毎回さまざまなジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくフジテレビのトーク番組『ボクらの時代』。

2月14日(日)の放送は、映画「ファーストラヴ」に出演している中村倫也、窪塚洋介、監督の堤幸彦が登場。映画撮影中のお互いの印象や、中村の下積み時代のターニングポイント、窪塚の健康メソッドなど多岐にわたる話題を展開した。

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映画では、兄弟を演じる中村と窪塚。窪塚は中村の「仕事ぶりに胸を打たれた」と語った。

窪塚:(窪塚とは旧知の堤が)「また上から」とか突っ込み入れてくると思うけど、そういうのじゃなくて。(中村に対して)「あ、こんなにできるんだ」「すべてが、こんなにコントロール下なんだ」って。なんていうかな…“魂の着せ替え”ができるみたいな。

色で言ったらもう白だから、何色にでもなれるっていうのをちゃんと体現してきてるから「こういうことができるんだろうな」と思って。そのときに、ふと「白なんで」とか言ってた(かつての)自分、思い出しちゃったりとかして。

堤:うん。

窪塚:「あれ?だんだん出ねぇ色あるな」みたいな。最近だと。自分が好んでその色に求めないっていうのもあるかもしれないけど。

堤:そんな、役者みたいな反省があるのね。

窪塚:ありますよ!一応、役者から出てきたんで。

堤は『池袋ウエストゲートパーク』(TBS/2000年)で一緒に仕事をしたころの窪塚は「何もかもが尖がっていた」と振り返った。

堤:一番有名な「キング」ってキャラがあるじゃない。あれ、自前だからね。

中村:何かね、俺、どっかで見ましたよ。「好きにやらせてほしい」みたいな。

堤:そう。最初に全部、僕が「ちょっとポーカーフェースで、ときどきキレキャラだけども、でも基本、能面のような感じ」って言ったら、「いや、それもわかるんすけど、好きなようにやらせてもらっていいっすか?」みたいな。

窪塚:そんな言い方じゃないですよ(笑)。

当時21歳だったと聞き「それで『好きなように』って、言えるのがすごい」(中村)、「なかなか言えないよね」(堤)と感心すると、窪塚は「今より、確かに調子には乗ってたかな」と笑わせた。

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また、堤も中村の芝居を「基本、見え方が同じであるにも関わらず、全部違う人に見えてくるんですよ」と分析した。

堤:特に、今回「ファーストラヴ」の(中村が演じた)迦葉くんって、1作の中に2つ3つのキャラが存在してるわけ。

窪塚:そうっすね。

堤:それを、全部いちいち私は説明してないです。あなた(窪塚)にも説明しなかったように。でも、わかるんだよね。言わなくても。これはどうなの?天才なんですか?

中村:いやいや、もう、そうやって言ってくださいますけど、必死こいてるだけです。

堤:じゃあ何、下調べとか勉強とかしてる?

中村:もう、だから水鳥みたいな感じです、たぶん。気持ち良く泳いでるように見えて、(水面下では)めちゃくちゃばた足してるみたいな。

そもそも、高校生のときの写真が事務所関係者の目に留まり、「芸能人になったらモテるかも」という思いがきっかけとなって芸能界入りをしたという中村。堤が担当した『H2〜君といた日々』(TBS/2005年)という連続ドラマが初めての現場だったと振り返った。

堤:その『H2』っていうドラマから今に至るまで、相当な勢いでやってるわけじゃないですか。

中村:いやいや、もう鳴かず飛ばずですよ。

仕事がない日々を過ごし「20代前半で腐りきった」と回顧する中村は、「斜に構えて誰も信用しない」時期があったことを告白した。

中村:仲間と飲んで、くだ巻いて、みたいな日々だったり。暇で、自分に才能ないなって、もう嫌というほどわからされたんで、「じゃあ何ができるんだろうな」って、ずっと考えてましたかね。だから「無駄にしてた時間を無駄にしないように」っていうのが、自分が生まれ変わった始まりでしたね。

堤:いいセリフだね、それ。

窪塚:うんうん。

中村:そんなこんなでいろいろやっていたら…自分も変わると、周りもやっぱり変わってくるんですよね。「こいつ変わったな」っていうので。それでいろんな方が呼んでくださったり、もういろんな賞をいただいたりもしていて、おそれ多いなっていう昨今なんですけど。

と、役者としてのターニングポイントを語り、堤は「苦労なさってると、視野が違う」と現在の中村の活躍に納得した様子。

窪塚も「一緒にインタビュー受けていても、そう思うことが多々あった」とうなずいた。

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そして、中村の「お2人は緊張したりしますか?」という質問から、話題は体作りや体調管理に発展した。

中村:緊張したとき、どう、ベストな状態を目指して戻すか。

窪塚:深呼吸。

中村:あはははは!すごい、フィジカルな話だった。

堤:「深呼吸」と「腸をきれいにする」、ね?

窪塚:「腸をきれいに」。それは時間がかかりますけどね、その場でどうとかなんないですけど(笑)。でも、本番、カチンコ鳴っている間とかの方が、普段より緊張しないかなっていう気はするけど。

堤:根っから好きなんだよ。やっぱりそういう空間というか、テンションというか。

窪塚:でも、ありますよ。「何かアッチーな」と思って、ちょっと汗かいてきちゃったりとかして、止まらなくなっちゃったりするから。今、俺、腹巻きしているんだけど、こっそりバレないようにステージの上で腹巻き下ろしたりとかしてる。

中村:はははは。

堤:何で腹巻き?

窪塚:腸活ですね。

堤:腸活のね。いいんだ。

窪塚:腸を温めて。

堤:へぇ、効くんですね。

窪塚:効きます。冷え性、治りました。

堤:(中村に向かって)鍛えてる?

中村:何か、動ける体を目指していろいろやってはいるんですけどね。

堤:実はもう(腹筋が)バリバリに割れているとか?

中村:いやもうワンパックです、ワンパック。

窪塚:それ、ダブルミーニングでしょ?「わんぱく」な。

中村:そうです(笑)。何かね、やりたいんですけどね、体も。撮影ずっとやっていたら無理だなって思っちゃって。

窪塚:でも、何か5秒でいいらしいですよ。

堤:え、何が?

窪塚:5秒。もはや、ちょっと意識するだけでも全然違うって言ってましたね。

堤:ぜひ、ご本などお書きになって。

窪塚:いやいやもう。

堤:「腸は5秒で」。

窪塚:“又聞き”みたいな本になっちゃいますよ(笑)。

「気をつけるけど、気に病まない」自然派健康法とは

一方の堤は「(体を)めっちゃ洗いますよ」「1日2回、服を替える」と、自分から加齢臭がしているのではないかと異常に気になってしまうそう。

さらに「健康のためなら死んでもいいと思っている」と、自身を極端なほどの「健康オタク」であると語り、あらゆる検査を受け、健康情報を収集していると告白。すると、窪塚は「メソッドとしては、僕と真逆」だと…。

窪塚:あんまりそういう西洋医学に頼らないというか、なるべく自然派でいくっていうのが僕のやり方で。

中村:自然の体の持ってる治癒能力じゃないですけど、そういうのを生かしてっていうことですか?

窪塚:うん。やっぱり自然のリズムから離れれば離れるほど、不具合が起きるかなっていう。あと、僕ら食べ過ぎもあると思うんですよ。1日に3食とか4食とか食べる人って、消化と吸収にすごいエネルギーを使ってしまうらしく。俺らも、集中力が必要なシーンの前に「ご飯いっぱい食べるなよ」とか言われたことあるでしょう?

断食をすると「研ぎ澄まされる」感覚があるそうで、「断食で何でも治る」と思っていると明かす。2年ほど前に受けた人間ドックでも「肝臓も肺も健康」とのお墨付きをもらい「やっぱ気の持ちようなんだなと思って。だから、気をつけますけど、気に病まないというか、病は気からっていうのは大事にしようかなとは思ってます」と言う。

そこで堤は、窪塚に「お酒はいいんですか?」と突っ込む。

窪塚:ねぇ?

中村:(笑)。

堤:ちょっとカロリーとかいろんな意味考えると、ワインとか結構危険じゃないかって思うんだけど。

窪塚:そうっすね。だから腸活で相殺しにいってます(笑)。

堤:「相殺」って、いいタイトルだよね、本も。

中村も「チャラにする力」と乗っかり、「そのタイトルでは説得力がいきなりなくなる」と笑い合った。