処女作が重版決定の松重豊 初のオンラインイベントで「あと2時間しゃべれる」
10月24日(土)開催 オンライントークイベント「『空っぽな自分』になった理由(わけ)」
俳優・松重豊の初小説&エッセイ集「空洞のなかみ」(毎日新聞出版)の刊行を記念して、10月24日(土)、東京・下北沢の書店B&Bでオンライントークイベント「『空っぽな自分』になった理由(わけ)」が開催された。
松重豊「空洞のなかみ」出版時のインタビューはこちら!
白木の香り漂う空間で書棚に囲まれた松重が、コロナ禍で行われた執筆活動や、現在YouTubeで配信中の朗読セッションの舞台裏などをユーモラスに語り尽くした。
ブログで長年4行詩を書いてきた松重が「サンデー毎日」で連載エッセイの執筆を始めたのは2年前。それを書籍化するにあたり、対談企画の追加などを検討するうち、世はコロナ禍に突入。
「映画撮影は先送り、ドラマの撮影も中止。しょうがないから家にいて、作文を書く気分で小説を書き始めて。エッセイはノンフィクションなんで嘘を書けないけれど、フィクションの世界でなら自由に遊べる。小説というバーチャルな世界で遊び始めたら、あれ?コレ楽しいかも、と思えたんです」と振り返った。
ガトーショコラやプリンなどのスイーツを作って食べ続けながら、1日1本ペースで執筆し、12編の連作短編小説が完成。「サンデー毎日」で連載された25編のエッセイと併せて「空洞のなかみ」に収められた。
題字の色は、「千年近く前の仏像の肌の色」だと聞き「鳥肌が立った」
装丁は、松重が以前から惹かれていた菊地信義氏が担当。
「菊地さんの装丁は、最小限のものだけで構成された研ぎ澄まされたデザインで。その“無駄なものをそぎ落とされたむき出しの本”の姿に僕は惹かれるし、僕の本も思った通り、無駄なものは何一つない素敵な装丁に仕上げていただきました。
小説の中に、主人公が箸袋にサインするくだりがあるんですけど、菊地さんからは、『箸袋にサインしてくれる?』というオーダーだけをいただいて。『サインか…』と思ってサインしたら、それをのせた(写した)箸袋を、挿画のあべみちこさんが本当にリアルに再現してくださいました。題字の色は、菊地さんから『千年近く前の仏像の肌の色』だと伺い、鳥肌が立ちましたね」と、嬉しそうに語った。
装丁界の巨匠・菊地氏への依頼は「当たって砕けろ」の心境だったそうだが、互いに仏像好きであることや、菊地氏の“装丁者”としての在り方に共感を覚える松重の思いが伝わり、快諾してもらえたという。
「『僕は本を包む入れ物を作っている』という菊地さんの装丁者としての心構えは、僕が思う役者のイメージとすごくリンクしていたんです。役者というのもいろんな役が入ったり出たりする“空っぽの器”ですから」
その小説を松重がYouTube上で朗読し、1話ごとに異なるミュージシャンが伴奏する朗読セッションについても言及。撮影はリハーサルや編集なしの「一発撮り」と決めているそうで、
「ミュージシャンの方に途中で曲を入れていただくタイミングも一発撮りです。念入りに編集することもできるんですが、役者としての自分の習性で、一発撮りが大好きなんです。お客さんがいるかのごとく、ミュージシャンと一緒に『せーの、どん!』で始めて見せるというのは、ホントにモチベーションが上がるし、アドレナリンが出てきて最高」と、演者ならではの感覚を明かした。
<松重豊 公式YouTubeより>
生朗読&質問コーナーに「最高!」とファン歓喜
その後、居ずまいを正し、新刊に収録された小説の一編を朗読。抑揚をつけ、読者が思わず吹き出すだろうシーンも生真面目に。「その瞬間の気持ち」にこだわる俳優のわずかな息遣いまでも伝わる朗読劇を生で聴く、贅沢な時間が流れた。
終盤は、読者から届いた質問に答えるコーナー。「自粛期間を経て変わったことはありますか?」との質問には次のように回答。
「思ってもみないことが始まりました(笑)。自分の本を出して、オンラインイベントをやるなんて、今年の正月には考えてもみなかったので。正月に『オンラインイベントやりませんか?』『YouTubeやりませんか?』と言われても、『やんない、やんない。そんなこと絶対やんない』『YouTube? やんないよ。俺そういうこと嫌いだから』って言ったでしょうね」と、アグレッシブなチャレンジに当人が一番驚いている様子だった。
オンライン上にも、「めちゃくちゃ面白かったwww」「ステキです!パチパチパチパチ」「重版おめでとうございます!」「朗読最高!」「Amazon売り切れ。素晴らしい」「素敵な装丁と紙質。すごく素敵で大事にしたい本になりました」「装丁シンプルで素敵ですね」「YouTube一発撮りだったのですね。すごい!」「コロナ等々落ち着きましたら、オフラインのイベントの開催を期待しています」など、視聴者からの感謝&感想が続々到着。
「生朗読会も開催してほしい」との要望には、「今やったでしょ? 意外と難しい回なんだけど(セリフを)噛まなかった。自分で自分をほめてあげたい」。
「小説をドラマ化してほしい」との声には、「私、著作権者なので。原作者だしね。キャスティングにもものを言うめんどくさい原作者になりたいなぁと思います」と冗談交じりに答えた。
イベントの終了時刻が迫っても、「あと2時間くらいしゃべれる」「いくらでもしゃべりたい」と、ひとつでも多くの質問に答えようとする松重。スタッフからの幾度目かの催促を受け、ようやく締めの言葉に移った。
俳優として大ベテランの松重だが、その知名度が全国区になったのは、2012年にスタートした主演ドラマ『孤独のグルメ』が深夜帯で人気を博してから。「僕は仕事のない時期が非常に長うございましたので、仕事がなくて家にいるってことには妙になれていまして(笑)」と、かつての不安と小説執筆中に感じた孤独を重ね合わせ、
「絶望の中でも悲劇を喜劇に変えるのが僕ら演者だと思っているし、悲劇を喜劇に変える力が表現にはあると思っています。そういう意味を込めて、この時期だからこそ、テレビにも映画にも出られないけれど、書くことでみなさんに笑っていただこうと思って、この時期を笑い飛ばせるようなものを書いたような気がします」と語った。
人生、悪いことばかりじゃないし、この先どんな楽しいことが待っているかわからない。終始マイペースで進行したトークイベントは、垣根を越えて躍進する松重の遊び心と、沈みがちなときこそ人々の気持ちを軽やかにしたいという願いがまっすぐに伝わってくる至福の1時間だった。
詳細情報は、松重豊公式サイトまで。
取材・文:浜野雪江 撮影:河井彩美
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