9月5日(土)に都内で開催された「檀 一雄 「小説 太宰 治」原作より 浪漫舞台『走れメロス』~文豪たちの青春~」の東京公演開幕直前取材会に、内博貴、谷村美月、室龍太(関西ジャニーズJr.)、千原せいじ、山口真帆、湖月わたる、なべおさみが登壇した。
小説家・太宰治の短編小説「走れメロス」が発表され、今年で80年。本舞台は、太宰が、多くの作家たちと育んだ友情や、彼が愛する女性たちとの愛や苦悩に満ちた波乱の人生を題材として、太宰と共に当時を駆け抜けた親友で作家の檀一雄が書き上げた 回想録「小説 太宰 治」をベースに、舞台作品として書き下ろしたもの。波乱に満ちた太宰の人生を浪漫と情緒豊かに表現し、実力派俳優が文豪たちの生きざまを描く。
2年ぶりに単独舞台主演を務める内は、「コロナで前の作品が中止になってしまいましたが、今回は無事にやらせていただけるということで。PCR検査も2回受けまして、スタッフさんもキャストの皆さんもみんな無事でした。ようやく初日を迎えられることができて、本当によかったという気持ちでいっぱいです」と感慨深い様子。
コロナ禍での稽古について、「今までに経験したことのない稽古の仕方でした」と話し、「マスクやフェイスシールドをしたり、待機中もクリア板で仕切ったり、不思議な感覚の中でやらせていただきました。それくらい徹底してやらないといけないなというもありました」としみじみ。
また、「コロナが最近、すごく身近になってきたと思っていて。自分がいつかかってもおかしくないという危機感を常に思いながら稽古をしていました」と振り返り、「その中で無事初日を迎えられ良かったと思いつつ、千数楽まで気をゆるめることなく、気を付けながらやっていきたい」と話した。
そんな内は、太宰役を演じるが、記者から文豪の姿を「お似合いです」とほめられると、「ありがとうございます」と笑顔を見せた。前回、別の作品で作家の織田作之助を演じたが、「織田さんを演じた時に、セリフの中で『太宰はどうだ』とか言っていて。まさか太宰治をやるとは思ってなかったので、これは縁があるのかなと勝手に思ってます」とコメント。
また、「以前、文豪の役をやったから今回すぐできるというわけではないですけど、自分の中で1回経験したことがあったので、スタート地点は悩むことなく、苦しまずすんなり入れたなと思います」と役作りについても明かした。
檀一雄役を演じる室は「『小説 太宰 治』を書いた方なので、この役をやらせていただけることが光栄」と言い、「ストーリーテラー的な立ち位置なので、その辺はしっかり務められたらなと思っています」と意気込みを。
内と室は関西ジャニーズJr.からの長い付き合いになり関係性もあることから、内は室との共演で「苦労したことはない」と言い、「室は別の舞台の本番が合ってなかなか稽古にこれなくて。最後の方から参加して本当に大変だったと思うんですけど、僕たちにも気を遣わせることなくて。一人で台本を読み込んできてくれたので、そういう面ではスムーズに稽古もできましたし、さすがジャニーズだなと思いました」とたたえた。
すると、すかさず室も「内くんもジャニーズです。先輩です!」とツッコミ笑いを誘い、「稽古初日くらいから皆さんが親身になってくれて。すごくいい現場でした」と笑顔を見せた。
最後に内が、「万全な準備対策で迎える形はできていますが、このご時世ですから『劇場でお待ちしています』とは言えなくて。難しいと思うんですけど、それでも来てくれる人たちのために夢や希望など、今まで舞台に行きたかったけど、我慢していてようやく行けるんだという人たちもたくさんいると思う。その人たちに与えられるものがあればいいなと。全力でやらせていただきます」と誓い、「 我々も気を付けてますので、来ていだく際は気を付けてほしい。その中で一つの作品を皆さんと楽しめられたらと思います」と引き締まった表情で締めくくっていた。