『やんごとなき一族』第6話完全版
深山佐都(土屋太鳳)と健太(松下洸平)は、圭一(石橋凌)が強引に進めた末っ子・有沙(馬場ふみか)の縁談話を止めようとしたが失敗。そんな佐都に、義母・久美(木村多江)は「深山家を変えてほしい」と望みを託す。
<ドラマ『やんごとなき一族』これまでのあらすじ完全版>
ところが、あれだけ香川友貴(森田甘路)との結婚を嫌がっていた有沙は、香川を気に入り、早々に婚約してしまう。
圭一から、2人の結婚準備を託された明人(尾上松也)と美保子(松本若菜)の夫婦は、婚約祝いの席を設けることにする。美保子は、それをお茶会にしようと、佐都と久美に提案。久美が了承すると、美保子は佐都に雑用を押し付けた。
3人の話を聞いた祖母・八寿子(倍賞美津子)は、佐都にお手前で客をもてなすよう厳命。佐都は、美保子の雑用と茶道の稽古に忙殺される。
そんな時、佐都と健太は、佐都の母・良恵(石野真子)に呼び出される。佐都の実家「まんぷく屋」が軒を連ねる商店街の目と鼻の先にある深山グループの土地に、ショッピングセンター誘致の話が持ち上がったのだ。
自分たちへの嫌がらせだと圭一に詰め寄った健太を、圭一は「会社の利益を考えて判断しろ」と叱咤。健太が「ショッピングセンターより利益が上がる企画を考える」と反論すると、圭一は企画提出の期限を告げるが、その日は有沙の婚約祝いの日と重なっていた。
健太は、ショッピングセンターの件は自分に任せて、佐都はお茶会に集中するよう促した。
ショッピングセンター誘致の代替案として、取り壊されようとしている団地のリノベーションを考えるがなかなか上手く運ばない健太を、明人が呼び出した。
健太が行くと、そこには圭一の姿も。すると、明人はこれ見よがしに圭一のショッピングセンター誘致計画を称賛。健太が異を唱えるが、明人は圭一の考えは絶対だと譲らない。
明人の豹変に戸惑う健太。明人は、幼い頃から自分より自由に生きる健太に嫉妬していたのだ。深山家を継ぐものとして圭一に厳格に育てられた明人は、今さら健太に家督を継がせるわけにはいかないと、ついにその本性を現した。
一方、お手前を学び、久美のお墨付きを得た佐都は、久しぶりに「まんぷく屋」に帰る。だが、いつも常連だけでも満席になるような時間なのに、客が誰もいない。良恵によると、深山と親戚関係があるために、商店街の面々に敬遠されているという。
そんなところに、源さん(寺門ジモン)とロクさん(肥後克広)がショッピングセンター建設反対の住民署名を持って現れる。佐都は署名を預かるが…。
佐都が署名を渡そうとすると、健太はあの土地へのショッピングセンター建設に住民の同意は必要ないと言う。がっかりする佐都だが、別の方法を思いつく。
それは、誘致予定のショッピングセンター「ジーオス」に直接署名を送りつけることだった。
お茶会の日。誘致予定の土地に温泉が沸くことを知った健太は、代替案として温泉施設誘致を圭一に提案。だが、圭一はすでに商店街の住民たちと契約を結ぼうとしていた。
健太は佐都にお茶会を任せ、今まさに契約を結ぼうとする商店街の人々の元へと急ぐ。
お茶会には多くの客が招かれていた。佐都が挨拶していると、良恵が姿を見せる。女性は皆、着物で来ているが良恵は平服。実は、良恵を呼んだのは美保子で、母親をお茶会で笑い者にすることで佐都をおとしめる魂胆だったのだ。
美保子は良恵をかばうように着替えさせ、お茶会の席に座らせるが、そこは主席。お茶の作法など知らない良恵を心配する佐都。しかし、自分を見つめる八寿子に気を取り直した佐都は、お手前を始める。
隣席の客に作法を聞きながらも、客たちの失笑を浴びてしまう良恵。そしていよいよ、佐都が淹れたお茶を飲む場面。すると、なぜか良恵は作法通りにこなしてみせた。良恵は主席の意味を「まんぷく屋」の接客に重ねることで窮地を脱したのだ。美保子の企みは崩れ去った。
一方、健太は商店街の人々が契約を結ぼうとしている場所にようやく辿り着く。深山側は、商店街の店をショッピングセンターのテナントとして受け入れるという甘い罠を仕掛けていた。
署名しようとしていた源さん、ロクさんを健太が寸前で止め、受け入れ条件が尋常ではないことを教える。こうして、健太は商店街の人々を守った。
家に帰る良恵を佐都と久美が見送ろうとしていると、健太が帰宅。朗報を伝える健太に良恵は礼を言う。
そこに、八寿子が現れた。作法を知らなかった非礼を詫びる良恵に、八寿子は「形だけ正しくても意味はなく、大切なのは相手を思う心だ」と告げる。また、八寿子は佐都のお手前を褒めて去った。
すると、久美は深山家で佐都の気持ちを一番理解しているのは八寿子ではないかと言う。八寿子も深山家に嫁いだ当初はしきたりや作法に翻弄されたが、努力して女当主となっていたのだ。
その頃、リビングでは香川家の面々と圭一、明人、美保子、有沙がくつろいでいた。
点数を稼ごうとする美保子が、お茶会に供したお菓子は実家の「万屋寿庵」のものだと言うと、有沙の夫となる香川の母・和枝(ふせえり)の顔色が変わる。
和枝は「万屋寿庵」の先代女将と知り合いだった。だが、女将はホステスだった夫の愛人に女将の座を奪われていて、その愛人の娘が美保子だと発覚してしまったのだ。
「そんな女性と一緒に過ごせない」と香川家の面々は引き払ってしまう。寝耳の水の圭一が、明人にわけを尋ねる。すると、明人は「過去のことだ」と口走ってしまった。明人も事情を知っていたことに、圭一は激怒。そして、圭一は明人と美保子に「二度と自分の前に顔を見せるな」と吐き捨てた。
健太は、明人を思いやろうとするが、はねつけられてしまう。一層深くなる兄弟の溝。明人は、美保子を愛するあまり、結婚前から圭一に彼女の素性を隠していたのだ。明人は美保子を労ろうとするが、逆効果に。
健太と明人兄弟のわだかまりが頂点に達した今、佐都の思いは…。