12月25日(金)、映画「AWAKE」が公開初日を迎え、吉沢亮、若葉竜也、落合モトキ、馬場ふみか、山田篤宏監督が舞台挨拶を行った。
本作は、2015年に実際に行われ、当時、ネットユーザーや将棋ファンの間で物議を醸した棋士VSコンピュータの対局に着想を得て、山田監督が書き下ろした完全オリジナルストーリー。
天才に敗れ棋士になる夢をあきらめた主人公・英一(吉沢亮)が冴えない大学生活を送っていたある日、ふとしたことで出会ったAI将棋のプログラミングに新たな夢を見出し、かつてのライバルと再戦を果たす。
本作について吉沢は「将棋映画ではあるんですけど、僕自身、この映画に携わらせていただくまで、将棋のことはわからなかったですし、そんな僕でも台本の段階からめちゃくちゃ面白いな、と思えました。人間の成長であったり、ライバルとただ戦うだけではない、深い思いの部分だったり、誰もが感動したり、共感できるような、普遍的な思いを描いている映画なので、シンプルに泣けたし、より多くの方に観てもらいたいなと思いました」と語った。
共演前から吉沢のファンだった、という落合は「本人を目の前にして言うのは初めてなんですけど…」と切り出すと、「本当にきれいな顔をされているなと思っていて。作品を拝見したら、良い演技をされるなと思って」と、照れながら告白。さらに、共演をしてみると「本当にひたむきで、役に入り込んでいらっしゃった」と褒めた。
だが落合は、そんな吉沢の意外な一面も暴露。地方ロケの際に、一緒にご飯を食べたあと、ホテルに戻ってから、吉沢が「吸い込まれるようにインスタントラーメンの自販機の前に行って、ポチっと押して…」という場面を目撃したという。「この人も人間なんだなと思った」と話すと、吉沢は「役作りです。太らせたかった」と言い、「今はやってないです!」と弁解した。
山田監督は、上映後の観客を前にしてのイベントということで、「吉沢くんの最後の表情が素晴らしかったですよね」と絶賛すると、観客も賛同の意味を込めて大きな拍手を送る。「僕もああいう表情をするとは思わなかった」と、想定を超える演技だったと述べた。
ただ吉沢は、そのシーンに関しては「(監督から)プレッシャーをかけられた」と言い、初対面のときから、会うたびにそのシーンの話をするので「何なんだ、この人は…」と思っていたという。しかし、その甲斐もあって「台本を読んだときから、何となくその表情みたいなものが自分の中にあって、それをやったら監督も喜んでくれたので、良かったですけどね」と振り返った。
イベントの後半には、今年もあと残りわずか、ということで、出演者たちは、2021年にチャレンジしたいことを発表することに。
「幼い頃に習っていたバレエを再開したい」(馬場)、「(柄本時生、岡田将生、賀来賢人と結成した)『劇団年一』でお客さんの前で芝居をしたい」(落合)などが上がる中、吉沢は「僕がどうこうできる話ではないんですけど…」と前置きをしつつ「来年は、仕事のないクリスマスを過ごしたいですね(笑)」と発言。
まさにこのイベントがクリスマス当日に行われているということで、司会者から「たくさんの人から愛されながらのクリスマスもいいのでは?」と聞かれると、食い気味に「素晴らしい!」と答えたものの、「仕事のないクリスマスも素晴らしい」と、苦笑いしていた。
最後に吉沢は「何度も言っているんですけど、この映画は個人的に今まで出させていただいた作品の中でも、すごく好きな作品」と、本作への熱い思いを吐露。
「将棋の世界は特に勝ち負けがはっきりするし、そういうものがすべてと思われがちだけど、絶対にそんなことはないというか。それまでの積み重ねであったり、挫折であったり、そこまでのプロセスが大事なんだな、と。僕はこの映画を観て、これまでの努力や、挫折した自分を褒めてあげたくなる作品じゃないかと思いました。(映画を観て)楽しいと思っていただけた方は、ぜひSNSで拡散していただいて、この映画を一緒に盛り上げてもらえたらうれしいなと思っております」と、目の前の観客に笑顔で語りかけた。
12月25日(金)より全国公開中
©2019『AWAKE』フィルムパートナーズ
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