アニメ

2020年10月01日 |

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【眼福♡男子】Vol.30糸川耀士郎「自分のスキルを高めて、ゆくゆくは2.5次元界を背負っていける存在に」

10月２日（金）～11日（日）品川プリンスホテルクラブeX／「富豪刑事 Balance:UNLIMITED The STAGE」

めざましmedia編集部

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舞台「富豪刑事 Balance:UNLIMITED The STAGE」が、まもなく開幕する。フジテレビで放送が終了したばかりのアニメ『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』の後をうけ、物語はその先へ――。

そんな注目作で、主人公・神戸大助に扮する糸川耀士郎（いとかわ・ようじろう）。大富豪の御曹司にして、警部。警視庁の窓際部署である「現代犯罪対策本部準備室」（通称・現対本部）に志願して配属されるという異色のキャラクターをどんなふうに演じようと考えているのか、稽古真っ最中の糸川を直撃した。

クールな中に人間くささや可愛らしい一面をあわせ持つ大助を魅力的に演じたい

――神戸大助を演じることが決まった時の心境から聞かせてください。

大助はクールでつかみどころがなく、隙のないキャラクター。僕自身は真逆な性格なので、そんな役を演じることにワクワクしたんですが、その一方でプレッシャーを感じたことも確かです。ここまで突き抜けた役を演じたことがなく、どう役作りしていこうかと悩んでしまって…。

でも、アニメから、大助の人間くさいところや可愛らしい一面が垣間見えたので、そんな魅力を引き継ぎつつ、どんなふうにオリジナリティを出そうかと考えているところです。

――真逆な性格ということですが、共通点はありませんか？

身長を気にしていることぐらいでしょうか（苦笑）。第一印象ってとても大事なので、相手からなめられたくないからこそ、少しでも自分を大きく見せたい。大助の場合は、鈴江（神戸家の血縁であり、捜査の手助けもしてくれる女性）が率先して身長アップを図ってますけど、そんな気持ちは理解できます。

――このインタビューが行われている現在、稽古はまだ序盤とのことですが、手ごたえのほうは？

大助という役は未知数で、稽古場に行くまでかなり不安だったんですが、稽古初日を終えてみたら不思議なぐらい自分の中でしっくりくる部分があって。演出の西田大輔さんはどんなことでもはっきり言ってくださるので、最初はいろいろダメ出しされるだろうなぁと覚悟していたんですけど、「耀士郎、たくましくなったな」と言ってくださって、それからは自信を持って稽古に臨むことができています。

――嬉しい一言ですね。大助を演じるにあたって、西田さんから「こんなふうに演じてほしい」などのアドバイスは…。

印象に残っているのは、「アニメを見て、声優さんのお芝居を研究する姿勢はすごくいいことだと思うけど、どんなにクールなキャラクターだって感情をむき出しにする時はあるし、焦る時もある。声優さんのお芝居を追いかけるのではなく、生身の人間が演じるからこその魅力を出してくれ」というアドバイスで、その言葉は胸に響きましたね。

稽古場にて。稽古中はマスクとフェイスシールドを装着して、しっかりと感染予防対策をしていたのだとか（本人提供写真）

アニメを研究して寄せていくことも大事な作業だと僕は考えていたんですが、西田さんの意見を聞いてから、枠にハマりすぎずに演じるということを意識するようになりました。

――物語の肝はなんといっても大助と、菊池修司さん演じる加藤春のバディぶりですよね。

修司とはつき合いが長いんですけど、お芝居となったらまた別で、関係をゼロから築き上げる作業から始めるんです。今回は加藤が場をかき回す役割で、稽古でも修司が泥くさく加藤を演じてくれているので、安心してその流れにのれています。

大助のように10億円をポンッと出せたら…両親に旅行をプレゼントします

――大助といえば、AI執事のヒュスクがいろいろと力になってサポートしていますが、もし、糸川さんのそばにヒュスクがいたら、どんなことをしてほしいですか？

修司ともその話をしたんですけど、結論として出たのは、ヒュスクみたいに完璧な執事がいたら人としてダメになる、ということでした（苦笑）。

強いてあげるなら、仕事で知らないことやわからないことに直面すると自分なりに調べるんですけど、それでも難しい用語や社会問題が出てきて、そのたびに勉強しなきゃなと実感するんです。そういうことをわかりやすく説明してくれる執事がいたら嬉しいですね。仕事にも活きるし、賢くもなれる。そんなAI執事がほしいです。

――アニメの第1話では大助が10億円で車を買い取るエピソードが出てきました。手元に10億円があった場合の使い道を聞かせてください。

とりあえず大きな家を買いたいです。そして、僕は末っ子でとても自由に育ててもらい、したいことを何でもさせてもらったので、親孝行がしたい。僕が舞台の仕事をするようになってから、両親が僕の舞台を観に行くことを口実に旅行するようになって、2人だけの時間を楽しんでいるので、ゆっくり旅行をさせてあげたいです。

――とても素敵な使い道ですね。一方の加藤は「世の中、金じゃねぇ」が信条ですが、糸川さんが世の中でもっとも大事なものは何だと考えますか？

自粛期間中、仕事が全部なくなってしまう経験をしたんですけど、その間に感じたのは時間の大切さでした。最初はゲームなどをして過ごしていたんですが、次第にもったいないと思うようになっちゃったんですよ。だったら、この期間に差をつけられないかな、何かできることはないかなと考えて、本を読んだり、映画を観たりして、インプットの時間にあてるようにしました。それからは毎日が充実していたので、いい時間になったと思います。

皆さんに再び演劇を観てほしいということが、現在の願いです

――演劇界も徐々に再開し始め、糸川さん自身も久しぶりに舞台に立ちますが、現在の心境は？

演劇界が盛り上がっているところに新型コロナウィルスが蔓延し、すべてがストップしてしまいました。そんな中、俳優だけでなく、スタッフさんも「もう一度、舞台に灯を」と一丸となっています。

現在の願いは、皆さんに再び演劇を観てほしいということ。そして、2.5次元作品はすごく素敵なエンターテインメントなんだということを全国の方に知っていただきたいので、今はこの「富豪刑事 Balunce:UNLIMITED The STAGE」を全力で演じるだけですね。

――それではコーナー名にちなんで、糸川さんの眼福な存在は？

サッカーとバスケットボールをやっていたので、スポーツ中継を観ることが大好きなんですが、コロナ禍でプロリーグが中断してしまって…。最近、プロリーグが再開したことで、僕のプライベート時間も再び充実してきました。スポーツを見ている時間は眼福であり、至福の時です。

――特に注目している競技や選手はいますか？

NBAの八村塁選手です。僕は八村選手が高校1年生の時から動画サイトなどで見て、注目していたんですが、八村選手は日本人で初めてドラフトの指名をうけ、さらに、プロになってからも活躍している。ずっと見ていたい選手です。

――若い世代が海の向こうで頑張っていることは、励みになりますよね。今後の展望を聞かせてください。

お芝居が大好きで歌も大好きなので、ミュージカルに興味がありますし、声優さんの職人的なお仕事にも惹かれます。まずは自分のスキルを高めて、ゆくゆくは大好きな2.5次元作品を背負っていける存在になりたいです。

――ミュージカルに興味があるんですか？

ごまかしのきかない世界だと思うので、自分はどこまで通用するのか、試してみたいという気持ちがあります。

――感銘を受けた作品があれば教えてください。

劇団四季の「アラジン」を初めて観た時は衝撃を受けました。そんな「アラジン」も原作があり、舞台上で生身の人間が演じるという意味では、2.5次元作品と同じベクトルにいると思うんです。

観劇前、劇団四季さんがこんなにも長く愛され、評価され続けている理由はどこにあるんだろうと考えていたんですが、実際、自分の目で見たら、役者の皆さんが命を懸けてお芝居をし、伝統を守り続けようという情熱みたいなものがダイレクトに伝わってきて。そして、非現実的なものが目の前で起きていることに、エンターテインメントの真髄を感じました。

そんな意識を2.5次元の世界でもベテラン、若手関係なく、プライドをもって仕事をしたら、さらに多くの方に2.5次元のよさを理解してもらえるんじゃないかと思いました。

――最後に、公演を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。

「富豪刑事 Balance:UNLIMITED The STAGE」は神戸家の財力を駆使した捜査や、AIやテクノロジーで犯人を追い詰めるという、新しさをもった刑事モノだと思うんですけど、演出面でも要所要所で西田さん特有の演出がさく裂していて、派手なアクションシーンや遊び心のあるシーンなど、すべてにおいてオシャレな世界観となっています。

久しぶりに舞台上で演じる作品で、僕たちも気合が入っていますし、この自粛期間を経て、一つ上に突き抜けたものがお見せできるのではないかと。アニメを見ていた方にも、演劇ファンの方にも楽しんでいただける内容になっていますので、ぜひ劇場にお越しください。お待ちしています！