9月2日(木)、舞台「ネバー・ザ・シナー -魅かれ合う狂気-」の公開稽古とフォトセッション取材会が行われ、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、林翔太、荒木健太朗、前島亜美、山岸拓生(拙者ムニエル)、姜暢雄、磯部勉が登壇した。
この作品は、実際に起こった、歴史に残る猟奇的殺人事件「ローブとレオポルド事件」を題材に映画監督である君塚良一が舞台初演出したもの。1924年のアメリカで、リチャード・ローブ(辰巳)とネイサン・レオポルド(林)の2人が起こした事件の裁判を舞台に、物語は進行していく。
下段左から)辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、林翔太
辰巳と林がリアルな恋人関係に!?「ありです」
公開稽古の終了後に、辰巳と林の2人が記者からの質問に答えた。
辰巳は「僕らは演劇に真摯に立ち向かって、この作品は実話ということで演出の君塚さんを先頭にいろんなことを調べて、いろんなことを僕たちなりに勉強して、取り組みました。濃厚な稽古の時間を経て、今こうして披露できるということが幸せです。これから千秋楽まで気を引き締めて頑張ります」とあいさつ。
辰巳は林の印象を「もともとジャニーズで同じグループに属していた時期もありまして、その時はこうして主要人物として、(一緒に)ステージに立つというのは想像もつかなかったです。その時の自分たちに『諦めずに頑張っていたら、こういう景色が見れるよ』というのを伝えたいです。翔太とは初めてこうやってお芝居をやったんですけど、レオポルドという役に似ていて、優しさとかフワフワしている部分がありつつ、芯がしっかりしている男だなと感じました」とコメント。
林は「さっきも『こんな日が来るとはね』と話をしていました。同じグループのときから、お兄ちゃん的な存在で、僕がオーディションで入ったときから、一番前で踊っていて。ずっと踊りを教えてもらっていたので、今回こうやって2人でがっつりとお芝居させていただけるのがうれしいし、このお話をいただいたときは、ちょっとドキドキしました。見定められるんじゃないかなと(笑)」と笑顔で答えた。
続けて、「『おいおい、翔太。どれだけ出来るようになった?』って。(辰巳は)それだけの経験をされているんで。今回こうやって一緒に稽古場でお芝居をしても、毎回違う芝居を投げてくれて。そこはすごく勉強になったし、経験になりました」と明かした。
それに対し辰巳は「今聞いてびっくりしたんですけど、オーディションのときは一番前で踊っていたのが、そこからどんどん(立ち位置が)下がっていったから、衝撃を受けました」と冗談で返し、会場を笑わせた。
また、「昔からかわいい後輩で、まっすぐで純粋に物事に取り組む姿勢が、僕の林翔太の好きな部分です。でも、僕が舞台の振りを覚えるのを悩んでいるときは、教えてくれたりと頼れる一面もあります。今回も自分がローブ役として感じたことを演技で投げても、レオポルドとして受け止めてくれる安心感がありました。男として、俳優としてものすごく成長しているんだというのを肌で感じました…。なんか照れちゃいますね」と、恥ずかしそうに語った。
辰巳と林は本作では恋人同士を演じているが、「お互いにキュンキュンした瞬間は?」と尋ねられると、林は「(辰巳は)ローブのようにセクシーなんです。それの研究がすごいから、家でもずっと動画を見たり、いろんな映画を見たりしていて。稽古の日を重ねるごとに、どんどんセクシーになっていくので、レオポルドとして本当にキュンキュンしながら芝居してました」と答えると、辰巳は「研究していたとか言うとね…。(セクシーなのは)元からです。生まれ持ったセクシーさが溢れ出たのかなと思います」と返した。
記者から「最近はバラエティ色が強いかも」とツッコミが入ると、辰巳は「僕がやりたいのはこれです!」と宣言。そして、「1920年代の、裕福な家庭で育った男たちというのは研究しましたし、1920年代に実際に何があったのかというのは、君塚さんを先頭にみんなで共有していきました。改めて、当時の方たちが持つ色気というのは大変勉強になりました」とコメント。
「どんなセクシーな勉強をしましたか」と質問されると、辰巳は「『華麗なるギャッツビー』という作品が1920年代を舞台にした作品だったりするので、主演のレオナルド・ディカプリオさんから演技をいただいたりしました。あと、なんでかわからないんですけど、この作品のお話をいただいたときに、森田剛くんならどうやるかなと一瞬思ったので、剛くんの映像を見ました」と振り返った。
また、「剛くんとの約束がありまして、『僕が舞台で主演をやったら見に来る』と言ってくださっているんですけど、1度も来てくれていない。そろそろ見ていただきたいと思います」と希望を語った。
「役ではなくリアルで恋人関係はありですか」か聞かれると、林は「ありです」と即答。「本当に頼りがいがあるお兄ちゃんで、同じグループにいるときから『俺らで天下獲ろうぜ!』って。ふぉ~ゆ~の4人が率先してやっていただいていて、頼りがいがあるので、世の女性からしたらありなんじゃないですかね」と説明し、辰巳はうれしそうな様子。
逆に辰巳は「僕はなしですね」と答え、「翔ちゃんは、優しさで包んでくれる母性すら感じるところがあるんですけど、気づくと『あれ?手のひらで踊らされてる?』という瞬間があって。最終的に尻に敷かれそうなイメージが強くなってきたので、ちょっとやめておこうかなと。ただ、稽古場でグーグルアースを使って2人で(疑似)ドライブをしたんですよ。実話なので、2人が実際に通った道があるので。『こう行って、こう行って』と。その時間はキュンキュンしました」と明かした。
<あらすじ>
1924年、夏。アメリカ全土は、数年前に施行された禁酒法の最中にあり、混沌としていた。そんな中、イリノイ州シカゴで全米が注目する、ある裁判が始まろうとしていた。
裕福な家庭に生まれ育ち、共にエリートと呼ばれたローブ(辰巳)とレオポルド(林)が起こした衝撃的な殺人事件。それは当時の世論に「未成年によって行われた犯罪では史上最悪である」と言わしめたほどのものだった。
事件の数年前にシカゴ大学で運命的な出会いを果たした2人は、互いの才能に魅かれ合い信頼関係を深めていた。犯罪小説にのめりこみ空想の中で「完全犯罪」の実行を夢見るようになっていたローブと、愛鳥家でニーチェの「超人主義」に傾倒していたレオポルドは、共謀の末に遂に事件を引き起こす。
顔見知りの少年ボビー・フランクスを誘拐し、殺害。身代金目的の誘拐を偽装しようと様々な工作を施すが、それは「完全犯罪」には程遠い、稚拙なものだった。警察の捜査の手が及び、やがて彼らは犯行を自白する。明らかになる驚愕の動機、揺らいでいく2人の信頼関係。
2人の命運を握る名うての弁護士・ダロウ(磯部)は驚きの手法で情状酌量の判決を狙うべく奔走するが、厳格な検事・クロウ(姜)は彼らに厳罰を下すべく毅然と立ちはだかる。
裁判で暴かれていく2人の秘密の関係、そして下される判決。犯した罪と向き合った時、2人の心に去来する思いとは…。
最新情報は、「ネバー・ザ・シナー -魅かれ合う狂気-」の公式サイトまで。