12月7日(月)、舞台「オリエント急行殺人事件」の開幕直前取材会と公開稽古が東京・Bunkamuraシアターコクーンで行われ、主演の椎名桔平らが本番への意気込みを語った。
今年、生誕130年となる世界的ミステリー作家アガサ・クリスティによる原作は、1934年英国で出版されて以降、名探偵ポアロが軽妙に事件を解決する様子が世界中の人々を魅了し、何度もドラマ化・映画化された超人気作品。
今回は、主人公のポアロ役に椎名を迎え、その他、松井玲奈や松尾諭、本仮屋ユイカ、高橋惠子ら実力派キャストが、豪華列車内で起こる殺人事件にからんでくる人物たちに扮する。
初日を目前に控え、椎名は「ここまでの稽古を通して、まずは演出の河原(雅彦)さんに感謝したいと思います。とてもわかりやすい、細かな演出を届けてくださいました」と河原へ感謝。
続けて、「明日から幕は開きますが、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編で例えますと“全集中”です。個人的には膨大な量のセリフと戦ってきましたけど、この1ヵ月半、情熱をもって臨んだ稽古は、お客様にきっと満足していただけるんじゃないかと思っています」と、大ヒット中の映画になぞらえて話した。
現在の心境を問われると、「感無量という感じにはまだ至っていません。初日を無事に終えた時に、自分の中で沸き上がってくるものがあるんじゃないでしょうか」。
そして、初タッグとなる河原の演出に「一言でいうと素晴らしいと思います。初対面から始まったんですけど、おっしゃることが理にかなっているし、よくこれだけの人数のキャラクターをまとめた。日本の演劇界を背負って立つ人になるんじゃないですか」と絶賛。
これに河原は「写真を撮っておいたほうがいいんじゃないですか」と、照れ笑いを浮かべながら報道陣に呼びかけた。
一方の河原は、椎名について「素敵です。緊張感をもって接さないといけない怖い人なのかなと思ったんですけど、マイペースで穏やかで話しやすい。桔平さんが真ん中に立ってくれることで皆がリラックスできている。ダンディでウィットをもって演じてくださっているので、主演が桔平さんでよかった」と相思相愛ぶりをのぞかせた。
また、本作には大の鉄道ファンとしても知られている松井がアンドレニ伯爵夫人役で出演。
松井は「まずセットが素晴らしくて、本当にオリエント急行に乗っているような感覚になります。実際に車両が走っているように見えるので、私もお客さんになって客席から見てみたいという気持ちでいっぱい」と笑顔を浮かべ、「多くの方に愛されている作品ですが、結末を知っていても舞台ならではのエッセンスがたくさん詰まっているので、あっと驚いていただけたらうれしい」とアピールした。
最後に椎名は、「この状況下、上演できるのかな、幕が開くのかなという心配もどこかに抱えながら、初日を迎えられることを信じて稽古をしてきました」と心境をもらし、「ネガティブな気持ちになっている人をポジティブな気持ちに変えさせるぐらいのパワーがこの作品にはあると僕たちは信じております。安心して劇場へお越しください」と呼びかけていた。
「オリエント急行殺人事件」最新情報は公式サイトで。
舞台写真撮影:岩田えり