<鵜澤龍臣(プロデューサー)コメント>

報道部のかけ出し記者時代、緩和ケアに取り組む医師に密着させていただきました。そこで出会った患者のみなさんと家族との会話の中にはいつも、「最後に食べたい料理」がありました。昨年、99歳で他界した祖母も最後まで自分で食事をすることを望んでいました。

今回、清水さんに描いていただいた『介護スナックベルサイユ』は、そんなお年寄りの「人生最後に会いたい人と食べたい料理」に寄り添う物語。

高齢者が嫌いな主人公を、地上波単独初主演の尾碕真花さん、店のママに宮崎美子さん、そして大ベテランの俳優陣に、客や思い出の人物を熱演していただきました。

実在する介護を伴うスナックも複数取材しました。みなさんが口をそろえて、 
スナックのあの陽気で不思議な空気が、客たちを元気にすると話していたのが印象的です。 

私にとって「最後に食べたい食事」とは。ここ数ヵ月ずっと考えていますが、答えが出ません。今後の人生でもっと素敵な料理に出会うかもしれないから。

そう思うと、歳を重ねることが少しだけ楽しみになってくる。このドラマで、そんな気持ちになってもらえたらうれしいです。