12月20日(日)14時から、フジテレビでは『ザ・ノンフィクション 母さん ごめん ダメ息子の涙 ~六本木キャバクラボーイ物語~』が放送され、仲里依紗がナレーションを担当する。

『母さん ごめん ダメ息子の涙 ~六本木キャバクラボーイ物語~』は、夜の六本木で、キャバクラのボーイをするゆうせい(26歳)を3年にわたり追ったドキュメントだ。

アルバイトでありながら、仕事中に酒を飲む、遅刻や給料の前借りも当たり前と好き放題。いきあたりばったりの、その日暮らしを続けるゆうせい。大学卒業後に就職した大手企業を3日で辞めてからは、定職に就く気もなく、無計画に生きている。

愛想をつかした母親から、実家の鍵を取り上げられているが、女性の家に転がり込み、家賃や生活費も全て女性持ちという居候生活。

かつては将来有望な野球少年で、甲子園常連の強豪校に入り、プロ野球選手を目指していたゆうせい。その一人息子の夢を、一緒に応援してきたのが母だった。

しかし今、ゆうせいが頼るのは、母親が持たせてくれている家族カード。十数万円のスーツ、高級スニーカーを買い、女性との温泉旅行の代金もそのカードで支払う。母親の給料がその支払いに消えていると聞いても、はぐらかすばかりの体たらくだ。

やがて、実家で息子と鉢合わせした母の怒りが爆発する。息子の自立を願う母親と「親の心子知らず」の息子。母と子の関係に変化は訪れるのか…。

この物語を、自身も母親でありながら、ゆうせいと年もほど近い仲は、どんなことを感じながら読んだのか。収録後に聞いた。

<仲里依紗 インタビュー>

――『ザ・ノンフィクション』の語りを担当するのは、7年ぶりだそうですね。今回はいかがでしたか?

前回は、人力車の方のお話(『ふりむけば鎌倉II~人力車にのせる夢』13年7月21日放送)だったんですけど、今回は、もう真逆で。努力の人と、まったく努力をしない人みたいな感じで(苦笑)。この幅の広さがすごいと思いましたし、面白かったです。でも、読んでいて、もう、“どうしようもない”みたいな感じにはなっちゃいましたね。

――仲さんご自身、母親であり、年齢的にはゆうせいさんにも近いということで、どちらの気持ちも理解できたのではないですか?

なんだか、うちの子どもを見ているようでもありました。男の人っていくつになっても子どもっぽい部分があると思うので、30歳手前とかだと、こういう人も結構いるんじゃないのかなって。(ゆうせいさんが「職業ドリーマー」と自称しているのに)具体的な夢がないのも、最近の若者特有なのかも、とも思いました。

でも、お母さんも言うように、根は悪い子じゃないし、母性本能をくすぐられるし、みんなにかわいがられるのもわかるんですよね。だから、女性もお金を渡したりしちゃう。甘え上手で世渡り上手な部分もありますよね。

――ですが、お母さんからしたら心配が尽きませんよね。

家族だったら、相当頭を抱えちゃいますよね。うちの子どもも、調子のいいところがあって、(気に入られ)上手なんですよ。子どもに対しては、やっぱりいつかちゃんと自立させないといけない時はくるだろうし、いつまでも親であることは変わらなくても、突き放すことも必要かな、と思いました。そこで子どもが気づくこともあるでしょうから。

――それにしても、ゆうせいさんは、スーパーポジティブな方ですね。

何があってもへこたれない、何があっても負けない、あのメンタルはすごいですよね。厳しい夜の世界は、向いているんじゃないかと思いました。ふざけたような態度を取るのも、人を和ませるためだったり、みんなを盛り上げるためだったりとか、実は、すごく気は遣える人だと感じました。

――女優でいらっしゃる仲さんにとって、演じることと、こういった語りは、どんな違いがありますか?

映像を見ながら声を当てると、出てくるいろんな人の気持ちになれるので楽しいです。今回も、お母さんの気持ち、ゆうせいさんの気持ちにもなれました。演じているときは、自分しか見えてないので、やはりそこは違いますね。

――今年は、ドラマ出演のほか、YouTubeを始めるなど、ご活躍の年でしたが、2020年を振り返ってどんなことを思いますか?

今年は、仕事でもプライベートでもできないことがいっぱいあって不安でしたけど、その中で楽しみを見つけることが、大事なんだなと思いました。子どももあまり外に連れていけなかったので、退屈だっただろうと思いますが、家でできることを探したり、楽しませなきゃいけないと。結構、頭を使った1年でもありました。

そんな中、4月から始めたYouTubeは、以前からやりたいと思っていたものですが、コロナ禍でみんながやり始めたので、「早くやんないと!」と思って始めましたが、自分でいろいろできて楽しいです。

――最後に、来年の抱負をお聞かせください。

皆さんそうだと思いますが、今年は全然、ご飯にも行けなかったですし、旅行もできなかったので、みんなに会いたいです。普通の生活…普通のことが普通にできる世の中が早く戻ってきてほしいですね。今年はもう、ビックリするくらい家にいて、家での思い出しかないので、来年は、家から出ていろんなことを楽しめたらいいな、と思います。

収録後、仲里依紗がナレーションの一部を披露してくれた。