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新作『バクテン!!』は企画から4年!「早く放送を迎えたい」森彬俊プロデューサーに聞く

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テレビマンに仕事の極意を聞く新連載「テレビマンって実は」。

フジテレビアニメ開発部の森彬俊(もり・あきとし)プロデューサー(以下、P)に話をうかがうシリーズの第3弾では、4月からスタートする『ノイタミナ』の新作『バクテン‼』の企画の経緯と、アニメ通の森Pが“おうち時間”にオススメしたい作品を聞いた。

森彬俊プロデューサーインタビューはこちら!

演出力の高い監督とオリジナル作品を作ってみたい…その思いから生まれた『バクテン‼』

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――4月から『ノイタミナ』で最新作『バクテン‼』がスタートします。

森:『バクテン‼』は、宮城を舞台にした男子新体操の話です。震災から10年経ちましたが、その10年を振り返るというよりは、震災を経験した人たちが一生懸命、楽しく、いきいき生きている姿を描きたいというところから企画がスタートしました。

――宮城は森さんの出身地でもありますね。

森:そうなんです。実は、宮城では男子新体操が盛んなんですよ。男子新体操はまだマイナーな競技ですが、体操の力強さの中に、ダンスのような華麗な要素もあって、6人が一糸乱れぬ動きをするのが、すごく見ごたえがあるんです。とても美しくてダイナミックな競技なので、もっと多くの人に知ってほしいと題材に決定しました。

――今回はオリジナル作品ですが、原作モノにするか、オリジナルにするかというのはどうやって決めていくんですか?

森:監督は、『舟を編む』(2016)でご一緒した黒柳トシマサさんです。『舟を編む』は文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門新人賞を受賞しましたが、黒柳監督は演出力が非常に高いので、オリジナル作品でも完成度の高い作品を作ることができるのではないかと思っていました。

原作モノにするかオリジナルにするかというのは、クリエイターさんの資質による部分もありますし、そのチームでどういう作品を目指すかというところも大きいので、どちらがいいというのは一概に言えないんですけどね。今回の場合、黒柳監督とオリジナルを作りましょう、では題材はどうしましょうか、と企画を立て始めたのがだいたい4年前になります。

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流行の作品をアニメ化したほうが勝率は高いが、僕は“そっち派”ではない感じ

――企画から放送までに4年もかかるんですね!

森:原作モノならベースがあるので、もう少し短くて済むこともありますが、オリジナルの場合は、どんなテーマで、どんなキャラクターで、どういう展開にしようか、というところから考えなくてはいけませんから。

企画が走り始めてからも、実際に宮城にロケハンに行ったり、男子新体操をやっている高校生に取材をしたりして、そこで得たものを取り入れて、またみんなで考えて…という作業を繰り返して、設定とストーリーがある程度固まるまでに3年ほど。そこから映像を作るのに1年くらいかかりました。

とはいえ、今回が特に長いわけではなく、もっと時間がかかるものもたくさんありますよ。

――このクールに何を放送する、というところからの逆算ではないんですね。

森:そうですね。ある程度メドが立ったところで、放送するクールを決める形になります。だから、企画段階で流行している作品をお手本にしても、放送する頃には時代遅れになってしまっている、ということもあり得ます。

僕自身は、本や漫画が好きで日常的に読んでいるんですけど、企画を出す時には、その時に“話題沸騰!”みたいな作品ではなく、自分が既に読み終わって蓄積されているものの中から選ぶ傾向にある気がしますね。

もちろん、流行している作品をアニメ化したほうが勝率という意味では高いのですが、その分競争率も高いし、僕は“そっち派”ではないという感じでしょうか。

――プロデューサーの方にはいろいろな場面での“見極め力”が必要なんですね。

森:本当に自分の見極めが合っていたかどうかは、作品が視聴者にどう受け取られるかを見るまでわからないので、ドキドキですけどね。

でも、アニメのお客さんってすごく熱心で、SNSなどできちんと情報を集めて、面白いと感じたらガッと食いついてくれる。目の肥えたお客さんが多いので下手なものは作れない分、作りがいもありますし、支持していただいた時の熱量も高い。

『バクテン‼』はSNSでも今のところいいリアクションをいただいているので、早く放送を迎えたいと思いながら、今は監督や制作のみなさんと毎日喧々諤々(けんけんがくがく)しているところです。

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おうち時間に“イッキ見”するなら『進撃の巨人』がオススメ

――そんな森さんから、“おうち時間”を持て余しているみなさんのために、オススメの映像作品をいくつか教えていただけますか?

森:僕は在宅での仕事中は海外ドラマを流していることが多いのですが、せっかく時間に余裕があるときは長いものを“一気見”したいですよね。そう思って、改めて見返してみて面白かったのは、海外ドラマの『ブレイキング・バッド』(2008〜2013/全5シーズン)。

あと、『24-TWENTY FOUR-』(2001〜2010/全8シーズン)も、やっぱりよくできた作品でした。どちらも面白くて見入ってしまうので、仕事中に見るのは注意が必要ですが(笑)。

“イッキ見”に向いているアニメを1本挙げるなら、『進撃の巨人』(2013〜/現在NHK総合にて第4シーズンとなる『The Final Season』が放送中)。この作品は、イッキにガッと見たほうが、ストーリーのつながりや伏線が入ってきやすいと思いますよ。

<『進撃の巨人』はFODでも配信中>

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