9月20日(日)20時より、フジテレビでは日曜THEリアル!『池上彰スペシャル』が放送される。

池上彰が、日本や世界の重要なニュースをわかりやすくスタジオ解説するシリーズ。今回は、菅新政権の誕生、そして刻々と変化する新型コロナウイルスを巡る状況を受け、一部緊急生放送が決定。

9月16日に誕生した菅義偉新首相。菅新政権のもとで、日本の新型コロナウイルス対策はどうなるのか。これまでの安倍政権の方針や対策と違いはあるのか。池上彰がいち早く、そして忖度(そんたく)なしで生解説する。

さらに世界中で急ピッチで進められている新型コロナ収束への希望の光、ワクチンの開発。果たして順調に進んでいるのか?その今を解説。

この冬、我々は今まで経験したことがない事態に直面することも予想される。新型コロナとインフルエンザの同時流行が起きてしまったら…。私たちの医療は守られるのか。最前線の現場の声を取材、懸念される日本の医療現場の逼迫(ひっぱく)の原因はどこに!?

さらに大型台風や、いつどこで起きるかわからない大地震など、日本を襲う自然災害と感染症が重なる「複合災害」も強く懸念されている。その時、身を守るための「避難所」が、実は日本では約100年前からあまり進化していない状態なのだ。

大勢で密集し、床に雑魚寝する…。感染症対策が全くとられていなかったこれまでの避難所の実態。新型コロナの感染拡大に伴う「複合災害」に備え、避難所の感染症対策は今どうなっているのか。

今年7月に熊本県などを襲った「令和2年7月豪雨」で、クラスターを防いだ熊本県内の避難所では、“あるもの”が活躍していた。それは、布製の「パーティション」。この布製カーテンのすごさとは…。

ゲストの長嶋一茂も「これはすばらしい」と絶賛する一方、「なぜもっと普及していないのか?」と疑問を投げかける。

そして、あまり知られていない海外の避難所についても池上が解説。実は、日本よりはるかに進んでいる海外の避難所。2016年のイタリア中部地震の際に設置された避難所では、1家族にひとつ避難用のテントが提供され、簡易ベッドも1人1台。

さらに食事も充実。衛生面から食堂は別に設置され、提供される食事は避難所で作られている。メニューは、生野菜のサラダや肉料理、そしてワインまで提供されることもあるという。日本の避難所となぜここまで違うのか。日本の避難所にいま必要なこととは…。

池上の解説を聞き、ゆきぽよも、「こういうことは小学校で教えた方がいい!」と力説する。

また、入国規制の緩和を受け、国際空港での検疫体制はどうなっているのか。成田空港で行われている水際対策の最前線を、番組では特別に取材させてもらうことができた。航空機を降りた乗客の目線で、その検疫の現場を疑似体験する。

<池上彰 コメント>

――新型コロナウイルスの感染状況は、一時よりは落ち着いているようにも見えますが?

確かに感染者数が以前ほど爆発的には増えていませんが、だからといって大幅に減ってはいないですよね。

しかし、この状況に慣れてしまって、毎日全国で何百人も感染者が出ているのに、「そんなものかな」という感じにもなっています。

このような慣れというのは危険だと思います。ここのところ死者も連日出ていますので、それが非常に気になるところです。

――これまでの日本政府の対応についてはどう感じていますか?

対応は後手後手に回っていたにも関わらず、感染者数・死者数が非常に少なかったということは、やはり国民のみなさんが一生懸命、感染症対策を行ったということだと思います。

PCR検査もなかなか拡充しませんでしたし、政府の対応は決して褒められたものではありませんが、結果としてはうまくいっている。そのため海外のメディアからは「日本は不思議だ」「政府が失敗ばかりしているのに、なぜ死者が少ないのか」と言われるくらいです。それは一人一人がものすごく気をつけたということだと思います。

――新型コロナとの新たな闘いの局面で、菅新政権に望むことは?

もちろん経済と新型コロナ対策の両立を求めるということはよくわかります。

しかし、感染症対策を徹底的に行わず、中途半端に経済を再開させるとまた患者が増えてしまい、その結果、経済行動を制約せざるを得ないということの繰り返しになってしまう恐れもあります。

経済を回さないといけないというのはわかりますが、あまり早急にやってしまうと、かえって逆効果になってしまうということに気をつけないといけないと思います。

――番組の見どころ、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします 。

今回の番組で特にお伝えしたいのは、災害が起きた時の避難所がこれまであまりに非人間的だったということに今ようやく気がついたということです。

新型コロナ対策ではなく、そもそも最初から避難所とはこうあるべきだということを私たちは知ったのではないでしょうか。

イタリアの例を見れば、たとえ避難していても私たちの日常の生活、人間としての尊厳を失わないような避難生活が絶対に必要だと私たちは自覚するべきだと思います。