『やんごとなき一族』第9話完全版

深山佐都(土屋太鳳)と健太(松下洸平)は、立花泉(佐々木希)を利用して2人の仲を引き裂こうとした圭一(石橋凌)の策略をかわす。

<ドラマ『やんごとなき一族』これまでのあらすじ完全版>

そんなとき、圭一の妹・春菜(キムラ緑子)が深山家にやってくる。春菜は毎年決まった時期に深山家にやってきて、滞在中は美保子(松本若菜)と過ごすのが恒例だった。

しかし、妊娠を表明したばかりの美保子を外出させられないと、安定期に入った佐都が相手をすることになる。

佐都は春菜に、アイドルのヤマト(内藤秀一郎)が出演する舞台に連れて行かれる。春菜はヤマトの熱烈な追っかけをしていたのだ。

2人が屋敷に帰ると圭一は春菜を叱責。「これ以上、無駄金を融通する気はない」と吐き捨てる。そして、佐都には子どもの性別が判明したらすぐに報告するよう命令する。

同じ頃、健太も参加する深山グループの役員会議に明人(尾上松也)がリモートで出席。そこで明人は、休養の礼と自身が奔走するビッグプロジェクトについて述べる。

一方、美保子はそのことをつゆ知らず、一向に家に戻らない明人に焦燥感を募らせていた。

そんな中、春菜はヤマトを深山邸での食事に招待する。給仕に呼ばれた佐都の妊娠を知ったヤマトが子どもの性別を尋ねると、なぜか春菜が取り乱した。春菜は「子どもが男の子でなければ悲劇だ」と言う。佐都は、なぜ深山家の人たちがそこまで男の子の誕生を望んでいるかがわからない。

そんな佐都に義母・久美(木村多江)は、「男の子でなければ家が潰れてしまうから」と教える。だからこそ、深山家に嫁いだ女性には男子を産む務めが課せられると久美は続けた。

改めて深山家で子どもを産むことの意味を知ってたじろぐ佐都に、健太は「息子でも娘でも、自分たちの大切な子どもであることは変わりない」と勇気づけた。

そんな時、圭一が久美に所蔵庫から骨董品を出すよう命令する。末娘・有沙(馬場ふみか)が嫁いだ香川家のつてで、国交相の今井事務次官(近江谷太朗)が見に来ることになったと言うのだ。

圭一は滞在中の春菜に、「年増の独身がいると知れるのはバツが悪い」と、来客中は顔を出すなと言い渡す。

さっそく、久美や佐都は骨董品を出すが、今井事務次官が目当てにしている花瓶がない。皆が荒てる中、佐都は春菜の様子がおかしいことに気づき…。

佐都は、心当たりのある骨董品店を健太と訪ねた。すると、やはり春菜が花瓶を売っていたことが判明する。春菜は、ヤマトに高級時計をプレゼントするための資金として、花瓶を売ってしまったのだ。

店員は現金での引き渡しを要求するが、高額なため圭一にバレてしまうと久美も困惑。健太は、春菜に時計を返してもらい現金化するしかないと言う。

佐都と健太が会いに行くと、ヤマトは素直に時計を返却。話を聞いた春菜は「幻滅された」と嘆くが、実は違っていた。

ヤマトは、デビュー当時から支えてくれていた春菜に感謝をしていて、「プレゼントではなく、ずっと変わらずに応援してくれていたらいい」と佐都たちに伝えていたのだ。

春菜は、「ヤマトが自分の存在理由を証明してくれた」と佐都たちに話しだす。深山家に女性として生まれたことでアイデンティティを失いかけた春菜にとって、ヤマトは唯一の救いだった。

佐都は、女性や人の価値は嫁ぐことや親になることだけではないと語る。久美も春菜が生ける花は大好きだと言い、今井来訪時の花をお願いしたいと言った。

一方、明人を探していた美保子にようやく本人から連絡が入る。指定された場所に向かった美保子は、明人から電話でその場に貼ってある封筒を見るよう促される。

美保子が封筒を開けると、中には明人の署名入りの離婚届が入っていた。美保子は離れた場所にいた明人を見つけ出して怒るが、逃げられてしまう。

国交相の今井事務次官が来訪する予定の日。佐都と健太は病院で子どもの性別を知らされる。2人は深山家に戻ると、春菜が骨董品の花瓶に生けた花を見た圭一は「価値が下がる」と激怒。

ところが、そこへ来訪した今井事務次官は花が生けられた花瓶を見て感嘆する。

高価な花瓶に花を生けてしまう深山家の度量を褒める今井事務次官は、「花を生けたのは、さぞかし高名な華道家だろう」とまで言う。そんな今井事務次官に、久美は花を生けたのは春菜だと紹介した。

今井事務次官が帰ると、一緒に来ていた香川広明(春海四方)と和枝(ふせえり)、有沙は佐都たちとともにホッと一息。そこで、和枝は佐都に「男の子を宿す方法を有沙に教えてほしい」と言い出した。

まだ赤ちゃんの性別を知らない圭一や久美は期待するが、佐都は女の子だと言う。バツが悪くなった香川夫婦は帰ってしまった。

がっかりする圭一に健太はあらがう。だが、圭一は「深山家に必要なのは男だけだ」と譲らない。すると、佐都も圭一に「どんな性別でも、生まれてきてくれるだけで十分価値がある」と言い放った。

滞在期間を終えた春菜が深山家から去る日が来た。

佐都と健太に2人をイメージして作ったとブーケをプレゼントする春菜。近々、今井事務次官の希望で個展を開くことも決まっていた。

そうして春菜を送り出した佐都と健太のもとに、松子(柴田理恵)たちも別れを告げに来る。生まれくる子どもが女の子と知った圭一が、彼女たちに暇を出したのだ。

憤る佐都を制した松子は、「どんなことがあっても心を強く持ち、子どもと一緒に幸せに暮らしてほしい」と言って去って行った。

佐都の出産予定日が近づいてきたある日、圭一は美保子を呼び出す。

佐都は久美から話を聞いて母家へと行くが、健太は明人から別の場所に呼び出されていた。

圭一に状況を問われた美保子は順調だと答える。すると、圭一は「大ボラ吹きの女狐」と美保子を罵った。病院などに聞いた圭一は、美保子の妊娠がウソだと見破っていたのだ。

圭一の美保子への罵りと蔑みは爆発し、ついに「母親のもとへでも帰れ」と言い放つ。その時、美保子はテーブルに置かれたナイフを見つけて、とっさに手を伸ばした。佐都は美保子の手首を握って抑えるが、急に産気づいてしまう。

その頃、健太は明人と会っていた。久しぶりに会う明人は、車椅子に座っていた。一体、明人に何があったのか…。

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