桜庭ななみ、土屋太鳳、武田玲奈らが主演を務め“若手俳優の登竜門”とも称される映画「人狼ゲーム」シリーズの最新作「人狼ゲーム デスゲームの運営人」が、11月13日より公開となる。
実写化第8弾となる今作では、勝てば賞金1億円、生きるか死ぬかの人狼ゲームに参加させられた高校生たちによる絶体絶命の騙し合いが展開する中、これまで明らかになっていなかった人狼ゲームの運営側が登場。小越勇輝は運営側でありながら、ゲームに参加した一人の少女を救うために奔走する正宗を演じた。
今回、フジテレビュー!!編集部イチオシの見ているだけで“眼”の“福”になるような“男子”を特集する「眼福♡男子」企画では、シリーズ初の男性主人公で、かつ本人にとっては映画初主演作となった小越にインタビュー。その模様を前後編に渡って公開する。前編では初主演に懸ける思いや、正宗というキャラクターを演じる上で意識していたことなどを話してもらった。
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初めて運営側にスポットが当たる
――本作の出演オファーを受けた際、興味を持った部分はどこでしたか?
これまでの「人狼ゲーム」シリーズは、ゲームに参加する側の物語が描かれていたのですが、今回、初めて運営側にスポットが当たると知って、「そっち側が観られるんだ」と思って興味が湧きました。
このお話をいただく前から「人狼ゲーム」シリーズは何本か観ていたので、その主演を自分ができる、というのも驚きでしたし、これまでは女性が主人公でしたけど、そこが男性に変わるというのも楽しみでした。
――映画では初主演となりますが、プレッシャーはありましたか?
間違いなくありました。最初は驚きがあり、もちろん嬉しさやありがたさを感じながら、プレッシャーや責任感などの背負うものも大きかったです。でも主演であればそれは当たり前のことなので、自分がやるべきことを考えながら、監督さんを始めとする周りのスタッフさんや、一緒にお芝居をしてくださったキャストの皆さんにお力をいただいてなんとか作り上げられた、という思いが強いです。
主演として僕に何かできるか、と言われても、大したことはできないですから(苦笑)。そこはあまり考えすぎないようにして、作品の中心にいる人物として、自分の気持ち的にも役としてもブレずにいよう、とは思っていました。
――脚本を読んだときの印象は?
まずは運営側の人たちってどんな人なんだろう?という入り口から読み始めました。そこはこれまで描かれていなかったところなので。こんな残酷なゲームを仕掛けている人たちなので、果たしてどこまで心があるんだろう?全く心のない非道な人たちなのかな?とか。
そうやって読んでみると、僕が演じた正宗もそうですけど、とても人間的な心があって、揺れながらこの場にいるんだな、ということをすごく感じて。人狼ゲームをやる側のドキドキや緊張感だけでなく、運営側のドキドキや緊張感も出てくるので、物語としてすごく面白いなと思いました。
揺れ動く気持ちを大事にしました
――とても人間味があって揺れ動く主人公ですよね。
そこは演じるうえで大事にしていた部分の一つです。目の前で人が次々と死んでいく「人狼ゲーム」という非日常の出来事が、いつの間にか正宗にとっては日常になっていて、気持ちが動かなくなっていたときに、ゲームの参加者に自分が知っている人が来て心が動き出す。
そして、自分の命を捨ててでも、助けるんだ、守るんだ、という気持ちが、物語が進むにつれてどんどん強くなって、熱も入ってくるのですが、その思いが今度は強すぎると、見え方によっては強い主人公になってしまうので、その加減にも気を付けていました。
あくまで正宗は助けられるのかな?大丈夫なのかな?という、客観的に見て弱さが出る主人公なので。それは川上(亮)監督とも話していました。なので、守りたいという気持ちは根本に強く持ちつつ、一つひとつの結論を出すのに揺れ動く気持ちは大事にしましたね。
――正宗のキャラクターについてはどう理解していましたか?
弱い人だとは思いますけど、すごくいい人でもあるんでしょうね。自分が悪いことをしている意識はあって、そこから抜け出したいとも思っているけど、抜け出せない事情も抱えていて。
正宗がこのゲームに関わることになったきっかけは映画の中で描かれていますけど、自分が始めたことが、そんなものにするつもりはなかったけど結果的に今のような状況になってしまったことへの責任も感じている。
もう引くに引けない状況で、引いたら自分の命さえ危ないというところに、昔、家庭教師をしていたときの教え子がやってきて、その子を助けたい、という強い思いが芽生える。その子に好意を抱いていたから、という理由もありますけど、それでも他人のために命を懸けられることはすごいことですし、根本にそういう優しさを持った人なんだと思っていました。
――撮影前に準備したことはありましたか?
過去のシリーズをもう一度観直すこともしましたが、これまではゲームの参加者側にフォーカスされていたところが、今回は運営側に変わるので、これまでにはない緊張感や彼らの人間物語をどう作り上げていくか、というのを考えました。
原作も読んで、脚本には書かれていない感情の流れなどもあったので、そこは自分で作りながらも参考にもしました。(原作が)この感じだったら、このセリフはこんな感じで言った方がいいのかな?とか、逆に実写だからこそここは変えた方がいいのかな?とか。今回、原作者の川上さんが監督でもあるので、その辺りは照らし合わせをしてお話しもさせてもらいました。
参加者、運営側、両方のドキドキ感が味わえる
――川上監督からはどんな演出がありましたか?
基本的には僕の自由にしてくれて構わないとおっしゃってくださっていて。セリフも言い辛いと思ったら変えてもいい、と。なので細かい演出はなかったですね。
――そうすると小越さんが考えた正宗像を体現していくような作業ですか?
そうですね。そちら側の作業が多かったと思います。監督も実写映画としてどういう表現ができるか、というところを気にされていましたし。ただ、現場に入って、実際に相手を目の前にして演じてみないとわからないところも多いので、考えていたことが違っていたら、またそこで相談させていただき、変えていくこともしました。
――現場の雰囲気はどうでしたか?
今回は運営側と参加者側に分かれていて、参加者側の皆さんは歳も若くて、同年代が集まっていたので元気に仲良くやっている感じでしたけど、それと比べると僕らは大人な感じというか。ほとんどが会議室の中での撮影だったので、落ち着いた感じでしたね。
――琥太郎役の中島健さんとは共演シーンも多かったと思いますが、印象に残っていることはありますか?
撮影の合間とかによく話をしてました。本人は人見知りって言ってたんですけど、僕からすると全然そんな感じがしなくて、接しやすかったです。あと、急にふざけだすとかもして。具体的に何をしたかと聞かれると、今は忘れちゃって出てこないんですけど、“この人、いま構ってほしいんだろうな”っていう発言をしてきます(笑)。面白くないようなことをわざと言ってきたりするので、段々周りもそれに気付いて、逆に無視したり。ちょっとイジられキャラみたいなところがありました(笑)。
――最後に本作の見どころを教えてください。
今回、映画「人狼ゲーム」シリーズで初めて運営側にスポットが当たるということで、これまでのシリーズを観てきてくださった方々にも新たに楽しんでいただけると思います。気になっていた部分が明かされる感覚もあるかと。デスゲームに参加する人たちのドキドキ感もありますし、それとは違う運営側のドキドキ感も、両方楽しめると思います。
そこにプラスして、運営側はどういう人たちなんだろう、こういう気持ちだったんだ、とかの心の揺れ動きもあるので、物語としての楽しみもあります。
“デスゲーム”と聞くと、グロテスクなシーンが多いのかな?と思われると思うし、確かに全くありませんとは言いませんが、物語として楽しめるところも多いので、たくさんの方に観ていただけたら嬉しいな、と思います。
小越勇輝インタビューは<素顔編>に続きます。こちらもお楽しみに!
撮影:コザイリサ スタイリスト:小田優士 ヘアメイク:小竹珠代
<人狼ゲーム デスゲームの運営人>
命がけの人狼ゲーム−−−。それは、ネットや拉致によって集められた未成年の参加者が、勝敗と賞金を賭け騙し殺しあう“究極”のデスゲーム。運営人の正宗(小越勇輝)は家庭教師時代の教え子・夏目柚月(桃果)が参加させられていることに気づく。「彼女を救いたい。運営本部に殺されてもいい」。そう考えた正宗は秘密裏に柚月にヒントを伝えていく。しかし、ほかの参加者たちの戦術に翻弄される柚月。そして正宗は運営側の思いもよらぬ陰謀に巻き込まれていく。
©2020「人狼ゲーム デスゲームの運営人」製作委員会
配給:AMGエンタテインメント
2020年11月13日(金)より全国ロードショー
最新情報は、映画「人狼ゲーム デスゲームの運営人」公式サイトまで