<石川恋 コメント>

まずは、地下鉄サリン事件とその関連事件において、犠牲になられた方々、ご遺族のみなさまにお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われたすべての方々に心よりお見舞いを申し上げます。

30年前、私は1歳で、当時の記憶が残っていません。そのようななかで、実際にあった事件をもとにした作品で被害者の役を演じるというのは、非常に覚悟のいることでした。

医療監修の方と綿密にコミュニケーションをとり、当時の資料や書籍から出来得る限りの勉強と推察をしたうえで撮影に臨みました。すべては、この地下鉄サリン事件という凄惨(せいさん)な事件を、そしていまだ後遺症に苦しんでいる被害者の方や、大切な方を亡くされたご遺族の方が多くいらっしゃる現状を、風化させてはいけないという思いが強くあったからです。

難しい挑戦ではありましたが、俳優として以上に自分の人生にとって大変意義のある作品になりました。

昨今の日本でも、突如として何の罪もない方が巻き込まれ被害に遭う事件はあとを断ちません。今回演じたかおりという女性を通して、悪意ある加害者によって、突然日常が壊されてしまったことへの恐怖や怒り、悔しさと直面し、改めてこのような事件は絶対に起こってはいけないと痛切に感じています。

まずは知ることが、自分ごととして考え、心を配るきっかけになると思います。私のように、地下鉄サリン事件の記憶がない若い世代の方々にも、ぜひ見ていただきたいです。