『ナイト・ドクター』最終話完全版
朝倉美月(波瑠)、成瀬暁人(田中圭)、深澤新(岸優太)、高岡幸保(岡崎紗絵)、桜庭瞬(北村匠海)たちは、本郷亨(沢村一樹)から「あさひ海浜病院」のナイト・ドクターチームの解散を言い渡される。すでに柏桜会理事会の決定事項で会長の麗子(真矢ミキ)から本郷に通達された案件だった。
突然の知らせに、美月たちナイト・ドクターは衝撃を受ける。しかし、本郷はこの解散を喜んでいると言うのだ。その真意とは…。
解散が通達された夜、3件の事故が同時に発生し、ナイト・ドクターたちはそれぞれの現場に向かう。本郷の指示で現場に向かったのは、美月、深澤、幸保の3人。美月は電車の車両基地、深澤はゴミ処理場、幸保は高層オフィスビルで発生した事故だった。
自分が出動しなかったことに疑問を持つ成瀬に、本郷は救命センターの指揮を任せる。桜庭は、母・麗子にナイト・ドクターチーム解散の事情を聞こうと電話するのだが繋がらない。そんな時、桜庭はトイレで倒れている患者を発見。急を要する患者の病状に、桜庭は自ら治療することを決意する。
成瀬は自らも運び込まれた患者の処置をしながら、美月たち現場や桜庭の状況を確認していた。事故現場で、それぞれに治療の判断を迫られる美月、深澤、幸保。病院のICUでは、桜庭も成瀬や本郷の手を借りずに患者のオペを進めようとしている。そして、ナイト・ドクターたちそれぞれが現場で治療にあたる医師は自分1人という厳しい夜を過ごす中、目の前にいる重症者に対して、大きな決断を迫られようとしていた。美月たちは長く、孤独な暗闇に立ち向かっていく。
最初に患者を搬送してきたのは幸保。患者は、夜のエスカレーターの点検作業員だった。次は、深澤がゴミ処理場でコンベアに挟まれた男性を運び込む。桜庭も患者の治療を無事に終えるのだが、美月が帰って来ない。美月は車両点検中に挟まれた男性の救助、救命に難航するが遅くはなったが、無事に患者を搬送した。
この時、美月、深澤、幸保が救った患者は奇しくも自分たちと同じく深夜に働く人々だった。
夜明け前、患者の治療を終えて屋上で一息つく美月たちは、本郷から申し渡された解散の真意を話し合う。実は、理事会の通達とは「あさひ海浜病院」の現在のナイト・ドクターチームは解散して、系列の拠点病院にメンバーたちを送り込み、それぞれの病院にナイト・ドクター制度を広めるという計画だった。
チームとしてようやく形になって来た美月たちは、話を聞いた時はショックだった。しかし、この日に起きた深夜に働く人々の事故を見た美月たちや、単独で患者を治療できた桜庭には覚悟が生まれる。成瀬もナイト・ドクターを普及させるためには必要なことと理解していた。
それから1ヵ月後。美月たちは、日本各地の系列病院で新しいナイト・ドクターチームのメンバーとしてそれぞれに働きだしていた。
深澤は「あさひ海浜病院」に残ったのだが、病院の改革は少しづつ芽を出し始めている。昼勤務の医師には週休二日制が導入されたため、女性の救命医が増えていた。また、本郷は夜間の救命医療を拡充するため、星崎比呂(泉澤祐希)を容態の安定した患者を周囲の病院へ「くだり搬送」するプロとして登用している。
それでもまだ、美月、成瀬、深澤、幸保、桜庭、そして本郷たちの思いを完遂するまでの道のりは長い。その時が来るまで、美月たちは患者を受け入れ続ける…。