3月28日(日)、フジテレビの月9ドラマ『イチケイのカラス』(4月5日スタート)のリモート記者発表会が行われ、竹野内豊、黒木華、新田真剣佑が登壇した。

本作は、浅見理都の同名漫画が原作。竹野内が11年9ヵ月ぶりに月9の主演を務める、民放連ドラ史上初、刑事裁判官が主人公の爽快リーガルエンターテインメント。

竹野内演じる東京地方裁判所第3支部第1刑事部(通称:イチケイ)の型破りな刑事裁判官・入間(いるま)みちおと、みちおに振り回されながらも真実をつかもうと奔走する刑事裁判官・坂間千鶴(さかま・ちづる/黒木)、書記官・石倉文太(いしくら・ぶんた/新田)ら“イチケイ”メンバーの活躍を描く。

竹野内は撮影を振り返り「法廷シーンを丁寧に撮っていて、時間がかかった長いシーンは、2日間に分けてワンシーンで18時間とか(かかった)。使い慣れないセリフも膨大だったので。黒木さんは東大卒のエリート役なので、非常にロジカルなセリフも膨大だったんです。本当に大変だったと思います」と明かした。

また、「その時間、セリフのない真剣佑とか、傍聴席に座るエキストラさんとか、毎回ゲストで参加していただいた芸人さんの方々も、長い法廷シーンを座って見ているというのは、それだけでも大変だったと思います」と回顧。

黒木は「知らないことがたくさんあったので、そこをまず知ることから始まりました。監修の方に、逐一『これはどういうことですか?』と。『甲を乙にと書いてありますけど、これは誰と誰が争って…』とか。『セリフの意味が分からないと言えないね』と、小日向文世さんとも話していました」と苦労を告白。

新田は「書記官として、クランクインの前に所作とか、やらなければいけないことのリハーサルをさせていただいたので、覚えることはたくさんありましたけども…。いや、そんなになかったか(笑)。精一杯、覚えて現場に臨みました」と笑顔で話した。

裁判官の衣装について竹野内は「意外と袖を通してみると、着物みたいで…。でも、帯はないし、意外とゆるいんだな…大丈夫かな?と思っていたんですけど。ゆるかった気持ちも、どんどん引き締まるような…。そういう気持ちになっていきました」としみじみ語った。

それを聞いた黒木は「私は最初から引き締まっていたんですけどね」と笑い交じりで答えながら、「私の役は被告人にも、被害者にも同等の位置に立つ人で、これ(法服)は特別なものと思っていたので、最初に袖を通したときに(気持ちが)引き締まるなという思いはありました」とコメント。

竹野内演じるみちおは、原作では眼鏡をかけた小太りの男性。容姿の違いについて竹野内は「『自分が本当にこの役を演じても大丈夫なのかな?』と最初思いました。『ちょっと太った方がいいですかね?』と打ち合わせの時に言ったら『竹野内さんの中にみちおさんはいます』と言われまして、みちおさんの魂だけを受け継いで臨もうと」と語った。

また、黒木が演じる千鶴の役は、原作では男性。黒木は「原作ファンの方が、どう思うのか、というのがありました。ドラマはまた別物として、私だからできることがあると思うので、それを必死に探しながら…。でも原作のイメージを大事にしながら演じました」と説明した。

本作が初共演の3人。それぞれの印象を竹野内は「黒木さんは、お会いする前は勝手に『物静かな方なのかな?』と思っていたんですけど。小日向さんと仲良く話されてるのを見ていると、夫婦漫才みたいな感じにも見えてきて、すごくその姿が微笑ましくて。数えきれないほど、2人のやりとりに笑わせていただきました」と。

新田は「5歳の時に(竹野内が出演しているドラマの)現場に遊びに行かせていただいて。20年ぶりくらいの再会で、とても感慨深い共演でした」と告白。

それに対して竹野内は、「(新田に)初めて会った時は5歳で…。『できちゃった結婚』(フジテレビ/2001年)の撮影で(新田の)お父さんと共演させていただいたんですけど、お父さんに連れられて現場に時々来てたんですよね。本当に小さくて、本当にいい子でかわいかったんですよ。こんなに大きくなっちゃって(笑)」と嬉しそうにコメント。

竹野内が「あの頃の記憶ってあるの?」と聞くと、新田は「あります!(竹野内が)取材をされてて、そのところにアメを『はい!』って渡しに行った記憶があります。ちゃんと覚えています」と明かした。

もはや、父親のような気分なのか、竹野内は「抱っこしたりとか、“高い高い”とかしたんですよ」と懐かしい再会に目を細めていた。

黒木は新田について「弟みたいな関係で、誰にでも愛される人柄なんです。だから現場が落ち着いて、1つの家族みたいな…。本当に和気あいあいとした現場でした」と回顧。

ドラマ撮影は、すでにクランクアップしているそうで竹野内は「去年の11月から撮影に入ったんですけど、長かったようで、振り返ってみると…。でもやっぱり長かったかなという(笑)。スタッフやキャストともに最後まで健康で何事もなく無事に撮影を終了すことが出来たというのは安心しました」としみじみ語った。

最後に竹野内は、「先日、第一話を拝見させていただきました。こういうリーガルものですとか、ムズかしい内容のドラマが苦手だなと思う方でも、楽しんでいただける作品に仕上がっているんじゃないかなと思います。裁判官と言えども同じ人間を裁くことがいかに難しいか、視聴者の方々と一緒に考えていけるドラマにきっとなっていくと思います」と締めくくった。