11月28日(土)、劇場版「アンダードッグ」の公開記念舞台あいさつが行われ、森山未來、北村匠海、勝地涼、武正晴監督が登壇した。
本作は、第88回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表に選出されるなど、多数の映画賞を席巻した「百円の恋」の製作陣が再びボクシングを題材に作り上げた感動作。
過去のささやかな栄光が忘れられず“かませ犬(=アンダードッグ)”になり果てた今も、ボクシングにしがみつくことしかできない主人公を中心に、人生から見放された男たちのドラマを描く。
まず本作への出演の決め手を聞かれた3人。森山は「『百円の恋』が素晴らしくて。そのチームが再結集してボクシング映画を撮ると聞き、ハードルが上がっていることは理解しながらも、あの世界観に僕が飛び込めるのは魅力的だなと思って」と、武監督作品への魅力から、出演を決めたという。
北村は、「二つ返事でやりますと言いました。この作品にチャレンジする自分自身にも楽しみでした。覚悟していた以上の大変さではありましたが…。後半の試合を乗り越えたあとに、味わったことのない達成感があって、すごくいい経験をさせてもらったなと思いました」と、目を輝かせる。
そして、勝地は「武監督で、主演が森山未來くんで、共演が北村匠海くんでという情報だけでしたが、それでやりますと。最初は正直内容が分かってなかったです(笑)。それでも『これは絶対に出なきゃいけない作品だな』と思って。ただ、受けてからボクシングや、芸人さんの役でネタやらなきゃいけないんだ…って、あとからプレッシャーが襲って来ました(笑)」と、冗談を交えながら語った。
リアルなボクサーの姿を描くため、3人はそれぞれにストイックな役作りをして撮影に臨んだと言い、特に北村は体重を10キロ減量したことが話題に。「食事制限やボクシングで体重を落とそうと思っていて…他の仕事には、かなり支障が出ていました(笑)。野菜を中心にした食事を摂っていたこともあって、歌うときに声がカスカスだったりして…」と、苦笑い。
すると、森山が「とんかつを食べなきゃいけない時にブロッコリーを食べてたりね(笑)」と、本作の準備と、北村の主演映画「とんかつDJアゲ太郎」の撮影が重なっていたそうで、当時のエピソードを明かす場面も。北村も「そうなんです。あの時からボクシングは始まっていたんです(笑)」と、笑顔で語った。
本作がボクシング映画ということから、「これならチャンピオンだと言えること」と聞かれると、3人揃って宙を仰いで考え込む姿に、会場からは笑いが。十分に考える時間をとったうえで森山は、「少なくともこの人(会場)の中では…」と話し始めるも、「えー…これでいいのかな」と迷いを見せ、爆笑を誘う。
勝地から「珍しい!唇震えてるよ!」といじられながらも、森山が「僕、キリンジというバンドが好きなんですけど、キリンジへの愛はチャンピオンだと思います!」と回答。すると、北村が「僕、二番手の自信あります!」と明かし、「本当?」と、初耳だったようで、森山がうれしそうな笑顔を見せる。
北村は、「人生で手の大きさは負けたことないです」と回答。森山も勝地も「え!?」と興味津々で北村の手を見つめ、「指長っ!」「デカッ!」とビックリしていた。
勝地は、2人の見事(?)なチャンピオンエピソードに「難しくなってきちゃったな~」と、自信なさげな表情を見せるも「2つあるんだけど…」と、まさかの発言を。これに森山が「あるんかい!」とベタなツッコミを見せて会場に笑いを起こした。
肝心の、勝地の「これならチャンピオンだと言えること」は、「バカになる力は誰にも負けないかな。あともう一つは、森山未來を愛しているのは負けない。10代から見ていて、本当にカッコいいんですよ。出会った時からすでに異質でしたが、個性もあって、自分のやりたいことを表現して、世界へ行って。どこまでも遠くに行く」と言い、隣で話を聞いていた森山が、照れて顔を背けてしまうほどべた褒め。
さらに「この映画が出来て一番うれしかったのは、森山未來から『勝地よかったね』って言われたことです(笑)」と続け、話しきった達成感ある表情を見せた勝地。しかし、北村から「めちゃくちゃ汗かいてますね(笑)」とツッコまれてしまい、慌てて額の汗をぬぐい笑いを誘った。