医療脱毛大手「アリシアクリニック」破産「返金極めて難しい」 ９万人被害か？ 利用者戸惑い…解雇従業員も怒り

都内などで展開する医療脱毛大手「アリシアクリニック」。全43店舗が2024年12月10日、営業を停止しました。

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店舗に貼られていた告示書
「令和6年12月10日午前11時00分東京地方裁判所において破産手続開始決定」

さらにホームページを見てみると…。

アリシアクリニックHPより
「未施術分の施術代を返金することは、極めて難しい状況です。」

なぜこのような状況となってしまったのでしょうか？

調査をした帝国データバンクによると…。

帝国データバンク情報統括部　情報取材課　森山玄将副係長：
今回アリシアクリニックを運営しているのが美実会とあとは八桜会ですかね。この2法人が破産となったんですが、もともとですが先日破綻しました「銀座カラー」脱毛の銀座カラーのグループに所属をしておりまして、「銀座カラー」が破産した当時から、ちょっと資金繰り大丈夫なのかというようなお問い合わせも複数あって、注目度が高い法人さんだったというところがまずひとつあるかなと思います。
ほとんどが一般消費者の方というところで影響が非常に大きいのかなというふうに考えております。

2023年12月に破産を発表した大手脱毛サロン「銀座カラー」。
ここを運営していた2つの法人が「アリシアクリニック」の運営元となっていましたが、新型コロナの感染拡大などの影響で利用客が減少し、経営が悪化したといいます。
負債額は2023年の「銀座カラー」の約58億円を大きく上回る124億円以上。
被害者となる債権者は約9万人にのぼり、過去最大規模の消費者被害だといいます。

『めざまし8』が取材をすると、「アリシアクリニック」の利用者からは戸惑いの声が…。

アリシアクリニックの利用者（34）：
店舗数も多いですし、破産するなんて夢にも思ってなかった。
回数が終わってないので、それがどうなるのかっていうのが一番強かったです。（来月）予約も入っているので、それもどうなるのか…。

2025年1月、6回目の脱毛に行く予定だった女性。合計11回、約20万円の契約をする中、12月10日、突然の倒産をニュースで知ったといいます。

アリシアクリニックの利用者（34）：
（アリシア側から連絡は）ない。全く何もないです。アプリがずっとつながらないですよね。どこに怒りをぶつけたらいいのか分からない感じですね…。
12月ぐらいにもう少し駅に近い（大阪）梅田院ができたところだったんです。スタッフに聞いたんですよ。「あちらで受けてもいいですか？」と。そしたら、あれは新設したので「次回からあちらでも大丈夫です」と言われたんです。
だから破産するなんて思わないじゃないですか…。

「アリシアクリニック」では、今後の対応は問い合わせフォームを通じて行っていくとしています。

影響を受けるのは利用者だけではありません。
『めざまし8』の取材に怒りの声をあげたのは「アリシアクリニック」の現役従業員です。

12月10日、突然会社から届いたのは…解雇通知。

アリシアクリニックの従業員：
ふざけるなというか、裏切られたなとはものすごく思っております。
不誠実。というか社会一般的な解雇がこういうものなのかもしれないですけれど、あまりにも残酷だなと思いました。今月の給与に関しては支払いはないと伝えられておりまして、正直難しいと思うという話であったり。
その他インセンティブで10月ごろに売上げをしっかり上げたスタッフの支払いが（12月）25日に約束されていたんですけど、そちらの支払いも今のところ難しいというところで、動揺しているスタッフも多かったです。

12月10日付で全店舗の全従業員約1500人が解雇されました。

アリシアクリニックの従業員：
若いスタッフ20代前半から中頃、後半にかけてのスタッフが多く勤める職場なので、これからのことの不安もあれば、どうしても預貯金が低い、給料が入らないことが不安というような声や色んな話が飛び交っている現状でした。
従業員の中にはご自身のご家族や友人を紹介して入会してもらった職員も多くいたため、その方々に返金ができないことを悔やむ職員も多くいました。

医療脱毛大手の突然の破産。過去最大規模の消費者被害の背景には、いったい何があったのでしょうか？

「アリシアクリニック」は返金には応じられない姿勢を明確にしていますが、日本脱毛安全普及協会代表理事でもある山岸純弁護士によると、この根拠となっているのが破産手続きによる資産管理の仕組みです。

こうした業者が倒産した際、残った資産の優先順位は…
「税金の支払い」が一番。その後に「従業員への給与補償」最後に「利用者への返金」となります。
しかし、利用者への返金に至る前に、資金がついえてしまうケースがほとんどで、利用者への返金はほぼゼロになってしまうということです。

一方で、クレジットの分割払いで未払い金が残っている場合は…
クレジット会社に支払い停止の申し入れが可能。承認されれば支払いは一時停止され利用者・事業者・クレジット会社、三者間の話し合いで解決の可能性があるということです。

MC谷原章介：
こういう破産が相次いでいると、脱毛業界の信用に関わってくるじゃないですか。どういうところを僕たち消費者は選んでいけばいいですか？

山岸純弁護士：
勧誘する営業の方が10回とか20回ということを言ってきますけど、果たして自分にそれが必要なのかどうかを考えることですね。
自分が毛深くなってきたなというところで1回行ってお金を払う。自分もクールダウンを過ぎて、またそろそろかなというふうに思ったときに行く。もちろんお医者さまの意見というのが必要かもしれませんが、果たして自分は10回も20回もいるのかどうか、都度払いでやったほうがいいんじゃないかというような考えを持つのは大切です。

（『めざまし8』2024年12月11日放送より）