毎回さまざまなジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくフジテレビのトーク番組『ボクらの時代』。
3月14日(日)の放送は、メインMCを務める『とくダネ!』が、3月26日(金)で22年の歴史に幕を下ろす小倉智昭が登場。
番組スタート時にサブMCを担当した佐々木恭子フジテレビアナウンサー、現在サブMCを担当している山﨑夕貴フジテレビアナウンサーと、番組の長い歴史を知るメンバーならではのトークを展開した。
「小倉さんからいじめられてました?」の問いに、佐々木アナ5秒の沈黙。その真相は?
まずは、佐々木アナが「小倉さんに謝らなきゃと思っていて…」と切り出すと、小倉はその内容に心当たりがある様子。
山﨑:え、何かあったんですか?
小倉:ひどいんだ。サイテーな女だよ。
佐々木:(笑)。
山﨑:えーっ(笑)!?
佐々木:何かね、小倉さんのこと、うまく話せないの。
山﨑:ほうほうほう。
佐々木:こないだも『ワイドナショー』で、松本(人志)さんから不意にね「小倉さんからいじめられてました?」って言われて。「いやいやいや」って心では思ってるのに、声が出なくて、5秒間沈黙しちゃったの。
山﨑:え!?5秒って長くないですか?
小倉:長いよ。松ちゃんとか東野(幸治)が「やっぱりいじめられてたんや!」って言ったのよ。そうしたら慌てて「いえいえいえ」って(否定して)。もう、ネット炎上。
佐々木:そう!ネットニュースになっちゃって。
山﨑アナが「本当は、いじめられていたんですか?」と突っ込むと、佐々木アナは「そうねぇ」とわざと思わせぶりな返答をして「またここがネットニュースになりますよ(笑)!」と笑い合った。
『とくダネ!』終了の心境と今後について
佐々木:いやぁ、でも22年ですよ。22年続くって!
小倉:みんな「22年も続かないですよね」って言うんだけど、本人はもっとやるつもりでいたんだよ。
佐々木:ああ(と感嘆し)、そうですか。
小倉:「後進に道を譲った」みたいな、きれいごとになっているけど、本音で言うとそうじゃないよね。
佐々木:もっと行ける?
小倉:スタジオで死んでやろうかくらいに思っていたくらいだからさ。
山﨑:それ、いつもおっしゃってますもんね。
佐々木アナから今後について聞かれると「1ヵ月は仕事を入れないでと伝えている」と小倉。
小倉:ゆっくりしたいし、病気(2018年に膀胱がんのため膀胱を全摘出)のこともあるから。ただね、73歳で「22年間やった番組を終わります」っていうと、現役引退だと思われてるんですよ、結構。
佐々木:あぁ~。
小倉:もうアナウンサー生活から引退するんだなと思われているんで、間は途切れない方がいいと思うんだよね。
山﨑:すごい。
小倉:本当は、次の日から出てるくらいの方がね。次の日から裏番組に出てるとかさ(笑)。
佐々木アナと山﨑アナは「裏番組はショック」「他局でコメンテーターとかしていたらショック」と声をそろえていた。
小倉とは『とくダネ!』以前から交友があった山﨑アナ
山﨑アナは、『とくダネ!』就任が決定した際、「絶望感しかなかった」と明かし「基礎もないし、言い間違いして炎上するんじゃないかとか、バカなのがバレちゃうんじゃないかとか。ストレスがすごくてしばらく眠れなかった」と告白。
小倉から「俺とのストレスじゃないの?」と突っ込まれるが、「違います」と即答した。
山﨑:私は『とくダネ!』に就く前から、(小倉から)食事会とか誘っていただいていて。私と生田竜聖アナウンサーと2人で、小倉さんの秘密の部屋(小倉ベース)に招待していただいて。私たちエンタメが好きなので、映画を見せていただいたりしていたので、怖いイメージを持って『とくダネ!』に入ってないんです。
山﨑アナは「(小倉の)裏でのやさしさが視聴者に伝わらない!」と熱弁したものの、小倉は「そういう言い方が嘘っぽい」と言って、笑いにした。
「何があっても何とかする」初期の『とくダネ!』で鍛えられた度胸
また、当時26歳の若さで『とくダネ!』に抜擢された佐々木アナは、番組開始当初の思いを明かした。
佐々木:「嫌だ、休みたい」と思ったことはないけど、やっぱり「楽しい」と思えるまでには時間がかかりました。
山﨑:そうですよね。
佐々木:やっぱり、苦しいことの方が多かった。台本に「佐々木」というところはないし、みんなの丁々発止の会話に、大縄跳びがあるとしたら、「どうやったら、あの楽しそうな大繩に自分は入れるのかな」というのが、3年くらいありましたね。
小倉:特に恭子ちゃんの時代は、進行表が2~3枚で。
佐々木:そうです。
小倉:誰がここで何を言うかとか、一切書いてなかったんだよな。
佐々木:ほとんど白紙でしたよね。
小倉:今、僕が嫌で嫌でしょうがないのは、台本に質問の内容まで書いてある。
佐々木:えーっ!?
小倉:ここでこういうことを話す、というのが全部書いてあるわけ。
佐々木:本当?
小倉:(理由をスタッフに)聞いてみると、「コメンテーターの人が後で話すことをそこで言われたら困るから」って言うんだけど。こっちはプロだから、そうなったらそうなったで、話入れ替えてやればいいわけじゃないですか。
佐々木:(大きくうなずく)
佐々木アナは「『何が起きたって何とかする』『5分あるなら、5分やります』っていう、あのとき一緒だった人はみんなそういう肝が据わっていた気がしますね」と、初期の『とくダネ!』を回顧した。
佐々木アナ「嫌われていると思っていた」小倉の思わぬ言葉に涙
すると、小倉が10年間共演していた佐々木アナへの思いを明かした。
小倉:僕はいろんな人とやってきたわけじゃないですか。
佐々木:はい。
小倉:恭子ちゃんが一番長いんだよ、10年間で。
佐々木:10年。はい。
小倉:でね、恭子ちゃんはね「すごい人だな」って思ってましたよ。
佐々木:いつですか!?
小倉:やってるとき、ずっと。
佐々木:全然感じてなかった(笑)。
「嫌われていると思っていた」と話す佐々木アナに、小倉は「機転が利くし、物事をわかっているから安心して任せておけるところがあったの。横にいて心強かった」と感謝の気持ちを述べた。
佐々木:(小倉に)「認めてほしい」とすごく思っていて、でも簡単に褒めてくれないから。「恭子ちゃんいい仕事したね」っていつ言ってくれるかな?って思っていたかも。
そう振り返った佐々木アナは、小倉からの思わぬ褒め言葉に瞳を潤ませた。
言いたいことがそのまま言えない…時代の変化語る
また、22年間の番組の歴史の中で起こった変化についても言及。
佐々木:言いたいことがそのまんま言える時代から、ちょっと言いづらくなることってありました?
小倉:後半の10年は、言いにくいこと、かなり増えましたよ。
山﨑:それは何ですか、ネットとかですか?
小倉:ネットの影響もあるし、局の姿勢の問題もある、スポンサーの話が出たりとかそういうことになってくると、だんだん、だんだん言えなくなるものなんだよね。
佐々木:どうやって自分を飼いならしながらオンエアされていたんですか?言いたいこと、いっぱいあるでしょう?小倉さん。
小倉:その辺は、「ここはこのぐらいに留めておこうかな」とか、「匂わすくらいにしようかな」とか。あるいは「こう言っている人も多いですよね」「こんなふうに報道されていますよね」とかっていう言い方で濁すようなこと。自分の意見としてではなく。
小倉は、生放送中に言いたいことが最後まで言えずに大きな批判を受けたこともあったと振り返り、ネット時代の発言の難しさを痛感しているよう。
小倉:本当は、結論を先に言うのがいいかもわからない。ただ、演出的には面白くないんだよね、それはね。
佐々木:やっぱり話を聞かせるには、最後まで聞かせたいとかありますよね。
小倉:そうそう。言って、それで最後にひっくり返さないと「起承転結」にならないじゃないですか。
山﨑:うーん。
小倉:でも今の人たちって、一言だけ聞いて、すぐこれ(スマホをいじるしぐさ)だから。
佐々木:その瞬間、ね。
小倉:1~2分後にすぐ出るでしょ?そのネットの言葉に反応してほかの人たちが見てもいないのに「そうだ、あいつは普段からそういうやつだ!」とかっていうのがあるから。怖いよね。
時代の変化で言いたいことを「だいぶ抑えた」「切っ先鋭かったつもりだけど、それが本当に丸まっちゃったし。棘(とげ)がだんだんなくなってきてしまって。年取るってこういうもんかなと思って」と苦笑い。
収録時間は1時間45分に及び、「まだまだ話し足りない」と名残惜しそうな女性陣に対し、「もう十分ですけど」と小倉らしいコメントで鼎談は終了した。
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