爆笑問題らが所属する芸能事務所タイタンが2ヵ月に一度行っている恒例のお笑いライブ「タイタンライブ」が、12月11日(金)、時事通信ホールで開催。今回もこれまで同様「爆笑問題withタイタンシネマライブ」として、TOHOシネマズの映画館・全国22館でも同時生中継された。

今年最後となる「タイタンライブ」も充実のゲストが登場。納言は、薄幸が“街ディス”をし、安部が翻弄されるおなじみのネタで会場を巻き込み、ぜんじろうは、小池都知事から、吉村(大阪)府知事、アメリカ大統領選挙まで徹底的に時事ネタで勝負。

さらに、友近はヒールを踏み鳴らし、高らかにトークを展開する「ヒール講談」を。40代後半以上限定(!?)で盛り上がる、大映ドラマの『乳姉妹』、『ヤヌスの鏡』のナレーションの一節をまくしたて、拍手が沸き起こった。

友近

一方、タイタン所属の若手も、勢いのあるネタを見せた。キュウが「人間の体って約60%が水分でできてるらしい」から始まって、独特な世界に引きずり込むネタを披露。

キュウ

日本エレキテル連合は、ユリちゃんと名乗る“エロい女”を怪演し、会場を異様な雰囲気に巻き込んだ。

日本エレキテル連合

さらに、まんじゅう大帝国は「小学生のとき、作文が苦手でしてね」という何気ない入り口から、「走れメロス」のような大作に展開。そして「M₋1グランプリ」の決勝に進出したウエストランドは、河本(太)の「結婚してるんですけど、そろそろ不倫したいなと思ってて」という入りから、「俺を好きになる女はいない!」と、井口(浩之)の自虐ツッコミが加速していく迫力の漫才。漫才は「復讐だよ」と宣言する開き直りで、笑いをかっさらった。

ウエストランド

ライブ終盤は、今やなかなか生で見ることのできない、おぎやはぎの貴重な漫才。小木が「俺、今年頑張るよ」と言うと、「いいことだよ、今年もうあんまりないけど」と矢作。

おぎやはぎ

そこから、「スクワットやるから、その頑張りを見て欲しい」、「小木のやりたいことはやらせてやりたい」というおなじみの展開に。「膝を曲げてくりゃしゃんせー」の小木の歌声が響き、おぎやはぎワールドが会場を包み込んだ。

さらに、「タイタンライブ」ではおなじみのBOOMERとプリンプリンによるベテランユニットが登場。

BOOMERとプリンプリン

「鬼滅の刃」をモチーフにやりたい放題。炭治郎はプリンプリン・うな加藤が演じたものの、ネタ中に「4人の中で唯一『鬼滅の刃』を読んだことがないんです」と言い、必死の様子。

また、禰豆子はBOOMER・伊勢が演じ、途中、(立川)談志師匠に変貌するくだりをぶち込むなど、いつものBOOMERらしさで見せきった。

そして大トリは、もちろん爆笑問題。「昨日、突然入ってきましたね。松坂桃李くんと戸田恵梨香さんの結婚」という、ライブ前日のニュースを漫才に取り入れての掴み。

爆笑問題

太田は「あれショックだったよねー。俺は昨日のTwitterで『明日ライブ行きません』って書いたから」と、できたてのネタからスタート。

そして、やはりというか当然というか、アンジャッシュ・渡部(建)ネタへ。太田は記者会見中の渡部の顔真似をはじめ、苦渋の表情を続けながら「私の口から申し上げるわけには…」と再現。「Abemaの生中継ずっと見てたんだろうな」と田中がツッコんだ。

また、「もちろん渡部くんも責められましたけど、レポーターのほうもね。『あの騒動の後、多目的トイレを使いましたか?』とか聞くっていうのはね」と田中が振ると、太田は「聞くもんじゃないよね、そんなこと。聞くなら『今、おすすめのイタリアンは?』とか」とボケ、田中が「今、誰も味方がいない状況ですからね」と言うと、「あいつこそ本当の『孤独のグルメ』だ」と太田。ふんだんに渡部ネタを見せた。

ネタ終盤は、新型コロナのワクチンの話題に。田中が「イギリスでワクチン接種が始まりましたけど、エリザベス女王も打つという話も」と振ると、本来「ヘンリー王子とメーガン妃」と言うべきところで「ウィリアム王子と…」と太田が痛恨のミス。

「えっと、ヘンリー王子と…なんだっけ?」と滅多に見られない事態が生まれ「修正不可能だよ!」と田中がツッコむ場面も。終盤は取り返すように、流行語を俎上(そじょう)に展開。「三密」から「ぴえん」そして「キュンです」と軽快に畳みかけエンディングとなった。

すべてのネタが終わった後のエンディングトークは、2本立て。まずは爆笑問題と「M₋1」決勝に進んだウエストランドによる先輩後輩トーク。

左から)ウエストランド、爆笑問題

「緊張するんじゃない?」と田中が聞くと、井口は「そうなんですよ。(河本は)緊張するとマイクから遠ざかるっていうのがあるんですけど、準決勝の時もネタの中で1回押したら、そのまま戻ってこなくて(笑)」と話し、河本も「こいつ(井口)も準決勝でネタ飛ばしましたからね!」と返したが、田中は「今日は俺ら、人のこと言えない」と終わったばかりのネタを思い返し苦笑。

また、井口は5~6年前のタイタンの新年会で「太田さんに呼ばれてひと言『開き直れよ』って言われたんです」と、太田から受けたアドバイスを披露。太田は「緊張は極限まで達したら開き直れるよ」と後輩にメッセージを送った。

さらに、後半は爆笑問題とおぎやはぎで今年を振り返るトーク。

左から)爆笑問題、おぎやはぎ

いきなり太田が「渡部どうしてる?」と同じ人力舎所属のおぎやはぎに振り、矢作は「知らないですよ。いけちゃん(いけだてつや)だけは会ってるっぽいですけど、1ヵ月くらい前に聞いたら、頭(こうべ)は垂れてたそうです」と近況を披露した。

今年は、田中と矢作は新型コロナウイルスの陽性という事態を経験し、小木はがんの手術も受けるなど、波乱万丈だった1年。小木が「ホントに危なかったんですよ」と手術の話もしながらも、終始笑いがあふれる内容で、途中思わず矢作が「がんでこんなに笑い取っていいの(笑)?」と言うほど。太田も「(田中の)タマでさんざん笑い取ってきたからな」とつぶやくと、矢作が「ホントよく聞きましたもんね。ほぼ太田さんからだけですけど(笑)」とツッコんだ。

また、ネタの話になり、矢作が「『THE MANZAI』でもネタやるけど、毎年ゲロ吐くぐらい緊張するんですよ(笑)」と話すと、すかさず太田が「『バイキング(MORE)』とどっちが緊張する?」と振り、矢作が「緊張するわけないでしょ!興味ないことばっかりで」と笑いで返した。

最後まで毒舌満載で、2020年ラストの「タイタンライブ」は幕を閉じた。