューシーンについては、森ガキ監督は「あのシーンは、志尊くんと『いろんな人に段取りなしで意見を聞きたいですよね』という話になって。渋谷をいきなり『突撃で行ってみましょう!』ということになったんです」と説明し、志尊も「スケジュールを立ててしまうと、どうしても構えてしまうので。ちょっとカメラもあって森ガキさんもいたので、『歩いてみますか?』という感じで撮影しました」と付け加えた。

会議室で有村と志尊が2人きりで話をするシーンについて聞かれると、森ガキ監督は「ドキュメンタリーは、しっかりとした撮影ができるのかは、生ものなので本当に怖いんです。(無人の)カメラを置いたところで2人がどこまで話してくれるのかとかわからないので。2人きりにしたことで、普段言えないことを話してくれました」と分析。

志尊は、「あれはガキさんが『記録用で本編じゃ使わないから』と言われていたので(笑)。あのシーンは、映画の本編だと、別々の取材場所に行ったりしているのから、同じシーンで2人がいることが少ないので、お互いの思いを共有するための会だったんです」と明かした。

また、「(本編で)使わないということで、僕らはすごく荷が下りるんです。どうしても見られてしまうと、1枚フィルターがかかってしまう。なので、『使わない』と言ってくれたからこそ撮れた素材ですし、それを使ってほしくないわけではないんです」と話し、森ガキ監督も「不思議な空間でしたね。計算してこういうのが撮りたいという訳ではなかったので」とコメント。

最後に志尊は「ドキュメンタリーという形で、自分の心情も変化する中、いろいろな人にお話を聞かせていただきました。とにかく、この作品を通してメッセージを伝えたいということよりも、僕自身が知らなかったことがたくさんあったので、それを共有できることで楽になった。いろんな悩みを抱えている人、それでも頑張っている人というのはたくさんいて、僕もその1人だと思う。まだまだ、コロナもそうですし、この前の地震も、災害もあります。皆さんどうか生きてください。また、お会いできることを楽しみにしています」と締めくくった。

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映画「人と仕事」は、全国公開中。

©︎2021『人と仕事』製作委員会
配給:スターサンズ/KADOKAWA

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