“目の保養”となるようなイケメンを紹介する「眼福♡男子」Vol.67は小西詠斗(こにし・えいと)が登場。
2017年に「男子高生ミスターコン」でモデルプレス賞を受賞し、芸能界デビュー。翌年には、ティーンの間で絶大な人気を誇る恋愛リアリティ番組に出演し、その後、「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」の堀川国広役、「テレビ演劇『サクセス荘』」(テレビ東京系)のケニー役、ミュージカル「『黒執事』~寄宿学校の秘密~」のシエル・ファントムハイヴ役など、映像、舞台と幅広く活動している。
そんな小西のインタビューを<仕事編>と<素顔編>に分けて公開。
<仕事編>は、8月8日(日)に初日を迎えるミュージカル「ジェイミー」について――本作は、16歳の高校生・ジェイミーがドラァグクイーンになる夢を抱くも周囲からは理解されず、偏見や差別と戦いながら、母親の愛情によって自分らしさを貫く、勇気と感動のミュージカル。
初めて挑む大作ミュージカルへの思いや演じる役柄について、そして、21歳のプライベートについて赤裸々に語ってくれた。
稽古に入ってから「もっとうまく歌えるようになりたい」って…
――ミュージカル「ジェイミー」の開幕まで約2 週間(取材時より)ですが、今はどのような心境ですか?
早っ!共演させていただく方がすごい方たちばかりで、果てしない世界が広がっていることを知ってしまったので、この世界で僕がやっていけるのか不安になっています。でも、本番では楽しめるようになっていることを期待しつつ、稽古に臨んでいます。
――主人公・ジェイミーをWキャストで演じる森崎ウィンさんや髙橋颯さんら若手をはじめ、今井清隆さん、石川禅さん、安蘭けいさん、保坂知寿さんなど実力者ばかりの本作。出演が決まったときの心境は?
ものすごいキャストの方々がそろっていることはもちろん僕も理解していたので、「こんなすごい方たちとこれからやっていくのか。絶対に足を引っ張ってしまう…」と緊張してしまいました。今も足を引っ張ってしまっているんですけども、歌もダンスもお芝居も、稽古を重ねながら成長できたらと考えています。
2.5次元作品以外のミュージカルに出演すること自体が初めてで、以前は歌やダンスに対して苦手意識をもっていたのですが、この「ジェイミー」に携わってから、「もっとうまくなりたい」と強く感じるようになりました。特に歌をうまくなりたいです。
――大先輩たちの歌声を生で聴いて、どのようなことを感じましたか?
これは尊敬の意味を込めての表現なのですが、“バケモノ”だなって思いました。稽古を見ているだけ、歌声を聴いているだけでも勉強になることばかりです。皆さん、ものすごい努力を重ねてここまで来られたのだろうなと思うと同時に、僕ももっと上手になって、いつか皆さんが見ていらっしゃる景色を見てみたいと考えるようになりました。
――歌稽古ではどのようなレッスンを受けたのですか?
僕は発声が苦手なので、まずは基本的な発声と腹式呼吸の仕方、力まずに歌える方法や、歌詞の一語一語がセリフのように明確に聞き取れる強弱のつけ方など、たくさんのことを教わりました。
――ダンスのほうはいかがでしょうか?
これまで出演した作品で、僕はあまり踊らない役柄が多かったのできちんとしたダンスを踊ることが今回初めてなんです。最初はとても苦労しました(苦笑)。
「ここはこのステップだからこう」と振付の先生から説明があって、進行していくんですけど、僕以外のキャストさんは経験があるからすぐにできてしまう。だけど、僕だけは振りの一つずつ「何これ?何これ?」という感じで、そのたびにストップしてしまうんです。
ダンスに関してはまだまだ不安ですが、音楽にあわせて踊る楽しさが徐々にわかってきたかなと感じています。
――共演者の方にも教わることもあるのですか?
ダンスは立ち位置の近いキャストさんに、その都度教えてもらっています。歌のほうは、今年3、4月に「ミュージカル『黒執事』~寄宿学校の秘密~」で共演した立石俊樹くんに何から何まで教えてもらいました。
ジェイミーの背中をマーガレットが押してくれたように、僕も両親の愛情によって頑張ることができています
――今回、演じるサイという役について教えてください。
クラスの権力者・ディーン(佐藤流司と矢部昌暉のWキャスト)にチョロチョロついていくような、流れに身を任せて生きている少年です。普段は遊ぶことしか考えていないのですが、ジェイミーの影響を受けて、少しずつ自分の意見が言えるようになっていきます。
――サイを演じるうえで意識しているのはどんな部分ですか?
何に影響を受けて変わっていったのかなど細かいことは描かれていないので、変化の前後を明確に表現することがポイントになるのではないかと考えています。
――そんなサイに共感するところはありますか?
僕自身もサイ同様、学生時代に自分の意見を言うことができませんでした。引っ込み思案だったので、流れに身を任せる部分は同じだなと思います。
――ジェイミーの夢はドラァグクイーンになること。では、小西さんの夢は?
この先、おじさん、おじいさんになってもお芝居を続けることができていたらいいなって。今は目の前のことに必死で先を見据えた行動もできていませんが、ミュージカルもストレートプレイも映像も、すべてにおいて活躍できる役者になることが夢です。ほど遠いことですが、頑張ります。
――ジェイミーは母親のマーガレット(安蘭けい)の大きな愛情によって前向きになれましたが、小西さんにも背中を押してくれる存在はいましたか?
僕も両親にはとても支えてもらっています。「なんでこんなポンコツが生まれてきたんだろう…。僕は本当にこの2人の子どもなのか?」っていうぐらい両親はしっかりしていて、でも、まぁ、顔が似ているので両親の子には間違いないんですけど(笑)。
父はとても頼りがいのある人なので、お父さんみたいな男になりたいという思いが常にあります。母はもともと舞台好きだったので、僕が舞台の上でお芝居をしていることに驚いています。観劇のたび、いつも「よかったよ」と感想を言ってくれます。
――この作品の魅力はどんなところだと思いますか?
学生だけではなく、大人世代の方が観ても共感できる作品だと思います。お芝居はもちろんですが、何より歌が泣けるんですよ。2幕なんて終始、感情がワーッとなってしまう場面ばかりなので、涙なしでは観られないと思います。そして、観終わった後には勇気をもって一歩踏み出せるようなミュージカルになっていますので、ぜひその感動を多くの方に味わっていただきたいです。
最近情報はミュージカル「ジェイミー」公式サイトまで。
撮影:河井彩美
ヘアメイク:佐々木麻里子