2月10日(水)、オンラインシアター「Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE」の3周年記念イベントが開催され、ホストを務める別所哲也、ゲストに女優で映像作家の小川紗良、コラムニストのジェーン・スーが登壇した。
オープニングで別所は、コロナ禍でのオンライン開催となったイベントについて「恋愛と映画をテーマにショートフィルムを観ながら語らいたい」と開催趣旨を語り、オンラインだからこそリアルタイムで寄せられるコメントを、視聴者と共有できると喜んだ。
恋愛映画でお気に入りの作品を聞かれると、小川は恋愛と友情の狭間を描いたほろ苦いラブストーリー「(500日)のサマー」(2009年)をあげ、男女がIKEAでデートするシーンを「やってみたい、夢のシーン」だと語った。するとスーは「IKEAは生活」、別所は「IKEAは予算感とか、現実ですよ」とツッコみ、好きな人との新生活を夢見る若者との世代の差を感じさせた。
そして、バレンタイン直前ということもあり、バレンタインにおすすめのショートフィルム作品「愛のポストカード/Postcards」(監督:Inés Pintor , Pablo Santidrián /スペイン/2016年)も上映され、3人がこの映画をテーマに恋愛論を繰り広げる場面も。
ポストカードが物語のキーとなる作品について小川は、「まさにポストカードにしたいくらい、丁寧に絵作りがされている素敵な作品。ショートフィルムの醍醐味が詰まった作品」と映画作家ならではの視点でコメント。
また、スーはポストカードを用いた愛の伝え方について、「現代は即時的なやり取りが多いから、時間にいつも追い立てられている。手書きの行間から漏れてくるものに惹かれる」と語り、「自分側にも履歴が残っているSNSと、相手側に行ったきりになる手紙との違い」についても思いを馳せた。
みんな“恋愛KGB”!「彼の元カノのことはインターネットで調べ上げろ」
ここで、視聴者から寄せられた恋愛相談にゲストらが答えるコーナーが設けられた。
ラジオパーソナリティを務めていることもあり、日頃から恋愛相談を多く受けるというスーは、「次いつ会えるか分からないと不安を感じている人が多い」と、遠距離恋愛の悩みが増えている状況と、「コロナを巡ってお互いの価値観の違いで衝突する人が多い」と、相談の内容が時世により変化してきたと分析。
「コロナの影響で遠距離恋愛の彼と3ヵ月会えないまま、会えないことの不満を彼にぶつけてしまいそうになる」という相談には、「いっせーのせ!で同じ映画を観ながらしゃべって、一緒に同じ時を過ごす」とスーから現実的なアドバイスが寄せられた。
「中学生の頃に出会った教育実習生の先生に恋をし、未だに忘れられない」という20代女性の相談に小川は、「恋心を忘れられないのは奇跡、どうにかして会いに行った方がいい」と肯定的なコメントを送るも、スーは「ひとまずインターネットを駆使して、その先生の現在の姿を確認することですね」と冷静な意見。「検索したらだいたい出てきますから、昔の記憶は美化されていることが多い。まずは確認して、それから考えたらいい」とアドバイスをすると、小川も賛同していた。
「彼が元カノの名前を出すときがある、元カノに嫉妬してしまう気持ちをどうやって乗り越えたらいいのか」という相談には、「元カノの名前を出す彼が良くないですよ!」と小川が即答。スーも、「元カノの名前は悪意なく絶対出るものですよ」と理解を示しつつ、「インターネットで画像検索したら、どうせすぐ元カノのインスタとか出てくる。それを一応全部見て『なるほどね』ってなればいい」と「そういう“恋愛KGB”はたくさんいるから」とエール(?)を送った。
すると小川もヒートアップし、「もう1つアカウントを作って元カノの学校の後輩とかのふりをして元カノをフォローして監視するんです。そんなのみんなやってます」と畳みかけると、スーも「限界までやり切って虚無までいけばいい、今の彼が選んでいるのは自分なんだから」と落ち着いた表情で語った。
小川とスーの“恋愛KGB”ぶりに、別所は怯えつつも「ためになるなぁ…」と感心するばかりだった。