10月10日(日)の『ボクらの時代』は、くっきー!(野性爆弾)、斉藤和義、小峠英二(バイきんぐ)が登場。音楽を通じて仲を深めた3人が、お笑いや音楽の共通点などの話で盛り上がり、くっきー!が、音楽とお笑いの“第一発想”の大切さを明かす一幕があった。
くっきー!「マジで許さん!」小峠の裏切りとは
くっきー!は、かつて小沢一敬(スピードワゴン)と「バンドでもやりません?」と盛り上がり、「ボーカルどうしよう?」「小峠ええな」と誘ったことがあったが、小峠から「できない」と断られたという。
くっきー!:「ちょっともう、今からやるのは照れくさいですね」とか言うてて、「まぁまぁ、それはしゃあない、それもあるやろうな」と思ってたら、ホンマ3日後ぐらいにテレビ見たら、こいつ(小峠が)湘南乃風でタオル振って、歌い踊りちぎっとったんです、こいつ。「やっとんな、こいつ!」思って。何が「ボーカル恥ずかしい」や!お前、あれは許さん、マジで許さん!
小峠:あはははははは!
斉藤:(笑)。
小峠:あれは、テレビの企画でやらなくちゃいけなかったんですよ。あれが最後です、もう。本当、テレビで歌うの、たぶん、あれがもう最後です。
くっきー!:笑ってもうたわ。
そんな2人のやり取りを見て、斉藤は「2人とも、もともと音楽をやってて、どこでお笑いに行ったの?」と、そのきっかけを聞いていく。
くっきー!:僕はもう単純に、バンドやってたボーカルのやつから、「お笑いやろう」って誘われたんで。
小峠:あ、そうなんですか。
くっきー!:そうそう。そいつとめちゃめちゃ仲良かったんですよ。360日一緒にいるくらいの。もう、ほぼほぼ一緒にいるやつで、そいつが誘ってきたんで。(小峠に)お前は?お前は…結構ガキのころから(芸人志望)やってんな。
小峠:そうです。僕はもう本当、小学校のときから芸人やりたくて。中学、高校は音楽好きだったんでバンドやってましたけど、それ(音楽)で行こうっていうのはまったくなかったです。お笑い以外は、考えてなかったですから。
斉藤:あ、そうなんだ。
小峠:斉藤さんは、音楽の入り口は何だったんですか?
「バンドばっかりやっていた」「ギタリストになりたくて」と語る斉藤は、高校卒業後にブルースハープを吹きながらギターを弾き語りする先輩を見たことがきっかけで…。
斉藤:「ああいうのがいい」と思って、そこから急に、これ(ホルダー)を着けたいと思って、ブルースハープを買う前に、このホルダー先に買っちゃったりとかして。
小峠:うはははは!
くっきー!:いやいや。まったくお門違いですね。まったくお門違い!絶対ハープ(が先)やもん、絶対。
小峠:銀のよくわかんねえの(ホルダー)がついてるだけでしょう?
くっきー!:そうそう。
小峠:歯の矯正器具のサイズ間違えみたいな感じで。
斉藤:そうそう(笑)。
「そこから歌うようになって、歌もちょっと面白いなと思うように」と明かした斉藤は、そのころからオリジナル曲を作っていたという。
また、小峠が「そのときの曲調って、今の斉藤さんの曲の感じなんですか?」と聞くと「今もライブでやってるものも結構ある」と回答し、2人を驚かせた。
斉藤が語る、あの名曲誕生秘話「同窓会は行ったことも呼ばれたこともない」
楽曲制作は「やっぱり、結構締め切り前が多い」「意外と車に乗ってるときっていうのが、一番浮かびやすかったり…」と語った斉藤。
これに「ドラマやCMのタイアップ曲はめちゃめちゃプレッシャーちゃうんですか?」(くっきー!)、「オファーが来てから作るのか、既存の歌を使わせてくださいと言われるのか」(小峠)などの質問が飛んだ。
斉藤:「使わせてください」って場合もあるけど、あまりそっちというよりは、俺は、依頼が来て「これこれこういう感じになるんですよ」みたいなの聞いて、そこから作ります。
小峠:新曲を作るんですか、そこから。
斉藤:ドラマなりCMは、ある期間過ぎたら終わるでしょう。でも曲としては自分はずっと一生やっていくんですよ、ライブでも。だから、きっかけとしてはそれだけど、基本はもちろん自分の曲を作るつもりで。でも、テーマが自分の中から出るわけじゃなくて、よそからいただいたお題で作るから、それも結構新鮮で。例えば「ずっと好きだった」って曲があって。あれは化粧品のCMの話で「40代の女性たちが久々に会って…だから同窓会みたいなテーマはどうですかね」みたいな話が来て。
小峠:ああ、それであの歌詞だ。
斉藤:そうそう。だから「同窓会」で作ろうなんて、普段だったら自分ではまったく思わないけど、そういうお題で来ると…。
小峠:すごい。
斉藤:行ったこともないんだけど、同窓会。呼ばれたこともないけど。だからそういうのも、利用させてもらうっていうか。
くっきー!:でも、お互いさまですものね。
斉藤:そうそう、それで向こうも良かったらいいし。こっちも新たなオリジナルができたらラッキーって感じがあって。
くっきー!:最短どれぐらいですか、1曲できるの。
斉藤:できてから録るまで、本当にゼロからで、録り終わったっていうの、3~4時間みたいなのもあったかもしれない。それはすごく稀ですけどね。
小峠:かー!その、3~4時間でできた曲って、やっぱりいい曲ですか?
斉藤:なんかそういうほうが残るんだよね。
くっきー!:ですよね!
小峠:やっぱり、これ本当そうですよね。もうネタも本当そうですもんね。
斉藤:ね。なんかずっと練って練ってやってると…。
小峠:いや、これ、やっぱりそういうことなんだな~(と、うれしそう)。
くっきー!:こねくり回したらあかんのや。やっぱり、第一発想が一番おもろいんや、一発目がね。
と、音楽とお笑いの共通項を見つけて盛り上がった。
斉藤:でも、お笑いの場合って著作権じゃないけど、この見せ物ひとつが、パッケージされたからといって、そこに対する著作権みたいなのってないんでしょう?
小峠:ないですね。
斉藤:ギャグひとつにしてもそうでしょう?あれはだから本当に、なんつうか”粋だね”というか。
すると、くっきー!は「芸人サイドは文句しかないですよ。著作権くれ、印税くれと思ってますよ」と本音を吐露。
さらに小峠も「ネタ書いてるっていうことは、これはもう作詞・作曲、なんなら編曲まで全部してるわけですよ。なのに、ネタやったときのギャラの配分が半分って、俺、これおかしいんじゃないかって最近思う」とぼやいた。
くっきー!は「わかるわ~」と共感しつつ、「でも、それ言いだしたら、若い子たちからすごく嫌われるらしいよ。『ちっちぇ!』って思われるらしいで」と、笑い飛ばしていた。
コロナ禍でのライブは「不思議だけど今しかできない経験」
小峠:今こうやってコロナになって、結構ライブが中止とかになってるじゃないですか。今のこの状況っていうのは、みなさんそうでしょうけども、やっぱり大変ですか?
斉藤:大変…ですね。
くっきー!:そうですよね。
斉藤:なかなか(お客さんは)声も出せないしで。でも、声が出せない分のつながり、みたいなのも逆に感じられて。それはそれで面白い経験してるなとは思うけど。
小峠:ほぉー!
斉藤:なんか、ほら、よく…俺もあんまりコール・アンド・レスポンスみたいな、ああいうのは苦手なタイプでほとんどやらないんだけど。でも今回は逆に、みんな声出せないから、そういう苦手っていう人も、心の中で出せばいいしみたいなことでやると、シーンとしてるんだけど、なんか「気」みたいのだけはちゃんとこうやって、「あ、感じる」っていう雰囲気があって。
小峠:そうなんですね。
くっきー!:念力で会話みたいな感じなんですね。
斉藤:そうそう。だから意外と、「前より一体感ないか?」みたいな気もしたり。
くっきー!:ほう、そうか。
斉藤:なんか不思議だけど。今しかない経験だなと思って。
小峠:すごいですね、無音のお客さんから伝わってくるものがあるというのは。
斉藤は「これはこれで楽しんでおかないとなって感じですかね」と、現状をポジティブにとらえている様子。
一方、斉藤が、テレビの収録が無観客になったことについて質問すると「なんかもう、お客さんがいないことに慣れちゃいましたね」と小峠。
くっきー!:いや、わかるわ。
小峠:ね。
くっきー!:ほんで、なんやったら今やお客さんおれへんほうが…。
小峠:いや、わかります。
くっきー!:良くなっちゃって。
斉藤:テレビでも、(スタジオに)お客さんがいて笑ってくれたから感じられる、みたいなのがなくなっちゃっても大丈夫なんだ。
くっきー!:テレビの観客の人ってすごい、反応めちゃめちゃいいんです。悪く言えば、過剰というか。僕ら(コンビ)は、ウケるというよりも悲鳴が多かったんで(笑)、「すごくやりづらいな」と思ってたんです。でも、今はもう全然、無観客で無音なのでやりやすいですよね。
「“スベる”の概念なくなったよね。テレビで滑るっていうの、あんまなくなったかもしれない」とテレビ収録の変化を語り、小峠も大きくうなずいていた。