<コラム>フジテレビ『知ってるワイフ』第6話
沙也佳(瀧本美織)、スイッチ、オーン!!!
フォゥ~ッ!!!(視聴者全員とハイタッチ)
今週、ちょっと沙也佳の出番少なくない?元春(大倉忠義)からほったらかしにされるばっかりで沙也佳の出番少なくない?そらそうだよね…、このドラマ、元春と澪(広瀬アリス)の、夫婦の物語だもんね…。沙也佳なんて、このドラマにおいては、二人を際立たせるためだけの賑やかし…、だよね…。で、しかも、その本筋の二人もさ、大いにすれ違っちゃってるもんだからさ、沙也佳に目を向ける暇、ないよね…。そんでまた、そのすれ違いってのも“気持ち”だけじゃなく、“時空”からすれ違っちゃってるもんね。よくある恋愛ドラマのターン…①恋に落ちる→②すれ違う→③やっぱ好っきゃねん→④回転レールでキスっていう(ひどい区分け)、「②すれ違う」のすれ違いレベル、高すぎるし、複雑すぎだし、壮大すぎだよね。そして何より、新感覚すぎるよね…。そら生身で勝負してる沙也佳は、いろんな意味で、勝ち目ないよね…。そうそう、だからね、今週は沙也佳はお休み回なんだよ…。
もうだってさ、その元春と澪の物語がさ、これまたどんだけ運命的でドラマチックなんよ…。澪ママ(片平なぎさ)が、あの元春&澪夫婦のトラウマ、“父の法事の日”に、いなくなった!?さあ一体どこへ行った!?のドラマチックスタートが、またしても元春が自転車に乗ってる澪を発見する…っていうお約束な。そして朝から晩までどんだけ澪は自転車こいでんねん!だし、元春が運転する車のすぐ目の前で偶然フラリ…って、もうあからさまな確信犯的運命展開!!そして、澪ママも澪ママでさ、いくら認知症とはいえ、なんて人騒がせな…。なんでこんな大事な時にドラマ起こすねん!!(うん、そらだって、ドラマだしね…)今、この話いる!?澪ママがいなくなるくだりいる!?なにこの話!って若干怒ってた…、いや結構腹立ってたのに、その結末が…「お父さんとはこのバスで出会ったのよ…」…そして、その理由…、ぐうの音も出ねぇ…。一日中バスに乗ってたっていうママがあまりに純粋で、かわいくて、ロマンチックで…。澪ママは、“いつかの運命”を思い出して、バスに乗り続けてたんだね…。さっきまで“このくだりいる!?”とか思ってた自分、ぶん殴りてぇ…全力でぶん殴りてぇ…。澪ママごめんね…。
で、そんな澪ママの、“いつかの運命”の、“バス”、…え?…“運命のバス”…!?…元春と澪が初めて出会った、タイムスリップの起点にもなった、あの、“運命のバス”やんけーーー!!!そことそれ、掛かってるんですよね?“運命のバス”って、そういうことですよね?橋部先生?(脚本の橋部敦子先生)うんだけど、もし違ったとしたって、このドラマ、そういう域で勝手に妄想できる、あれこれも全部運命に結び付けて、キューン!ってなれるそんなドラマになっちゃってるもんだから、澪ママが“バスに乗ってた”ってわかったとき…なんだかよくわかんない汁、体中から出ちゃったよね!?
で、そんなこんなした直後、またしても素敵すぎる元春と澪の素晴らしきかな過去を回想しちゃったりなんかして、元春が目の前にいるはずなのに、そうじゃない、向こう側(過去)の澪への気持ちを告白する…でもって、澪も澪で、目の前にいる元春への思いなのに、直接は言わない、言えないから、含みに含んだ元春への思いを伝える…なんだけど、元春はそれにちっとも気付かない…「津山にきっと伝わるよ…」って、おいーー!鈍感すぎるーー!元春!!そういうとこやぞ元春―――!!!ムキーッ!!ってなったその直後…。澪、コンビニの前で別れた元春を遠くに見ながら「・・・」。…なんか言ってる??…(巻き戻す)「・・・(なんか言ってる)」…何ていってんのーーーッ!!いつもだったら流れを大事にして見たいから、絶対巻き戻さないのに今回ばかりは、「・・・(なんか言ってる)」の部分、初見から5回は見直しちゃったよね!だけどなんつってるか全然わかんねーー!!俺の読唇術スキルーー!!ああ澪、そんな切ない顔して、何て言ったのーーー!!…って、そういえば、その辺に興奮しすぎて、沙也佳のこと、すっかり忘れちゃってたわ…。
か・ら・の、
「久しぶりねッ!剣崎元春さん」
で幕を開ける沙也佳劇場、今週も最高だったね!!(自己最長の前振りでお送りしました)
もうね、“沙也佳プライド”ד沙也佳ひとりぼっち”のせめぎあい!情緒が揺れ動きまくり!!
まずその前哨戦だった、物語中盤の、元春に夕飯用意して待ってるわ♪(ルンルン)が、やっぱりデパ地下総菜(的なもの)を堂々と皿に移し替えてる…容器のままで出しちゃえばいいのに、わざわざ皿に移し替える…そう、それこそが“沙也佳プライド”!!そして、そんな勝気の塊、負ける気がしない“沙也佳プライド”だったのに、まさかの対戦カード、VS澪ママとの勘違い電話合戦で、若干劣勢に立たされ、“沙也佳プライド”危うし!!だったんだけど、すぐさま元春のジャケットから“警察署の名刺”を発見、“助手席は私の指定席”元春の高級SUVへ直行、車内を素早く隈なく捜索、カーナビの履歴確認、ドライブレコーダーで証拠掴む、SDカードぶん投げる、という怒涛の連続攻撃。強い…強すぎるぞ“沙也佳プライド”…。そしてトドメのセリフが、「お母さん公認であの人(澪)と浮気してるの!?」沙也佳…、まさかの発想!!確かに、傍から見たら、そうだわ…。
そしてそれに対する元春の言い訳…。「彼女のお母さん、認知症なんだよ…。それでお母さんがいなくなって、一緒に探したんだよ…。」
…って、知らんがな!沙也佳にとったらマジで、知らんがな!!っていう視聴者全員の思いを、「家族じゃないんだからッ!」ってセリフに感情全部詰め込んだ沙也佳、クリティカルヒットだったよ!!だけど、なんだかあまりにも正論過ぎて、ちょっと笑っちゃったよ。
で、元春もよせばいいのに更なる言い訳。「(澪を)ほっとけなくて…」っていう、今回沙也佳にとって絶対踏んではいけなかった地雷ワード、言っちゃうっていうね…。そっから始まる“沙也佳ひとりぼっち”は悲しいってもんじゃなかったよね…。沙也佳だって話したいことがあったの…楽団に入りたいこと、相談したかったのに…両親にも“趣味”扱いされたチェロ…、だけど私は本気なの…楽団に入りたいこと…それを…それを元くんに相談したかったのに…そんな“私のことは放っておいて!!”って、ああ、なんて悲しすぎる“沙也佳ひとりぼっち”…。
しかも、昨日からずっと待たされてたからね…いくら用意してた夕飯がデパ地下総菜(的なもの)だからって、昨日から待たされてんだからね…相談したいことは、沙也佳の人生に関わることだったのにさ…ひどすぎる元春…さっきちょっと笑っちゃったけど、ごめんな沙也佳、ひとりぼっちにしてごめんな、俺の沙也佳…。ってなってたのに、すぐさま“沙也佳プライド”再び!「あの人(澪)、最初から感じ悪かった」…え?どうした沙也佳…「名札だって車の中にわざと落としたんじゃないの!?」…うん、確かに言えてる。僕ら視聴者はあの辺のドラマチック、知ってるからなんとも思わないけど、知らない沙也佳サイドからしたら、澪の名札、あざとさしか感じないよね!?と思ったら電話帳の“ママ”にも相談できないという描写が入ってきて“沙也佳ひとりぼっち”再び…。悲しすぎる…。(それもそうだけど、電話帳の“ママ”のすぐ下、“ミゲルエリオット”さんが気になりすぎる、誰?)っという、“沙也佳プライド”ד沙也佳ひとりぼっち”の攻防…っていうか沙也佳の情緒変動、すさまじかったよね…。
で、そっから沙也佳に新展開!!お前、マジで誰やねん!な、スケボーに乗った王子っぽいやつ登場!まんまとチャラいバーに行っちゃってるし…ワイングラスと一緒に手を絡ませながらの、「明日も遊んでくんない?」だし、お前誰やねん!俺の沙也佳に何しとんねん!!沙也佳、早く逃げてーーー!!そいつは絶対絡んじゃいけないやつ!!逃げてーーー!!…って、フラッフラで帰宅する沙也佳…。ああ良かった…。あそこからワンナイトラブ、いっちゃうかと思ったよ…。さすがの“沙也佳プライド”!そこは死守だよな!!で、え!?そっから、まだまだドラマが!?まさか!?前回の伏線、あのなんだか怪しい伏線にしか思えなかった、あの、裏掲示板“ビハインド”に!!??
沙也佳、スイッチ、オーン!!!(シーユー!!)
って、気になりすぎる――!!ついつい今回は、ほぼ心のツッコミになっちゃったわ。あんなラスト10分見せられてら、言語失うわ! で、そのラスト10分が濃厚すぎて、2時間くらい見てた気持ちになったわ。そして今週、イケメン地獄の津山(松下洸平)いた?ってなったわ。もっと、頑張ってくれ津山!!イケメンってだけじゃ、ドラマにならないんだぜ!?
text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)