“国宝級イケメン”として注目される神尾風珠が主演し、自身初となる教師役に挑む、フジテレビ系土ドラ『顔だけ先生』。10月9日(土)スタートのこのドラマで神尾が演じるのは、問題山積の私立高校に非常勤講師として雇われた遠藤一誠。ルックスは抜群だが、教師らしいことは一切しない“顔だけ”のポンコツ先生だ。
本作で、「顔は満点、中身は赤点」な、非常勤ならぬ“非常識講師”を演じる神尾。初の教師役となった役柄や共演者の印象、自身の学生時代などについて聞いた。
<神尾楓珠 インタビュー>
核心を突くセリフをサラッと伝える。それが“遠藤流”の難しさ
──まず、台本を読んだ感想と、演じてみての手応えを教えてください。
台本を読んで、遠藤は朴訥なキャラクターだなと思いましたし、掛け合いがおもしろいと思いました。
遠藤のセリフには、核心を突くものが結構ありますが、深いことを言っていると見えないように意識しています。遠藤として伝えるのではなくて、セリフとして伝えたいということと、伝えようとしている感じを出さないのが遠藤らしさでもあるので、サラッと言っているけれど、セリフが流れないように。そのバランスが難しいですね。
──『顔だけ先生』というインパクトのあるタイトルですが、そういう役柄に抜擢された時はどう思いましたか?
「あ~、やっぱり顔なんだな」って(笑)。自分では顔が整っているとか意識していないんですけど、周りの方が言ってくださるからラッキーではありますが、今回もそんな感じなんだなって、最初は思いました。
もし、そう思われているのだったら、芝居で見返してやろうと思いました。でも、台本を読んだら、その考えはガラッと変わりました。素の自分よりは、遠藤の方がエネルギーがありますけど、すごく自然体で演じられる役柄だと思います。こんなに自由奔放な役柄は、今まであまりなかったかもしれません。
だから、カッコいい仕草とかをやらなくていいんです。カッコつけるのは、あんまり得意じゃなくて(笑)。
自分の価値観を大切に生きている遠藤に共感。ゆるい雰囲気が今どきの生徒には魅力!?
──遠藤は、破天荒な教師ですが、共感するところ、魅力を感じるところはどこですか?
周りから見ると遠藤は破天荒ですが、自分の価値観を大切に生きている人です。周りがこうだから、こうしなきゃいけないという考えではないんです。僕も、自分の価値観を大切にしているので、そこは共感できますね。
あっけらかんとしているところや、考えていないわけではないけれど呑気に見える雰囲気は、生徒からしたら話しやすいし、「この人なら何を言ってもどうせ聞いていないだろうな」というゆるい感覚だと思うので(笑)、そういう親近感が魅力だと思います。
──もし、神尾さんが教師になるとしたら、どういう先生になると思いますか?
僕って、初対面はちょっと話しかけづらいイメージだから、生徒にその印象から入られると難しいと思いますけど、ハキハキしゃべるわけでもないし、ゆるい雰囲気が出ていると思うので、きっとゆる~い先生になりそうです(笑)。
──そうすると、本作では神尾さんの“目ヂカラ”は封印ですか?
遠藤は、大きい声を出したり、感情を思い切りぶつける役ではなく、ひょうひょうとしていますね。自分ではわからないのですが、普通にしているだけでも目ヂカラが強いと言われてしまうので、そういう意味では、今回は“目ヂカラ”は封印しているかもしれません(笑)。
卒業生代表の答辞に大号泣。「まさか神尾が泣くとは」と、担任の先生ももらい泣きした高校の卒業式
──神尾さんご自身は、どんな生徒でしたか?
イベント系はめっちゃ好きでしたね。体育祭も文化祭も好きで、出し物とかもちゃんと手伝っていましたし、中学では実行委員をやりました。
──好きだった先生はどんな方でしたか?その先生とのエピソードがあれば教えてください。
高校3年生の時の担任だった先生です。ちょっと砕けたところがあって、冗談とか言っても返してくれるような先生でした。
エピソードは、卒業式での思い出ですね。僕は先生方が座っている一番近くの列にいたのですが、卒業生の代表が読んでいる答辞にすごく感動して、大号泣しちゃったんです。答辞を読んでいるのは全然知らない生徒なんですけどね(笑)。
僕自身、泣くキャラでもないし、クールな人間だと思われていたようで、そんな僕が泣いている姿を見て、担任含め3、4人の先生がもらい泣きをしてしまったんです。
卒業式が終わってから、「まさか神尾が泣くとは思わなかった」と担任に言われて。僕としては、照れくさくて笑って終わりましたけど(笑)。
共演者は“濃いキャラ”だらけ!?アドリブもウエルカムでアイデアが次々湧いてくる
──教師役には、遠藤に振り回される学年主任・亀高千里役に貫地谷しほりさん、教頭役に八嶋智人さん、さらに、阿部華也子さん、笠原秀幸さん、和田聰宏さん、三浦涼介さんなど多彩な俳優さんがそろっています。雰囲気はいかがですか?
現場は、すごく楽しいです。監督さん含め、アドリブとかもウエルカムな雰囲気なんです。だから、現場に入るといろいろとアイデアが湧いてきます。
貫地谷さんは、僕が本番で急にアドリブを入れても素早く反応してくださって、本当にすごいなと思います。八嶋さんは、その場の空気を全部持って行く力のある方。カメラが回っていない時でも現場を和ませてくださるので、とてもありがたいです。
──生徒役のキャストのみなさんの印象はいかがですか?
若林時英くんは、ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(2019年1月~3月)で同じ生徒役を演じたり、他の作品で共演したことも。その信頼関係があるので、「このセリフ、ちゃんと伝わってた?」などと確認しています。
長谷川慎くん(THE RAMPAGE FROM EXILE TRIBE)もかつて共演したことがあり、今回、久しぶりに会いましたが、相変わらず真面目で(笑)。常に台本を持っていて、「ああ、変わっていないな」と安心しました。
TikToker の影井ひなさんは、この間、TikTok撮っていました。うまいな~と思って見ていました(笑)。
モットーは“自然体で仕事をすること”。意識高くやろうとすると、逆にうまくいかないことも
──本作で初めての教師役に挑戦。12月3日公開予定の主演映画「彼女が好きなものは」や来年公開予定の「20歳のソウル」「親密な他人」など、さまざまな作品に出演されています。お仕事に対する感覚などで変わったことはありますか?
仕事に対しては、俳優1本でやっていくと決めてからは変わっていないです。意識を高く持ちすぎると、逆にうまくいかなかったりするんですよ。自然体で仕事をするということを大切にしてきて、それは今も変わっていません。
もちろん、責任感は以前より増えていますが、でも、責任感が増えても自然体でいられたらいいなと思っています。
価値観を大切にするという話とつながりますが、今はSNSの時代じゃないですか。こういう仕事をしていると、いろいろ書かれることもあるので、自分の価値観を持っていないと揺さぶられてしまうんです。それが嫌だから、きちんと軸を持とうと思いました。
といっても、芸能人だから、ということは、あまり意識しないようにしています。そんなことよりも、「人生楽しみたい!」と思うようにしています。
──最後に、視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。
賑やかで楽しく、奇想天外な学園ドラマになっています。教師らしいことをしない型破りな先生が、悩める生徒たちの問題をどう解決していくのか。ぜひ注目して見ていただけたらうれしいです。
撮影:今井裕治