8月21日(土)、BSフジで始まった新番組『CITY POP CRUISING(シティ・ポップ・クルージング)』が放送された。
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ここ最近、70年代以降に日本で生まれた“シティ・ポップ”が、アメリカをはじめ、韓国、香港、マレーシア、インドネシアなど世界で人気を集めている。いったい彼らはどこに魅了され、そして、シティ・ポップとは、どんな曲を言うのか。
番組では、海外ファンたちのマニアックなインタビューから、この現象について掘り下げ、シティ・ポップの魅力を再発見。
シンガーソングライター・澤部渡(スカート)と、俳優・葵うたのがMCを務め、世界のシティ・ポップ事情に詳しいライター・松永良平を解説役に、世界におけるシティ・ポップの潮流に迫った。
42 年前に発売された松原みきの楽曲が2020年にバズったワケとは?
まず、番組でも話題になったのが、シティ・ポップの定義。実は音楽的な原則はなく、とらえ方は国民性や個人によってかなり幅があるという。
澤部は「僕からすると、(山下達郎や大貫妙子が在籍したバンド)シュガー・ベイブの『SONGS』(1975年)というアルバムが一番のシティ・ポップ」と言うが、実は70年代のシティ・ポップは海外ではそれほど注目されておらず、人気が高いのは音楽がアナログからデジタルに移行した80年代なのだそう。
そんな中、近年、シティ・ポップが注目される大きなきっかけともいえるのが、竹内まりやの「プラスティック・ラヴ」(1985年)や松原みき「真夜中のドア/Stay With Me」(1979年)だという。
「プラスティック・ラヴ」は、2015年頃からレトロなアニメやゲームの映像を加工した動画とともにYouTubeに投稿され浸透。16年頃にバズり、その後、今年3月にはCalvin Klein(カルバン・クライン)の全世界向けのWEB CMに起用され大きな話題となった。
また昨年、インドネシアのシンガー・Rainych(レイニッチ)が松原みきの「真夜中のドア~Stay With Me~」を日本語でカバーした動画が、爆発的にヒット。松原の原曲も話題となり、40年以上も前の曲が世界各国のデジタルチャート上位にランクインする現象が起こった。
そういった流れの中で、今、音楽マニアだけではなく、一般のリスナーにもシティ・ポップが浸透し始めているという。
そこで、海外に住むマニアに、シティ・ポップの出会いとその魅力を聞いてみると…。
<Mark“Frosty”McNeil(マーク・フロスティ・マックネイル)が語るシティ・ポップ>
最初にピンときたポイントは、サウンド、音の質感だね。どこかで聴いた覚えがあると感じた。70年代、80年代にアメリカで流行ったディスコブギーやファンクに似ている、でも、違うぞ、と感じる要素もあった。
海外にあった音楽を取り入れながら、そこに日本的な要素が加わっている。当時の好調な経済とか、精神面も影響していたんだろう。いいムードがシティ・ポップから伝わってくる。時代や場所にとらわれない音楽もあるけど、(シティ・ポップは)そんな特別な時間と場所から生まれたもの。だから、僕はいつだって惹きつけられるんだ。
ちなみに、マークが選曲したコンピレーションアルバム「Pacific Breeze」の収録曲は、以下の通り。澤部も「とってもマニアック」と感心する。
マークが選ぶ【私の好きなシティ・ポップ5曲】
シティ・ポップの面白さは、音楽で夢を見せてくれるところ。ここじゃないどこかにいるような気持ちにさせてくれる。そういうトロピカルな気分のシティ・ポップが好きだ。終わりのないバケーションみたいな気持ちになれる。
「SPORTS MEN」(1982年)は、全世界的に見ても僕の一番好きな曲のひとつ。ラジオやDJでかけると、必ず「誰の曲?」って質問がくるよ。
<Night Tempo(ナイト・テンポ)が語るシティ・ポップ>
もともと、80年代、90年代のJポップが好きで、そういったものと出会ったのは、(自身の)父が集めていた中にあった中山美穂さんの「CACTH ME」(1987年)という曲で。その流れでいろいろ聴いていたら、昭和のレトロな都会の音楽にハマって。それが、今シティ・ポップと言われる音楽だと知りました。
(日本では)ファンキーバンド系の音楽を、シティ・ポップと言っていますが、実際、海外ではアイドル曲や都会的…都会的といってもあいまいですが、新生ポップ的なものが、ノスタルジアを感じてセンチメンタルになる。そういうのを全部含めてシティ・ポップだと言っています。
ナイト・テンポが選ぶ【私の好きなシティ・ポップ5曲】
シティ・ポップには“あるある”があって、「黄昏」「ベイサイド」「海」「真夜中」という言葉が出てきます。それが全部混ざっている曲が「黄昏のBAY CITY」(1983年)です。そういう雰囲気が、シティ・ポップを聴いている外国人が好きなところだと思います。
この5曲の中で、僕が一番愛情を持っているのは加藤有紀さんの「Twilight Dream」(1983年)です。この曲の歌詞にも「黄昏」がありますし、歌詞の雰囲気、曲調も、声の使い方がほかの曲と違います。声を重ねて攻撃的に感じられるんです。
<林以樂(リン・イーラー)が語るシティ・ポップ>
日本のバンドで初めて好きになったのは、JUDY AND MARY。それから銀杏BOYZを聴きはじめ、NUMBER GIRL、七尾旅人にハマり、彼らのおかげで、一番好きなバンド、フィッシュマンズを知りました。
その時期によく日本に旅行し、日本の良いレコードも多数見つけました。ちょうどそのころ日本で撮影された映画「ロスト・イン・トランスレーション」が台湾で上映され、その中で流れたはっぴいえんどの「風をあつめて」(1971年)という曲を聴いて、そこからシティ・ポップというジャンルに足を踏み入れました。
それから初めて「Big Wave」(1984年)という山下達郎さんのアルバムを聴きました。全曲を英語で歌っているのですが、それまで私は、英語で歌う日本人アーティストをほとんど知りませんでした。
山下さんは発音もきれいですし、歌詞に込められた感情を歌で表現するときの感じには、洋楽を聴くときとは微妙な違いがありました。洋楽のパワーがありながら、日本の音楽らしい美しさがあるのです。
リン・イーラーが選ぶ【私の好きなシティ・ポップ5曲】
間宮貴子は、「LOVE TRIP」(1982年)というアルバム1枚だけしか出していないシンガーです。もし一生で1枚しかアルバムが作れないとしても、こんなに完璧なアルバムを作れるのなら、それでもいいんじゃないかと思います。
<Ikkubaru.(イックバル)が語るシティ・ポップ>
子どものときにラジオからいい音楽が流れてきて。サビの「MERMAID MERMAID(マーメイド)」という部分だけ覚えていました。大学生になって、友だちから、その曲を歌っているのが、山下達郎さんだと聞きました。バンドを始めてからは、インターネットで日本の友だちからいろいろなシティ・ポップを教えてもらって好きになりました。
(日本のシティ・ポップに惹かれるのは)メロディとコード進行から、日本の都会の雰囲気が感じられて、東京や大阪に行きたくなります。
日本のミュージシャンもアメリカやイギリスのミュージシャンにインスパイアされているけど、(そこから)自分たちのスタイルとして発展させていると思います。
イックバルが選ぶ【私の好きなシティ・ポップ5曲】
カルロス・トシキは、安部恭弘と同じくテナーボイスのシンガーで、サウンドがとてもノスタルジックなんだ。リヴァーブ(残響)のサウンドがね。「アクアマリンのままでいて」(1988年)は、僕が大好きな日本のドラマ『抱きしめたい』の主題歌。あの曲が大好きだったから、ドラマを見るときもオープニングは絶対にスキップしなかったよ。
デジタルエコー、リヴァーヴ、トレンディなど、80年代のテイストがノスタルジックな憧れに通じる
番組を通じてたくさんのシティ・ポップに触れた葵は、「『アイリーン』(1984年)もそうですけど、シティ・ポップって言われるものを聴いていて思うのは、透き通った声+色っぽさみたいなものがあって、聴いていて、誰かも言っていましたけど、別空間にいけるような浮遊感を感じました」と振り返った。
4人の選曲リストを見た澤部は、「すごい選曲ですよ。僕も初めて知った曲もありましたし、マークさんが薦(すす)めていた細野晴臣さんの『SPORTS MEN』(1982年)は、シティ・ポップとして聴いたことがなかった。YMOの細野さんなので、テクノ・ポップとして聴いてきていた。『アクアマリンのままでいて』は、どちらかというとトレンディ(ポップス)。自分の中でシティ・ポップ感とトレンディ感は、似てるんだけど、違う部分があったので。『なるほど!』と思ったところもありました」とコメント。
松永は、「(シティ・ポップには)ノスタルジックっていう言葉が海外では重要で、日本人なら昭和30年代といった感じを思いますけど、海外の人からいうと、それは80年代。デジタルエコー、リヴァーブとか、トレンディドラマとか、(現代の)僕らがちょっと恥ずかしい、と感じるようなところが逆にノスタルジックな憧れに通じているところもある。そこはわりと重要なポイントなんですよね」と指摘した。
今回、番組で紹介されたプレイリストは番組公式サイトにも掲載中!
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