ダンス&ボーカルグループの超特急が、ファンクラブツアー『Toooooo 8』のファイナルとなる東京公演を2月21、22、23日の3日間にわたりZepp Tokyoで開催した。
毎年恒例となっているファンクラブツアーも4年連続4度目となり、今年は全国6都市10公演で2万枚のチケットが即日完売。
また、2月20日には、昨年6月より療養のため活動を休止していたユースケが2月いっぱいをもってグループを脱退することも告知され、これが6人組としては最後の公演となった。
奇しくも今ツアーのテーマは“愛”。会場を埋め尽くした8号車(※超特急ファンの呼称)と濃密で濃厚な愛の交換を交わしながら、ユースケへの愛も刻み付けて、超特急は新たな道への一歩を踏み出した。
今年は昨今のワンマンでも総合演出を務めたユーキが全面的に指揮を担当。純粋なライブパフォーマンスで魅せることで、彼ら自身が持つ“リアルなグループ力”を証明した。
「Fashion」では、ボーカル・タカシの透き通るようなファルセットに、客席は息を呑んで釘付けに。コミカルなアクションが印象的な「SAY NO」では「手上げろ!声上げろ!」と煽るカイの声に熱が籠もり、タカシは「お前ら、男を上げろや!」と自らに言い聞かせるように歌詞を歌い替えた。タクヤは「お前ら、最高の笑顔見せてくれ!」と告げキャラをかなぐり捨てて強烈な変顔で笑わせた。
ここでリーダーであるリョウガの口から、ユースケの脱退を改めて報告。最終日には「このたびは8号車の皆さまを驚かせてしまい、辛い想いをさせてしまったこと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。本日のライブが正真正銘6人と8号車で行う最後のライブということで、僕たちとしてはユースケを笑顔で送り出してあげたいと思っております」と伝えながらも、「涙は公式グッズのタオルで拭いてもらえれば……」などと随所に笑える発言を盛り込んで、湿っぽい空気を吹き飛ばした。
自己紹介では、ユースケ代わりに差し出された黄色のクマのぬいぐるみが抱えるスティックパンを5人で食べるという場面も。ユーキが「ユースケ、いつも食べてたから、これ」と話せば、タカシも「プレーンが好きだよね。ピザもチーズだけとか」と、ユースケトークに花を咲かせた。さらに『Toooooo 8』というツアー名について、「僕たち超特急から8号車の皆さんに“愛”を届けたいと名付けました。ユースケの報告をしてからは1日目、2日目とやっていくごとに、8号車のみんなからもたくさんの力を頂いて。ある意味それを頼りにしつつも、僕たちも8号車のみんなを驚かせたり、楽しませたり、最後は笑顔になってもらえるようなライブをしたいと思います」と意気込みを語った。
R&Bチューン「Body Rock」では、スポットに照らされた5人が小道具の椅子を用いながら男の色気をまき散らし、「We Can Do It!」では躍動的なビートに乗って、バックダンサーと絡みながらスリリングな場面を描き出した。これまで外部のダンサーが超特急のステージに登場したことはほとんど無かったが、これも新しいことに挑戦していきたいというユーキの気概の表れに違いない。
ユーキのチャレンジはさらに続き、既存の振り付けをすべて変更して物語を紡ぐストーリー仕立てのブロックへ。サラリーマン風のジャケットとネクタイを身に着けた「Rush Hour」で人混みに揉まれる日常を映すと、そこから弾き出されて倒れたリョウガに白いドレスの女性がハンカチを差しだした。彼女への想いを募らせたリョウガがメンバーにはやし立てられながらも、白いドレス&ウィッグを身に着けたタカシ……ならぬ”タカミ”に見事ラブレターを手渡した「Jesus」を経て、「EBiDAY EBiNAI」では心温まる結末へ。
結成時からの秘蔵映像を時系列に並べたムービーで8年の時の流れを見せると、メンバーカラーのチェック柄セットアップに着替えて披露したのは「refrain」。“別れ”をテーマにした歌詞に耳を傾ける8号車に向かって、タカシは思いの丈を振り絞るようなボーカルをぶつけた。続く「Synchronism」ではユースケの場所を空けてフォーメーションを作り、彼とペアを組んでいたタクヤの動きが宙の中にユースケの姿を浮かばせた。
今の状況とも深くシンクロする2曲を終えると、ユーキは感極まりながらも「僕が演出することで、超特急らしくないといけないなと思ったんです。なので電車をモチーフにしたセットにしたり、ユースケが休養中でのツアーということで、メンバー愛や超特急の絆、今に至るまでの経緯を知ってほしくて映像を作ったり。もちろん超特急の新しい魅せ方も出したかったし、時にはちょっとリアルな表現もしてるかもしれないけど、次に繋がるものになればいいなって。今まで演出に関わって学んだことを発揮したかったんです」と語った。また、衣装はカイとタクヤが日替わりでプロデュースしたということで、「今日はファイナルなので1着目がカイ、2着目がタクヤとミックスでやらせていただきました」との報告も。
そして「『Toooooo 8』ラストの曲になりました。全員、悔いの無いように腹から声出してください!」とカイが号令をかけて、ユースケのセンター曲「Burn!」へ。5人が一丸となり「全力で声出して!」「もっと!」と客席を煽り立てると、それに応えて8号車はバッテンダンスを猛烈な勢いで繰り出し、大サビを全員で大合唱した。
アンコールで「さぁ、みんな思う存分叫べ!」とタカシがタイトルコールしてライブを締めくくったのは、ユースケが作詞した「超特急です!!!!!!!!」。彼の超特急に対する夢と想いが詰め込まれたナンバーで5人がステージを駆け回れば、8号車もコールとペンライトを振りかざしながらユースケの代わりに声をあげて、彼の残した“限界なんて 超特急にありません!”という歌詞を実現してみせた。
ライブを終え、カイは「この日々を乗り越えた僕たちは誰よりも強く、優しく、愛にあふれた人たちだと思っているので、これから先もみんなで手を取り合って進んでいきたいなと思います」と8号車に呼びかけた。さらに「僕は超特急の先頭車両なので、超特急という列車を東京ドームのもっと先の未来へと引っ張っていきたい」との決意表明も。
タクヤは「この3日間は1日1日が濃くて、8号車の皆さんにすごく支えられたライブだったなと心の底から思っています。ライブをしていて心の底から“幸せだな”と感じられる瞬間は、8号車一人ひとりの笑顔を見られたときです。これから先、何があるかわからないですけど、皆さんとたくさんの笑顔を共有して過ごせることを楽しみに、これからも笑顔で頑張っていきたいと思います」と8号車への感謝を述べた。
ユーキは「自分の中では“これだ!”と言える超特急の姿が一つ見えているので、そこに誰一人置いていかずにつれていきたい。悲しみのない明るい未来を作っていきたい」と宣言した。それは「メンバー、スタッフ、8号車が同じ目標を持てば絶対に奇跡は起きる。そこに確実にたどり着くために、もっと明確に言葉にして皆さんに伝えていきたい」と語っていた初日の言葉の結果だろう。
タカシは「3月からは5人で活動していくわけですが、8号車全員を満足させてこれからも活動していきたい。皆さん、本当に大丈夫です。超特急とユースケは僕が絶対守りますから。この先もあきらめられないこと本当にたくさんあるんですよ。絶対に皆さんのこと守りますから」と頼もしい言葉をくれた。
リョウガは「僕たち5人、ユースケも含めて一番の願いは8号車の幸せです。皆さんが幸せだと思う道に僕たち超特急と歩むという未来があるのなら、これからも一緒に……歩むというより走っていけたらなと思っております。何が起こるかホントにわからない未来が広がっていますけど、存在する8号車の一人ひとりの強い想いがあれば、山も海も空も走っていけると思います」と言い切ると、「ユースケを含めて、6人と8号車での最後のライブ、本当に本当に最高のライブになりました。改めまして、本当にどうもありがとうございました!」と全員で深々と一礼。6人体制としてのラストライブは、大きな拍手の中で幕を閉じた。
3月からは新たな形で走り出す超特急。6月には『DINER』と題した東西アリーナツアーで、神奈川のぴあアリーナMMと大阪のエディオンアリーナを回ることが決定している。8号車との絆を深め、新たな覚悟を決めた今の彼らなら、きっと立ちふさがった壁の高さの分だけ、大きく成長した姿を見せてくれるに違いない。
セットリスト
M1:Fashion
M2:Booster
M3:Kiss Me Baby
M4:SAY NO
M5:No.1
M6:Pretty Girl
M7:Body Rock
M8:We Can Do It!
M9:Rush Hour
M10:Jesus
M11:EBiDAY EBiNAI
M12:サヨナラは雪のあとで
M13:refrain
M14:Synchronism
M15:Drawイッパツ!
M16:Don’t Stop 恋
M17:Burn!
EN1:Love again
EN2:超特急です!!!!!!!!
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