5歳でフィギュアスケートを始めて以降、華やかな演技と、そのかわいらしい笑顔で魅了してきた浅田真央。
日本のフィギュアスケートブームを長年けん引してきた彼女を、フジテレビは2003年から密着。膨大なアーカイブから、100の言葉を厳選した書籍「浅田真央 100の言葉」(扶桑社)が11月30日(月)に発売された。
生誕30歳記念と銘打たれた本書。その中には、オリンピックや世界選手権など、さまざまな状況で発した言葉、そして初めて取材に応じたという父・敏治さんら家族の言葉などが収められている。
そんな浅田に、本書の見どころ、人生の中で大切にしている“言葉”、30歳を迎えた今後の目標などを聞いた。
<浅田真央 インタビュー>
──完成した本を手にした率直な思いを聞かせてください。
私が読んだあとに感じたのは、「私のスケート人生のすべてが詰まった本になっているな」ということ。子どもの頃から大人になるまでの写真もたくさん入っていて、成長を自分自身で感じることが出来ました。
──ご自身の言葉を振り返る中で、思うことはありましたか?
この本は、2003年からフジテレビさんが密着してくだった映像の中から、出版社の方が厳選した100の言葉が詰まっています。そこにはいろいろな言葉があり、その言葉を読むと、当時にタイムスリップした気持ちになりました。
──すでに書店に本が並んでいますが、見に行きましたか?
買いに行きました(笑)。今日取材があるということで、「もう一度読み直さないと」と思ったのですが、出版社の方からいただいていた本を受け取るのを忘れていたので、これは、自分で買いに行こうと。恥ずかしかったんですけど(笑)。
──店員さんに気づかれませんでしたか?
完全に目を隠していきました(笑)。
──本の中で、印象深い言葉を3つ選ぶとしたら…。
「努力で頑張りたい」。この言葉はずっと言い続けてきたものですし、私の負けず嫌いな部分がすごく出ているなと思いますね(笑)。私は、姉とずっとライバルとしてフィギュアスケートをやってきました。姉の存在がなければ、ここまで頑張れなかったと思います。「悔しい」という思いや、自分の中に「努力をしたい」という思いがあったからこそ、ここまで来れたと思いますし、その思いがすごく詰まっている言葉ですね。
あとは、「楽しんでやればいいじゃん」。これは、ソチオリンピックのフリーの直前の電話で姉がかけてくれた言葉です。この言葉をかけられた私は、「楽しんでやれるわけないでしょ!」とすごく怒ったのですが(笑)、印象に残っていますね。あの言葉があったおかげで、気持ちをガラリと変えることができて、フリーでいい演技ができたのかなと思います。
あと一つは…決めるのが難しいですね。一つ一つの言葉にいろんな思い出もありますから。
「この時はこうやって戦ってきたんだな」「こうやって乗り越えてきたんだな」「ここはこうやって楽しんで自分のスケートをしていたんだな」という。山あり谷ありだった人生がここに描かれているので…選ぶのがすごく難しいです。
でも、家族の言葉は本当に印象的ですね。特に父は、普段そこまで深く話すことはないんですけど、私の知らなかったこと、「こういう風に思ってくれていたんだ」「こうやって一緒に乗り越えてきたんだ」と思えるエピソードを話してくれて。いろいろと思い出して話してくれたことがうれしかったです。それと同時に、父に「ありがとう」という思いが強くなりました。
──今ここで、本に掲載されていない101個目の言葉を選ぶとしたら、どんな言葉が浮かびますか?
言われた言葉になりますが、「真央ならできる」。この言葉は、ソチオリンピックのフリーの直前、ポーズをとる時に、私の知り合いの方がかけてくださった言葉です。あの場面で声をかけてくださることは、すごく勇気のいることだったと思うんですけど、私は「1人で戦ってるんじゃないんだ」と思えました。そのおかげで、強い気持ちを持って滑ることができたことを覚えています。
──スケートだけでなく、これまでの人生の中でお守りのようにしてきた言葉はありますか?
「感謝を忘れない」ということは、一番大切にしています。母からも「人のために何かできる人になりなさい」とずっと言われていたので。ですから、「浅田真央サンクスツアー」は、感謝を皆さんに届けることをテーマにして作っていますし、母の言葉は自分の中では大きいですね。
──これからの人生の抱負はありますか?
今年30歳になったのですが、「30」の「0」は、「また0からのスタート」という意味だと思っています。5歳からフィギュアスケートを始めて25年間、自分が選手として戦ってきた思いは忘れちゃいけないと思いますし、その強い心を持って、これからの30代も過ごしていけたらと思います。
──今後チャレンジしたいことはありますか?
「浅田真央サンクスツアー」が、2021年の4月に終わりを迎えるので、そこからは…まず一つは、「真央リンク」という自分のスケートリンクを作りたいという夢があります。子どものときから、コーチに「いつか真央のリンクを作ったらいい」と言われていたんですけど、なかなかそういう思いにはなれなかったんです(笑)。
でも、2021年、何か自分にできることがあるかなと考えた時に、スケートリンクを作りたいなと思って。今はその夢に向かって進んでいます。
リンクを作ることが出来たら、日本の子どもたちに良い環境で滑ってもらいたいですね。そこで私自身がアドバイスを送るとか、少しでも何かタメになることが出来ればいいなと思います。
あと、チャレンジしたいことといえば、昔からの夢である田舎暮らしというのも少しずつ始めていきたいと思っています。
──最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
家族や周りの方々がお話くださった私も知らなかったこと、「自分、こんなこと言っていたんだ」という言葉がたくさん詰まっていて、愛の溢れる本になっています。特に、家族からのメッセージというのは心に残りました。実際に今読んで、自分自身もこの本からたくさんエールをもらえたので、読んでいただけたらと思います。
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