陶山恵実里 「アニメって性別も日常世界も超えられる」声優を目指して変わった“消極的”だった自分【声優FILE.】
「アイカツフレンズ!」の白百合さくら役、「織田シナモン信長」のトモ役など人気アニメの主要キャラクターを演じ、2022年にはフジテレビ系の深夜アニメ「+Ultra」枠で放送予定の「平家物語」にも出演することで注目の陶山恵実里(すやま・えみり)が、初めて劇場アニメ作品に出演する。
出演作のことはもちろん、“声優”について語ってもらうフジテレビュー!!の連載企画「声優FILE.」第7回は、現在公開中のアニメーション映画「フラ・フラダンス」で新人フラガール・白沢しおんの声を担当している陶山が登場。
「フラ・フラダンス」は、福島県にあるスパリゾートハワイアンズのダンシングチーム(通称:フラガール)の新入社員・日羽(福原遥)たちが、不安や挫折を同期5人で乗り越え、ダンサーとして成長していく青春物語。
本作が初めての劇場作品への出演だという陶山。劇中の新人フラガールたちと同様、不安を抱えながらも挑んだ作品への思いのほか、声優を目指したきっかけなどを語ってもらった。
劇場作品へ初めての参加で緊張!
──まずは、しおん役で「フラ・フラダンス」への出演が決まったときの心境を聞かせてください。
この作品は、5人の女の子が中心のお話なのですが、資料をいただいた際に、しおんが一番自分に近いと感じていたので、「しおんを演じたい」と思っていたんです。だから、決まったと聞いたときは本当にうれしくてワクワクしました。
でも、初めて劇場アニメに携わらせていただくので、プレッシャーが少しあったり、自分にできるかなという不安もあったり。うれしさとともに、すでに緊張してしまっていましたね。
──その緊張はいつ払しょくされましたか?
収録が始まった当初も、役を掴むまで緊張していましたが、水島精二監督や音響監督のご指導をいただき、物語が進むにつれてほぐれていきました。しおんも、最初に登場したときはすごく緊張しているのですが、フラガールとしてみんなと過ごす中で、どんどん心を許していくんです。その流れと共に私も自分が解放されていくような感覚がありました。
──しおんとの共通点は、具体的にはどのような部分でしょうか?
もう本当に全部です(笑)。彼女は、笑顔が苦手で、人前で話すことが苦手なのですが、私も苦手で。普通にお話している中で笑うことはできるのですが、カメラを向けられて「笑って」と言われると、うまく笑えないんです。自分の笑顔があまり好きじゃないということもあるのですが、どういう顔をしたらいいのか分からなくなっちゃうんですよね。実は今も、かなり緊張してアップアップしながらお話しています(笑)。
新入社員のしおんが、ハワイアンズの社員の皆さんの前で挨拶をするシーンがあって、そこで皆さんの顔が迫ってくるような描写があるのですが、緊張していると私も同じように見えるんです。人に圧迫されるというか、目線の圧に押されるというか。それで息が上がっちゃうという感覚。「やめて!」みたいな感じになるのが、本当に私もわかる。出会ってきた役の中でも、かなりこの子は自分と近しい存在だなと思いました。
──そんなしおんの魅力はどんなところにありますか?
彼女は、ダンスが美しいですし、苦手なことを克服しようとひたむきに努力するところでしょうか。夜中に1人で鏡に向かって笑顔を練習するシーンがあるのですが、きっと笑顔だけじゃなくてダンスも人知れずたくさん練習しているんだろうな、と。「やりたい」と思ったことには真摯に向き合えるところが素晴らしいなと思います。
笑顔が苦手なしおんが自然に見せる笑顔に「グッときた」
──出演が発表された際に「ずっと行ってみたかったハワイアンズに関わることができてうれしかった」とコメントしていましたね。
子どもの頃、ハワイアンズやディズニーランドなどのテーマパークに周囲の友だちがよく行っていて。私はあまり行ったことがなかったので、憧れていたのですが、今まで行く機会がなくて。そういう場所を描いた作品に、実際の場所へ行く前に携わらせていただけることは、すごくうれしいです。
──また、作品の絵もリアルで、いわきやハワイアンズの雰囲気を味わえるんですよね。
そうですね。イラストは、いわきの街を見に行って描かれたそうで、本当にリアルだと思います。映画の中でステキな景色もたくさん見ることができるので、ハワイアンズだけではなくて、いわきの街にも実際に行ってみたくなりました。
──作品の中で、特に印象に残っているシーンはありますか?
笑顔が苦手なしおんが、自然と笑えるようになる瞬間があるのですが、その笑顔がすごくかわいくて。努力して、そして周囲の影響で笑えるようになった、というその状況が…グッときましたね。
──では、映画の見どころをお聞かせください。
この映画は、悩みや困難に対しチームで力を合わせて乗り越えていく女の子たちの絆と成長の物語です。チームという存在や、人を思うことの大切さが込められています。今何かを抱えている方にとって、そっと背中を押せるような作品になっていると思いますので、ぜひご覧ください。
声優の魅力は、性別も超えられること
──陶山さんは、本格的に声優を始めて3年ほどですが、もともと声優になろうと思ったきっかけは?
幼少期から自分に自信がなく、ずっと「自分ではない何かになりたい」という意識を強く持っていたんです。その頃から演じることが好きで、“ごっこ遊び”を良くやっていました。声優や役者はその延長線上にあるのかなと思うんです。中学生ぐらいになってからアニメにハマって、深夜アニメを見るようになってから、声優の世界に憧れるようになりました。
自分自身の体を使うお芝居ももちろん素晴らしいのですが、アニメって性別も超えられるんです。男の子の役を演じられて、SFという日常じゃ経験できないことも演じることができる。そういう面にすごく魅力を感じて、目指すようになりました。
──目指すと決めてからは、どんなことをしましたか?
養成所に通って、みっちりと勉強したり、ボイトレのレッスンに通ったりしていました。あとは、今の事務所に入る前には、虹のコンキスタドールという、声優、イラストレーター、コスプレイヤーになりたいという人たちを育成するアイドルグループに所属していました。
そのグループのオーディションを受けたのも中学2年生でしたし、「声優になりたい」と思い始めてからすぐに、積極的に行動していたと思います。
そうやって積極的になれたのは…実は私、中学生の頃、環境が合わず、あまり学校に通えていなくて、1人の世界にこもっていることが多かったんです。だからこそ、オーディションを受けてアイドルになったとしても、周りから何か言われることはないだろうと思って挑戦ができたんですよね。きっと、学校に行っていたら、私の性格からすると周囲の目を気にしてしまって、こんなに積極的に行動をとることができなかったと思います。
もちろん学校は通わなければいけないとは思いますが、でも、私が進んできた道も間違っていないなと、今お仕事をさせていただく中ですごく感じています。
──覚悟を持って始められた声優の仕事だと思いますが、仕事をする上で大切にしていることはありますか?
当たり前かもしれませんが、現場で言われたことに対して、臨機応変に対応できるようにすることですね。こだわりを持つことも大切だとは思うのですが、私はまだ成長しなければいけない時期なので、まだ変なこだわりは持たないように。もちろん、役に関する自分の考えはちゃんと持っては行きます。ただ、監督さんに「違う」と言われたら、パッと自分の考えは捨てて、すべての意見に耳を傾けて、吸収できるように意識してお仕事をしています。
【コラム:最近、気になる“声優さん”】
私が声優として刺激を受けた作品の一つが「新世紀エヴァンゲリオン」なので、エヴァに出演されている方々は皆さんとても尊敬しています。その中でも、緒方恵美さんと坂本真綾さんはずっと私の憧れの存在です。坂本さんは、私が初めて見た深夜アニメの『黒執事』でシエル・ファントムハイヴ役を演じていらして、気付けば自分のターニングポイントとなる作品に出演されていることが多いんですよね。坂本さんのお芝居が大好きで、歌もよく聴かせていただいています。
<陶山恵実里に一問一答!>
アニメーション映画「フラ・フラダンス」は、現在公開中。
最新情報は、アニメーション映画「フラ・フラダンス」公式サイトまで。
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