角川春樹監督 生涯最後の監督作「みをつくし料理帖」が上映に「夕べは眠れなかった」

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9月17日（木）、映画「みをつくし料理帖」（10月16日公開）の完成披露試写会が行われ、主演の松本穂香、奈緒、若村麻由美、窪塚洋介、小関裕太、藤井隆、石坂浩二、中村獅童、角川春樹監督が登壇した。

本作は、髙田郁による時代小説でベストセラーとして知られる「みをつくし料理帖」の劇場版映画。これまでに数々の名作、大ヒット作を世に送り出してきた革命的プロデューサーである角川が、78歳で生涯最後にメガホンを執る作品として選んだものだ。

角川監督は、全10巻と特別編という長大な原作の中から、第3巻までのストーリーをメインに抽出し、登場する料理同様に真心のこもった人間ドラマを紡ぎあげた。2019年8月にクランクイン。栃木県にある江戸ワンダーランド日光江戸村および都内スタジオを使用して、21日にわたる丁寧かつ贅沢な撮影を敢行した。

角川は、「この映画をまさか自分が監督するとは思っていませんでした。今まで73本の作品に関わってきたのですが、よく映画界ではスタッフ、キャストが一丸となって映画を作りましたと言いますが、あれ嘘ですから。でも、この映画に関しては、私初めて、スタッフとキャストが120％を現場で発揮してくれました」と明かした。

続けて「今まで映画に関して迷いを持ったことがないのですが、初めて（夕べ）午前1時半から眠れなくて寝不足のままで今日を迎えました。そういう気持ちにさせる現場だったなと。1年前に撮影が終わってから（公開まで）かかっているのですが、この映画に関してずっと尾を引いています。本当にありがとうございました」と感謝を述べた。

松本は、「監督は毎日現場で『今日のお芝居すごくよかったよ』ですとか、特に、奈緒さんと私には、撮影前から『女性陣はほめて伸ばす』とおっしゃっていて、『男性には厳しくいくから』と宣言されていたのでほめてくださっても、それがよぎる」と会場を笑わせた。

最後に松本は、「撮影の時のことをいろいろと思い出しながら、今日、完成披露試写会でみなさんの前に立っていることが、すごくありがたく幸せなことなんだなと思いました。大切な人と映画館で見ていただけたらすごくうれしいです」と締めくくった。

時代は享和二年の大坂。暮らし向きは違えども8歳の澪（松本）と野江（奈緒）は、まるで姉妹のように仲の良い幼なじみだった。「何があってもずっと一緒や」。しかしそんな二人が暮らす大坂を大洪水が襲い、澪と野江は生き別れてしまう。

それから10年後。大洪水で両親を亡くした澪は引き取られ、江戸の神田にある蕎麦処「つる家」で女料理人に。野江は吉原にある遊郭に買い受けられ、幻の花魁・あさひ太夫と名乗っていた。澪が苦心して生み出した料理が、別々の人生を歩む2人を再び引き寄せていく。

©2020 映画「みをつくし料理帖」製作委員会

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