視聴者が“今最も見たい女性”に密着し、自身が課す“7つのルール=こだわり”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ、人生観を映し出すドキュメントバラエティ『7RULES(セブンルール)』。
10月5日(火)の放送では、建設会社「ゼムケンサービス」代表、籠田淳子に密着した。
福岡県北九州市にある「ゼムケンサービス」は、建設業界で働く女性技術者の割合はわずか4.5%(2015年の調査)ながら、所属する8人中7人が女性という建設会社。
その女性活用の功績で、日本経済界の大物と並び、内閣府の「女性が輝く先進企業表彰」を受賞した。会社はこれまでに、北九州空港のメインレストランや東京日本橋のそば店など、全国から依頼を受け、手掛けてきた。
建築業界に新たな風を吹き込み、自らのことを「建築業界のジャンヌ・ダルク」と名乗る、建設会社「ゼムケンサービス」代表、籠田淳子の7つのルールとは?
ルール①:現場では常にペアで仕事をする
「ゼムケンサービス」は一級建築士が3人、さらにインテリアコーディネーターや色彩コーディネーターなど計8人のスタッフで、年間30件の依頼に答える。女性スタッフが多い中、働きやすい環境を作るために、社内では「現場は常に2人のシェアリングで管理する」というルールを設けている。
そこには、子育て中や介護をしている人たちが急に呼び出されたときに、問題なく駆け付けられるように、「お互いを助け合えるチームづくり」を目指していることを彼女は明かした。
ルール②:“匂い”をデザインに取り入れる
1965年、北九州市の大工の家に生まれ、幼い頃から父の背中を見て育ってきた彼女は、将来は建築業界で生きていくつもりだった。しかし「建築(業界に)行って何になるのか」、「女が建築行っても電話番かお茶くみしかない」と父から猛反対された。
それでも大学卒業後、父の反対を押し切り設計事務所に入るが、男性社会の中、セクハラなどの酷い扱いを受ける。26歳のときに一級建築士の試験に合格すると、「そこまでやると思わなかった。一級まで取ったら男も女も関係ない」と父から認められ、1993年に「ゼムケンサービス」を立ち上げた。
この日、2世帯住宅を依頼した男性との打ち合わせをしていると彼女は、「料理の匂いが通り、(人の)気配も感じられるように」と内窓を多くとる設計を提案していた。彼女が改装を請け負った、「総本家 更科堀井」の日本橋高島屋店では、蕎麦の香りを届けようとオープンキッチンに。同店の内田健太店長は、「料理が美味しいだけじゃなく、お店の雰囲気が好きで来てくれるお客さんが多い」と、その評判の良さを語った。
スタジオでは、建築業界での女性の働きづらさについて、本谷有希子が「淳子社長の世代で、『女性が建築もやる』ということを見せていただいて、次の世代でフラットにしていけば、働きやすいいい業界になるんじゃないかな」と分析。長濱ねるは「自分の周りでは、そんなに『男性だから、女性だから』と分けることがないので。若者たちのために戦ってきてくれたんだな」と感謝していた。
ルール③:月に1回社員に食事を作る
彼女のもとに集まったチームメンバーのために、月に1度は自ら料理を作り、みんなに振る舞うことを習慣としている。いまや家族同然の社員たち。食べっぷりを見てどれだけ働いていたか、食欲がなかったりすると体調が悪いんじゃないかと、それぞれの調子の良し悪しが分かるという。
この食事会について、社員の中で唯一の男性メンバーである松尾浩嗣さんは「半分は代表の趣味で、(社員は)趣味にお付き合いしている。半分は、代表を喜ばせるためにみんなを集めてる」と本音を打ち明け、微笑んでいた。
ルール④:何か思いついたら松尾さんに電話する
松尾さんは、2年前からゼムケンサービスの社長に就任し、代表である籠田の右腕として会社を支えている。そんな松尾さんとの間にも、あるルールが…。
彼女には「何か思いついたら電話をかける」というルールがあるため、松尾さんの元には1日20回ほど着信が。最初のうちは何を言っているのか分からなかったというが、「それを仲間や職人に伝えていくのが仕事」だということに気づいたという松尾さん。今では、そのポジションについて「重要な役割だなと思っています」と語った。
これについてスタジオでは、尾崎世界観が「書き留めるだけではなく、人に話すことは重要ですよね。相手の反応も含めて良いか悪いかを判断できる」と、ルールについて納得した様子。
ここで、番組から「働くならYOU建設会社?本谷建設会社?」という難しい質問が。「どっちにする?」と、ノリノリなYOUと本谷をよそに、青木、長濱、尾崎の3人は苦渋の表情。口を開いた尾崎が「僕は青木(崇高)さんと同じところにします」と青木に回答を委ねると、YOU、本谷からは揃って「ずるい!」の声が上がった。
ルール⑤:休日は着物を着る
日々仕事に追われ、月に休日は1度ほど。そんな貴重な休日に彼女は「着物を着てリフレッシュ」と、母や叔母の着物を仕立て直し、着ているという。
母の影響で「着物の魅力に気付いた」という彼女は、「女は女に伝えていき、女が女に磨きをかけていく。(着物を着ることが)すごく非日常で、おしとやかかどうかは分かりませんけど、自分へのご褒美」といい、着物を着るようにしている。
ルール⑥:叱るときは、驚かせるくらいのエネルギーで
この日は、会社が請け負った完成間近の歯科医院の最終チェック。籠田は子どもが遊べる場所について「怪我をする恐れがある」と現場監督の根本さんを厳しく指摘。これについて「叱るときには、むちゃくちゃ驚かすくらいに言って、キュッと引き締める」と明かした。
根本さんをキツく叱った帰りの車中、彼女はため息をつき「本人も落ち込むんだろうけど、私も落ち込むんですよ。でも腐らずに自分と戦っていってもらわないと」と本音をこぼした。
スタジオでは「最近叱られたこと」について、「駅のホームで何も考えずに、ドア前じゃないところで待っていた」と切り出した長濱。続けて「(知らない間に)後ろに列が出来てて『ここじゃねぇじゃねぇか!』」と叱られたエピソードを明かすと、「それはさぁ!」(YOU)、「『知らねぇよ』って(言ってやれ)」(尾崎)と、長濱を擁護していた。
ルール⑦:建設女子を増やす
この日開かれたのは、厚生労働省と連携した職業訓練講座。建設業界で働く女性を増やすために長年国に働きかけ、ついに実現し、彼女は校長という立場になった。約1ヵ月間の講座には、建設業界でのキャリアを断念した人、新たに目指す人などが参加。
建設業界への女性進出について彼女は、「もうまもなく見えてくるときだと思うんですよ。女性(の進出)は新しいことへの一つの象徴」と持論を展開。「女性だけでなく、若者や外国人、障害のある方など多様な人材の働ける職域が建設業界にはいっぱいある。『やってみたいな。かっこいいな』と憧れる仕事を、誰もが働き続けられるし、賭けていくことができるようなチャンス作っていきたいなって思ってます」と、内なる思いを明かした。
スタジオでは、再び先ほど答えの出なかった「働くならYOU建設会社?本谷建設会社?」という質問が…。迷いながらも青木が「本谷さんですかね」と選ぶと、YOUは「なんで?」と眉間にシワを寄せた。
青木は「本谷さんに5年くらい厳しく教えてもらった後、YOUさんに引き抜きしてもらって、のびのび働きたい」と理由を語ると、YOUは「答えとして、一番正解ですね」と納得した様子を見せた。
※記事内、敬称略。
10月12日(火)放送の『セブンルール』では、話題のCMやミュージックビデオなどの振り付けを手掛けるダンサー・振付師yurinasia(ユリナジア)に密着。2年前から始めたSNSへの“ダンスレッスン動画”の投稿が話題を呼び、一躍有名に。活動の場が広がる今でも、地元・福岡を拠点に活動を続けている。独創的なダンスで、業界内外で注目を集めているダンサー・振付師、yurinasiaの7つのルールとは。