8月21日(土)、映画「孤狼の血 LEVEL2」公開記念舞台挨拶が行われ、主演を務めた松坂桃李、鈴木亮平、西野七瀬、音尾琢真、中村梅雀、小栗基裕、白石和彌監督が登壇した。
柚月裕子の同名小説を原作に白石監督がメガホンをとった「孤狼の血」は、警察と暴力組織に関わる様々な人間模様を巧みに表現した「正義とは何か?」を問う。本作の「孤狼の血 LEVEL2」は、前作から3年後を描いた完全オリジナルストーリーだ。
続編の撮影が決まった感想を、松坂は「圧倒的に不安でしたね。前作が公開されて間もなく、わりとすぐに東映さんから『続編やります!』みたいな情報が出て。その時は『やるんだ…。そうなんですね』という感じだったんです。でも、続編をやるということは、『僕が役所広司さんがやっていた大上のような役柄をやるのか?』と思って。どんどんと緊張感が高まってきて、前作は大上の背中にくっついて、おんぶにだっこだったので。大上がやっていた立ち位置に自分が立つのかと思うと、足がガクガクしましたね」と明かした。
自身が演じた日岡の前作からの変化について「前作から3年後の舞台で、実際の時間経過でも前作から3年が空いた状態で本作の撮影に入りました。その間に日岡の中で何があったのか、どういう思いで過ごしてきたのかと考えました。自分の中にあった『狼に育てられた犬でいこう』というのをイメージして台本を読みました」とコメント。
続けて、「撮影初日から思ったことは、僕が役所さんが演じていた大上の役柄をやるとかではなく、本作に出演するキャストの方々がバーッと嵐のように現れるので、そういうことを言っていられないなと。この嵐の中に巻き込まれていく中で、これだけ心強いキャスト、スタッフの皆さんとパート1を超えていけるんだと思いました」と語った。
日岡に立ちはだかる上林役を演じた鈴木は「上杉は悪役ではあるんですが、我々の仕事は人間を演じることなので、これだけ強烈な役をどのように作り上げていこうかと思いました。その矢先に、昨年に緊急事態宣言が出て、それまで決まっていた仕事が全てなくなって、机の上に残っていた台本はこの作品だけでした。そこから撮影までの半年間は、僕には上林の役しかなくて、ずっと上林のことを考えていました」とコメント。
また、「上林からこの世界を見てみようと思ったときに、お客さんが見ていただくこの作品の世界とは、全く違う世界が見えてきました。それこそ写真のポジとネガが反転するように、正義と悪が入れ替わって、周りが全員外道で、自分だけが唯一まじめに生きている。そのような人間像が出来上がってきました」と説明した。
本作で村上虹郎と共演した西野は「過去に一度別の作品で共演したことがあったんですけど、姉弟役では初めてで。久しぶりにお会いしたら『姉ちゃん』って私のことを呼んでくれて。それのおかげで姉弟の空気感というのを作り出してくれていたのかなと思います。撮影が終わったのが同じ日で、最後にスタッフさんにあいさつ回りをする時に、私がそういうのをあまりしたことがなくて戸惑っていたら、『一緒に行く?』と言ってくれたので、お世話になったスタッフの方に挨拶が出来て、助けられました。すごく頼もしかったです」と語った。
松坂とバディを組んだ中村は「桃李くんはどんな役にも自然体で入っていって、それにはすごい苦しみや考えがあってのことだと思います。はた目から見たら自然体で素直に溶け込んでいて『やっぱりこの人はすごい』と思いました。役作りでの痩せ方もすごいし」と絶賛。
前作から参加している音尾は「白石組なので現場の雰囲気はよくて、すごく風通しのいい現場でした。前作は役所広司大先輩が主演で、役所広司さんの映画を撮っているという雰囲気だったのが、今回はまた違う、みんなの力を合わせて前作を超えていこうという意気込みを感じました。前作を撮り終わって、白石監督と食事をしたときに『次回作は桃李くんとのバディものを考えている』と言っていて、期待していたのですが、ふたを開けてみたらバディものではないですし、私の役が七三分けにされていましたし、どういうことですか?」と白石監督にクレームを入れる場面も。
それに対し白石監督は「当初、僕の中ではこの2人のバディはいいなと思ったんですけど、最初の打ち合わせでみんなに『ないね』って言われました」と話し会場を笑わせた。
今作でスクリーンデビューを果たした小栗は「本当にずっと緊張しっぱなしで、衣装合わせの時に監督から『本当にすごい俳優さんたちばかりだけど、思いっきりやっちゃってください』と言われたので、『どうぞ僕を怒ってください』という感じで、撮影には全力でやりすぎくらい行こうという気持ちで臨みました」と振り返った。
<あらすじ>
3年前に暴力組織の抗争に巻き込まれ殺害されたマル暴の刑事・大上(役所)の後を継ぎ、広島の裏社会を治める刑事・日岡(松坂)。
しかし、刑務所から出所した“ある男”の登場によって、その危うい秩序が崩れていく…。やくざの抗争、警察組織の闇、マスコミによるリーク、身内に迫る魔の手、そして圧倒的“悪魔”=上林(鈴木)の存在によって、日岡は絶体絶命の窮地に追い込まれる。
映画「孤狼の血 LEVEL2」は、全国公開中。
©2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会
配給:東映
最新情報は、映画「孤狼の血 LEVEL2」の公式サイトまで。