Z世代を中心に急速にユーザー数を伸ばしているSNS『BeReal』。
そのエメリック・ロフェCEOがめざましmediaの取材に応じ、日本におけるヒットに「ここまでの規模は想定外だ」と驚きを明かしました。あえて“映え”を追求せず、ありのままでの表現を特徴とする写真共有SNSは、今後も日本で広がりを見せていく余地があると考えています。
日本の利用者数は世界2位に 想定外だった伸び
「欧米で人気を得たので、日本で多くのユーザーに使ってもらうポテンシャルはあると思っていたが、ここまで急速に伸びるとは...」(ロフェ氏)
BeRealは、アプリ上で通知が来たら「2分以内に撮影する」という独特なルールが話題となりました。
内カメ・外カメで同時撮影し、フィルターなどの加工をせず、ありのままのリアルを自己表現できる場として、主にZ世代から高い人気を誇っています。
フランスで2020年に誕生。日本の利用者数はすでに母国を上回り、アメリカに次ぐ2位の位置です。8割以上が14~27歳で、欧米に比べて若い世代のユーザーが多いといいます。
ロフェ氏は「フランスでの人気が伸び悩んでいるわけではなく、単純に日本で伸びがすごすぎる」と思わず苦笑い。日本のユーザーの特徴は、他国に比べてアプリのエンゲージメントが圧倒的に高い点で、「リアクションやコメント、絵文字などをクリエイティブに使いこなしているのがすごい」といいます。
トレンドに逆行した「自然体」 誕生の背景
アプリで特徴的なのは「2分以内の撮影」という仕組み。「“2分”は何かを準備するには短すぎるが、撮影を始めるには十分。自然な投稿をするには絶妙な時間」と開発の経緯をロフェ氏は明かしました。
BeRealはもともと「今までにないSNSを作る」ことがテーマでした。一見、これまでのSNSのトレンドだった“映え”に逆行するコンセプトですが、「自然体でいいんだ」という思いが投稿に対するユーザーの心理的ハードルを下げ、日本における大きなヒットの要因にもなったと考えています。
広がるユーザー層 企業もPRに活用
欧米ではBeRealユーザーの年齢層や属性が広がっています。日本でも、今後はZ世代だけでなくそのほかの年代や企業にも活用が広がっているとみています。
ロフェ氏は「ブランドは消費者と長い信頼関係を築く必要があり、リアルを知りたいニーズがある。そういう意味では、特に企業がプロモーションやPRなどに活用するメリットがある」と強調します。
BeRealを巡っては、TBSがドラマの公式アカウントを運用し、撮影の舞台裏などを配信したことなどが話題に。出演者のオフショットなどありのままの姿がリアルタイムで見られることから大きな反響を呼びました。
「遠い存在」と思っていた有名人からリアルタイムで通知が来て、素の姿が見られる。「一般的なSNSと比べて、より双方向にパーソナルな関係が築ける感覚になれる」(ロフェ氏)。
飾られた「映え」より偽りのない「リアル」を求める時代になっていく中で、今後は様々な分野でBeRealのニーズが増していくかもしれません。