石橋貴明が文化人、ミュージシャン、タレント、アスリートなどジャンルを問わず“話してみたい”ゲストを迎え、焚き火の前でじっくり語り合うフジテレビ『石橋、薪を焚べる』。
1月12日(火)の放送は、プロボクサーの井上尚弥選手が登場。ボクシングを始めたきっかけや、試合秘話、今後について語った。
ボクシングの聖地・ラスベガスの無観客試合
2020年は、コロナ禍で試合が二度三度と延期になり「常にモヤモヤしていた」と話す井上選手。トレーニングを続けながらモチベーションを保つことが大変だったと振り返る。そんな中、石橋は日本時間の11月1日にラスベガスで行われた、昨年唯一の試合について聞いた。
石橋:(ボクシングの)聖地・ラスベガス。完全に隔離された、ホテルと練習場、ホテルと試合会場だけしか、動けない…。
井上:そうですね、動けない。ラスベガスで、外に一歩も出てないですし。
石橋:何がラスベガスだか(笑)、全然…。
井上:(笑)。わからないですよ。本当に。
石橋:観客もいないわけじゃないですか。勝っても、声援みたいなものも。
井上:なかったですね。
「勝って、一応手を挙げた」という井上選手だが、初めての無観客試合は「いつもとは全然違いました」と振り返った。
ボクシングを始めたきっかけは父の姿を「カッコいい」と思ったこと
石橋:そもそも、なぜ、ボクシングをやろうと思ったの?
井上:きっかけは、父親の影響で。
石橋:お父さんって、塗装のお仕事されてるんじゃないの?
井上:そうです。塗装やりながら、アマチュアボクシングで試合に出たり。僕が幼稚園のころ、毎日トレーニングしていたので、それを見ていて「やりたいな」と。
石橋:それで、小さいときからトレーニングつけてもらって?
井上:そうですね。強くなりたいなと思って「教えて」とお願いして、そこから始まりました。
小学校1年生で父親の下でトレーニングを始め、今も父親の指導を受けている井上選手。父親を「カッコいい」と思ったところからスタートしたため、あこがれている選手や目標にしている選手は「いない」という。
井上:ボクシングの試合を見るくらいだったら、ジャッキー・チェンとか、ブルース・リーを見ていたくらいなので。ボクシングの世界戦とか「勉強がてら見ろ」と言われるんですけど、(途中で)寝てしまったりとか。
石橋:あんまり、ほかの選手や海外の選手には興味がなかったの?
井上:なかったですね。
石橋:もう、完全に自分の世界だけで。
井上:そうですね。
井上は、幼少期のころから世界チャンピオンになることを目指し、父から英才教育を受けたわけではなく「(ただ)ボクシングが好きで、強くなりたくて」と語り、石橋も「そういう感じだったんですか」と反応した。
「プロでやるの?」という質問をはぐらかしていた
それまで、ほかの選手を意識したことがなかった井上選手は、高校進学後、インターハイや国体で優勝。「自分は強いんじゃないか」と思い始めたという。プロボクサーを意識したのは「高校2年生くらい」。
石橋:高校卒業したら、すぐ(プロになろうと)。
井上:もともと、プロでやる自信もなかったので。
石橋:えぇ!?プロでやる自信がなかったの?
井上:自信が全くなくて。高校1年のときに父から「プロでやるの?」と聞かれたときに、自信がなくて「やる」と言えなかったんですよ。
だが、高校2年生になるころから、当時世界チャンピオンの座を狙っていた八重樫東氏とスパーリングをするように。「いい勝負ができちゃったんですよ。そこで、何か、自信がついて」と心境の変化があったという。
「期待を超えてきた」その評価が一番うれしい
2012年、19歳で大橋ボクシングジムに入門してプロデビューした井上選手は、これまで20戦20勝と無敗を記録している。2014年には、世界最速(当時)で2階級制覇。2018年には、日本最速で3階級制覇を達成した。
石橋:プロになったその瞬間から、今までって、ほぼ理想通りですか?
井上:いや、理想より、数段上を行っている感じですね。
石橋:早い?
井上:自分でも追いついていってないような。
石橋:僕の周りでも、ボクシング好きなやつがたくさんいるんですけど、プロデビューした時から「今やっても、絶対に世界チャンピオンになる」って言ってました。「本当にモンスターなんだ」って。
石橋の話に、井上は「マジっすか?そんなに評価高かったんですか?」とうれしそうに顔をほころばせた。
石橋:「モンスター」と呼ばれることは、ご自身は?
井上:デビューしたときは嫌でしたけどね。
石橋:嫌?
井上:しょぼい試合したら「何がモンスターだ」みたいになるじゃないですか。名前負けというか。
石橋:うん。
井上:それが嫌で。それなりの試合をしなきゃいけないというプレッシャーがすごすぎて。
石橋:けど、やっぱり、圧倒的な勝ち方とか倒し方を、みんなが井上選手に期待してますもんね。そうやってみんなに期待されて倒したときっていうのは…。
井上:めちゃくちゃ気持ちいいですよ、やっぱり。試合によっては、「期待通り」じゃなくて、「期待以上」という声もある。その評価が一番うれしいですね。
無敗のチャンピオンでも試合前日は「怖くて眠れない」
ボクシング界のトップを走り続けることについて「怖いと思ったことないの?」と聞くと…。
井上:試合の前日の夜が一番怖いですね。いろいろ考えちゃうんですよ、寝る前に。「勝ち」と「負け」しかない世界なので、負けたらその試合に向けてやってきたことが証明されない。今まで積み上げてきたものが、すべて崩れる。(チャンピオン)ベルトも持っていかれる。その可能性も考えると、さらに緊張感がブワーッと(こみ上げてくる)。
石橋:寝られるんですか?
井上:だいたい、寝られないですね。
石橋:え、じゃあ、ほどんと寝ないでリングに上がってるんですか?
井上:そうだと思います。
石橋:えぇー!?
井上:結構、いろんなこと考えちゃうので。たぶん、ほとんどのボクサーは寝不足で試合やってるんじゃないですか。
たとえ早い回で倒して勝っても「アドレナリンが出ちゃって寝られない」と明かし、「(結局)2日くらいは寝られないですね」と笑う。また、約10kg減量しなければならない計量についても「喉が渇いて眠れない」と、その過酷さを語った。
「集中しろ!」ピンチのときに聞こえた母の声
その井上選手を支えているのは――。
井上:家族もそうですし、両親もそうですし、井上家が与えてくれる力というのは、すごく大きいと思います。
石橋:お母さんとか、心配しないですか?
井上:心配そうな感じは見て受けとれますから、それはそれで、勝って、ホッとさせたいなと。試合中にどんな表情で応援しているかは、わからないですけど、(2019年のノニト・)ドネア戦のときは一番聞こえたんですよ。
石橋:え?
井上:母親の声が。ピンチのときに声が聞こえて。セコンドよりも聞こえたんです(笑)。「集中しろ」って。高い声で。
「その声で吹き返した」「踏んばれた」と、ドネア戦(判定勝ち)を語った。
ボクシングは「35歳まで」無敗のままでリングを降りたい
現在27歳の井上選手。ボクシングは「35歳まで」と決めている。
石橋:それはなんで、35?
井上:30までだったら、あと3年なので「もっとやりたいな」という気持ちもあるし。35だったら、数字的にもキリよく、体力的にも頂点。「落ちてまでは、プロとして見せたくないな」という気持ちもあり。
石橋:当然、35までチャンピオン、無敗のままで。
井上:理想はそうですね。
石橋:無敗のままでリングを降りる、という。
井上:35をピークとして、そこまで突っ走る。
石橋:つまり、今の井上くんの目標は、4つ全部獲って、また階級を上げるという?
井上:そうですね。今、2団体(のチャンピオンベルトを)持っているんで、あと2団体獲って、一つ上の階級に。
石橋:スーパーバンタム。
井上:スーパーバンタムに上げるのが理想ですね。
と、具体的な目標も語り、「殿堂入りできたらうれしい」「期待以上の試合ができるように頑張ります」と誓った。
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