2月10日(水)より、演出・杉原邦生、主演・市川猿之助による舞台「藪原検校」が上演される。初日公演に先がけて公開舞台稽古が行われ、出演者からコメントが発表された。
<出演者 コメント>
■市川猿之助
新しいPARCO劇場での「藪原検校」ということですが、この情勢の中なんとか初日を迎えられるようなので、あとはひたすら、無事に千秋楽を迎えられることを今はただただ祈るばかりです。
東京はもちろん、地方にも行きますので、最後はみんなで手を取り合って笑って、いい公演ができたねと言える芝居になることを祈っております。念には念を入れて、準備万端で、その場その場で燃えていきたいです。
健ちゃん(三宅健)には遊んでもらって、皆さんにも楽しくしていただいて、稽古も楽しく1ヵ月乗り切れました(笑)。
井上(ひさし)さんは稀代の悪人を描いてはいますが、必ずしも生まれたときからの悪ではないんです。悪人でも赤ちゃんの時の笑顔はあっただろうし、家庭環境もあっただろうし、悪人のさまざまな面を描いています。今回のラストは杉原くんなりの解釈で、杉の市の悲しさが出ていると思います。
スタッフさんも、照明さんもスーパー歌舞伎のときと一緒で、ツーカーの仲なので杉原くんがやりたいことの飲み込みが早く、みんなが同じ方向を向いていて、とてもやりやすかったです。
■三宅健
猿之助さんとの共演は本当に楽しいです。今は猫を被っていますが、チャーミングな方で毎日毎日笑顔が絶えない現場です。健ちゃん、猿ちゃんと呼び合い、健猿の仲です(笑)。 僕が小学4年生なら、猿之助さんは小学2年生です。
歌舞伎の技術、技がふんだんにこの舞台に活かされていて、そういった意味でも、これまで上演されてきた「藪原検校」とは違うと思いますし、渋谷の街と猿之助さんの技と、いろんなものが融合して、まったく新しいものが渋谷で生まれるんだなと感じています。
猿之助さんのファンの方々も楽しくて楽しくて仕方がないのではないかと、そして観に来てくださった皆さんが猿之助さんの虜(とりこ)になって帰っていくんだろうなと思います。
手放しでぜひ観に来てくださいと言える状況ではないですが、僕たちは粛々と芝居をやっていくしかありません。キャスト、スタッフはじめ、観に来てくださる方々も感染対策をしっかりしていらっしゃると思いますので、千秋楽の日まで無事に終えられるように努めたいと思います。
■松雪泰子
三宅さんもおっしゃったように、皆さん同じ気持ちだと思いますが、最後まで無事に千秋楽まで完走できることを祈っております。
今回のカンパニーならではの「藪原検校」になっていると思います。今回は杉の市の愛人ということで、精いっぱい杉の市に絡みついていきたいと思っております。稽古場で生まれ積み上げてきたものを信じて演じていきたいです。
約20年ぶりに三宅さんとも共演させていただいて、映像と舞台の現場では環境も全然違いますから、稽古場では三宅さんの新たな魅力をたくさん拝見しながら、お稽古をしておりました。
■川平慈英
演出の杉原さんが大変エキセントリックで、猿之助さんバージョンの今作はポップな「藪原検校」です。
僕は語り部なので1回舞台に上がったら、1秒たりともはけない。役者になって初めてくらいのセリフ量の多さで、今さらながら何で引き受けたんだろうと…(笑)。すごくチャレンジングなお仕事をいただいて感謝しています。
僕は歌舞伎のカルチャーと舞台の上で組ませてもらうのは初めてなので、お稽古場では本当に目からうろこなことばかりでした。すごくセンセーショナルで稽古が楽しかったです。これをこうやってやるんだ!と発見が多く、すごく勉強になり、いろんなアイデアをいただけました。