YOASOBI×直木賞コラボの秘密「結成当初から構想」【めざまし未公開インタビュー】

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小説を音楽にするユニットYOASOBIが4人の直木賞作家とのコラボ企画第1弾を発表！島本理生さんが書いた「私だけの所有者」を原作とした新曲「ミスター」の配信が、2月16日にスタートしました。

“はじめて人を好きになったときに読む物語”と銘打った小説をYOASOBIはどのように音楽にしたのでしょうか。

『めざましテレビ』が単独インタビューを行い、「ミスター」の制作秘話から、Ayaseさんとikuraさんの“はじめて”まで聞いちゃいました！未公開部分も含め、前編と後編の2回に渡ってお届けします。

＜THE FIRST TAKE前夜「実は大泣きした」【めざまし未公開インタビュー：後編】＞

――（永尾亜子アナウンサー）4人の直木賞作家とのコラボレーション企画が始まりましたが、どのような経緯で実現したのですか。

Ayase：YOASOBIが「小説を音楽にする」というコンセプトで始まったところから、いつかはプロの作家さんたちと大きなことができたらと、結成当初から構想はしていて、実際に今回4名の作家さんにご協力いただいて実現に至りました。すごいことをさせていただいています。

ikura：決まった時は本当に嬉しかったですし、かなり前の段階から時間をかけてやってきた企画なので、「ついに実現する！」という気持ちと、やっと皆さんにお届けできるんだなと実感しています。

――これまでと今回で違う点はありますか？

Ayase：違う点というのは特になくて、小説を原作に音楽を作るというところと、自分たちが1番かっこいいと思える音楽を突き詰めるというところは、どの人が書いた物であっても変わらないです。モチベーションは変わらず楽しく制作させていただきました。

――作品を読んだときの感想はいかがでしたか？

Ayase：もう拍手ですよね。本当に一人で読んで拍手しました！4作品を読みましたが、全作品終わる度に「素晴らしい！」と感動していました。

ikura：どの作品も素晴らしく、作家さんの色が出ていて、楽しく読ませていただき感動しました。

――今回の作品をどんな人に聞いて欲しいですか？

Ayase：もう国民全員に聴いて欲しいですね。世界中の人にも届いて欲しいですが、欲を言えば小説の原作と合わせて楽しんで欲しいというのが強いです。

――なるほど。感じ方も変わりそうですね。小説と音楽、どちらからがおすすめですか？

Ayase：どちらでもgoodです！もちろん楽曲を先に聴いて、小説はどんな話か紐解いていくように読むのも面白いですし、小説を読んでからこれが音になったらどんな風になるのかワクワクしながら聴いてもらうのもいいと思います。

ikura ：とにかく順番に関わらず、どちらも楽しんでほしいよね！

Ayase：交互に照らし合わせながら楽しんでもらえるのがいいかなと思いますね。

――第1弾として島本さんの本を原作にした「ミスター」が発表されましたがどんな曲になっていますか？

Ayase：小説のネタバレを話さないように言うと、“はじめて人を好きになったときに読む物語”というテーマで書かれていて、僕自身そのテーマと、タイトルの「私だけの所有者」を見て「恋愛の小説かな？」と思いました。どういう風にして人を好きになって・・・と恋模様が描かれる小説なんだろうと思って読み進めると、「まさかまさか！そんなお話なのね！」と驚くことの方が多かったです。この小説をもって“はじめて人を好きになったときに読む物語”と表現するところが、島本先生さすがです！と思いました。

実際に楽曲を前情報なしで聴いた場合と、小説を読んだ時とで、見え方が180度変わると思います。その上で何度も聴いてもらうと、より世界観が立体的になっていって、1つの物語として小説も音楽も含めて“はじめて人を好きになったときに読む物語”として完結するような曲になっています！

――私も小説を読んでこの曲を聴きましたが、これまた意外な曲だなと感じました。想像ではしっとりとした曲なのかなと。意識したことはありましたか？

Ayase：あえて何かをしたと言うよりは、僕が小説を読んだ上でパッとイメージした音の感じを表現しました。小説の原作の世界観が、僕の中では少し色があせているような空気感だったり、舞台となっている世界が少し近未来だったりと、新しい物と古い物が入り交じっているような空気感を感じました。今回は80年代、90年代のシティポップっぽい空気も曲の中に入っていますが、同時に自分たちがかっこいいと思う最先端な音選びや、シンプルに楽しいと思える音選びをぐっと混ぜて詰め込んだ結果として、新しい物と古い物が混ざり、どこか懐かしいけれども聴いたことがないような感覚に落とし込みました。

――ikuraさんはこの曲を作る上で初めて挑戦したことはありますか？

ikura：YOASOBIの楽曲は毎回新しい挑戦ばかりで、作品によって全く世界観が違うので、声色からニュアンスから音の乗り方から、全部をこだわってAyaseさんとすり合わせながら作り上げたので、そこを注目してもらいたいですね。

――コラボをする上で4人の作家の皆さんと話したことはありましたか？

Ayase：一切なく、お会いしたのも楽曲ができあがってからでした。コンタクトゼロの状態で制作をしました。

――それは難しくはないのでしょうか？

Ayase：これまでも同様で、YOASOBIは曲を作る上で原作者の方とお話することはしていないので、今回も同様にという感じでした。

――完成後、お会いしてどんな話をされましたか？

Ayase：対談で初めてお会いしましたが、島本先生にはまず「小説、原作が本当に素晴らしいものでした」とお伝えさせていただいて、その上で「誠心誠意、楽曲を作らせていただきました」とお話しました。島本先生は「自分の書いた小説がこんな風に音楽になるなんて」とすごく喜んで下さったので、そこは本当にほっとした部分で、終始和気あいあいとおしゃべりをしました。

――ikuraさんはどんなお話をしましたか？

ikura：楽曲のこの部分がすごく好きだったとか、音の話から歌詞の話までたくさんしていただいて、初めてお会いして対談させていただく中での新しい発見も多くありました。私たちも楽曲ができるまでご本人とお話することがないので、自分たちの予測と照らし合わせたり、「そういうお考えでここの描写はされていたんですね」と感じたり、作品自体をより深く自分の中で知ることができた対談でした。

4人の直木賞作家との新たな挑戦の裏側を語ってくれたYOASOBIのAyaseさんとikuraさん。後編では、“はじめて人を好きになったときに読む物語”にちなんだことをお話してもらいました。