フジテレビが、映像情報メディア学会・技術振興賞をW受賞しました。
4月27日(水)、一般社団法人・映像情報メディア学会の理事会が開かれ、「2021年度(第49回)映像情報メディア学会・技術振興賞」受賞技術が決定。
フジテレビが進歩開発賞(現場運用部門)とコンテンツ技術賞の2部門を同時受賞しました。フジテレビがコンテンツ技術賞を受賞するのは、4年連続となります。
災害情報カメラ収録システム「TOREZO」
進歩開発賞(現場運用部門)を受賞したのは、“災害情報カメラ収録システム「TOREZO」の開発~日本全国に広がる情報カメラ映像の自動送出を実現~”。
フジテレビ系列の28局で構成されるFNN(フジニュースネットワーク)が全国で所有する200以上の情報カメラは、台風や大雪、地震などの際に、無人でその様子を撮影できる重要な取材手段です。
これまでは、地震発生時に情報カメラによって撮影された揺れ映像は、系列各局が収録したものを光回線や衛星回線を使ってフジテレビに伝送し現地映像として使用していました。
この方式では系列局によってシステムが異なることもあり、放送するまでに多くの作業が必要。また、被災によって伝送が困難になる可能性もありました。
「TOREZO」では、全国の情報カメラの映像を、系列局ごとに収録するだけでなく、フジテレビのサーバーと災害に強いクラウド上にも一括収録。
さらに地震発生時には、揺れ始めの時間を3秒以内という高精度な揺れ予測により自動計算、切り出し作業も完全自動化しました。
これにより、地震の揺れ映像を迅速に放送することが可能に。同時に、全系列局の情報カメラ映像をひとつのシステムに集約したことで、系列局間の素材伝送も必要がなくなり、ローカル放送の地震報道でも迅速化を実現しました。
これらキー局だけでなく、系列局も含めた災害報道の迅速化に寄与したことが高く評価され、今回の受賞となりました。
AI画像解析アプリ「メタロウ」
コンテンツ技術賞を受賞したのは、“AI画像解析アプリ「メタロウ」の開発~コンテンツの価値向上を目指して~”。
フジテレビに限らず、多くの映像コンテンツを所有しているテレビ局などでは、映像コンテンツの詳細な分析や二次利用の促進のために、正確で豊富な関連情報(メタデータ)の整備が求められています。
これまでは、人が映像を見てメタデータを収集するなどアナログな手法が用いられていたため、多大な時間と労力がかかるうえ、人的ミスで間違ったメタデータが付与されてしまう課題もありました。
「メタロウ」では、自社で作成した人物辞書を利用して、AIが映像に映っている人物の名前をリアルタイムに推定。
人物名の確認作業を、人の目に加えて「メタロウ」でも実施することで、これらの課題解決につながっています。
「メタロウ」は、すでにフジテレビの電子写真システムに導入され、メタデータの信頼性向上や収集作業効率化を実現したほか、FNN選挙特番では、候補者など人物名の確認作業を支援することでコンテンツの信頼性確保にも寄与しました。
これらの実績が高く評価され、今回の受賞となりました。
映像情報メディア学会・技術振興賞 フジテレビ受賞歴(2018年度以降)
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