2月15日(土)放送の『週刊フジテレビ批評』は、「“命をめぐる作品”が集結!冬ドラマ辛口放談」の後編。ドラマ解説者・木村隆志氏、日刊スポーツ芸能担当記者・梅田恵子氏、ライター・吉田潮氏、久代萌美フジテレビアナウンサーというドラマ通たちが、乱立する医療ドラマ、刑事ドラマについて本音で語り合った。
フジテレビのドラマ2本の評価は…?
フジテレビでは、医療ドラマと刑事ドラマ各1本を放送中。2018年に好評を博した作品のシーズン2となる沢村一樹主演の月9『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』。
あらゆるビッグデータから予測された犯罪を未然に阻止する「未然犯罪捜査班」(通称・ミハン)の活躍を描き、“AIを駆使して未然に犯罪を防ぐ”という画期的な作品のコンセプトがどう発展するのか、ドラマ通たちも期待していた。
木村:前シリーズに比べると、主人公のトラウマがより濃くなっていて。さらに重い、危うい感じのストーリーで、これは好き嫌いが出るなと感じました。“ミハン”が面白くて画期的な切り口であるにもかかわらず、ここの扱いが前回よりも軽くないかと。少しもったいないなと。ここをもっと追求してほしい。
吉田:未然に犯罪を防ぐAIのシステムって、すごく面白いじゃないですか。それによって人権を侵害するとか、プライバシーを侵害するとか、いろいろな問題があるはずなのに、そこの面白みが全然なくなっちゃってるのが問題だし、残念だなと思ってます。
梅田:主人公の心の闇をクローズアップし過ぎたのかなと。そこから一歩も動けなくなって、話を回す人がいなくなってしまったので。4話辺りからテンポも上がってきて、いつもの“ミハン”ぽくなってきました。ファンなので、最後まで見ます。
木曜ドラマ『アライブ がん専門医のカルテ』は、松下奈緒と木村佳乃が演じる、がん治療に取り組む腫瘍内科医の女性2人と患者の人間模様を丁寧に描く姿勢が好評。その一方で、問題点も指摘される。
吉田:がん治療の細かい部分とか、患者さんの気持ちを映し出すシーンはちょいちょい入っていたので、そこら辺のエピソードを楽しむには見ているのですが、主軸の女医2人の関係がどうなるのかとか、そこにあまり興味を持てなくて。主軸に興味を持てないって致命的じゃないですか。
梅田:根気のいる治療の世界ですから、スーパードクターが現れて「やった、治った!」みたいな簡単な展開にはいかないので、ドラマとしては作る難しさが現れているというか、大変そうだなとは感じるんですよね。現場をよく取材して丁寧に作っているのが伝わってくるだけに、ちょっと重いところが見づらくなっているのかなと感じます。
木村:スーパー外科医を描く医療ドラマが多い中で、腫瘍内科に脚光を当てたのは良いと思います。地味になってしまうとは思いますけど、そこに挑む姿勢が良い。患者に寄り添う姿も常にハートフルで、会話劇も難しいんですけど、きっちり取材してやっているのがリアリティとして伝わってきます。
僕は今期の医療ドラマの中で一番良いと思ってはいるんですが、それは50前のジジイだからなんですね。終末期医療の話を久代さんの世代に見ろというのも、難しいと思います。
久代:同じ医療ものだったら、こういうちょっと重たいものよりかは、TBSの 『病室で念仏を唱えないでください』とか、ちょっと笑える要素もあるようなものの方が、私は見てしまいますね。
救命救急医であり僧侶という設定に…
その異色の主人公を伊藤英明が演じる『病室で念仏を唱えないでください』 (TBS)については、
木村:救命救急医であり僧侶という、とんでもない設定なんですが(笑)、原作と比べると救命医の方はしっかり描いているんですけれども、僧侶のところ、教えとか仏教の部分というのが薄くなってる。わかりやすさを追求して、軽んじられてるというところがあるので、両輪の良さが伝わってこない。
吉田:僧侶が説法たれるとか、ドヤ顔で来るのかと思ったら、なんだか優しい。善人ぶって子どもの心をとらえる、みたいな。“僧侶のうまみ”が出てないっていうか。これ医療ものの中でワーストですね。
梅田:せっかくね、お坊さんなので。生と死のあっち側とこっち側っていうのを、この主人公にもっと見せてもらいたいなっていうところはあります。
期待値の高かった『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』
天海祐希主演、天才的にして個性的な脳外科医たちが難しい脳の病気に挑む『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』(日本テレビ)。題材、キャストともに手堅い作品だが、ドラマ通からは意外な評価が下された。
木村:僕は、医療もののワーストとさせていただきたいと思います。すでに多くの作品がある、中でも一番手術が難しくて天才が集まると言われている脳外科医というところまで含めて、作為的なものをすごく感じてしまうんです。
『俺の話は長い』(日本テレビ)とか、若年層を狙った学園ドラマもたくさん作っていた枠がどうしてテレビ朝日みたいなドラマを作ってしまったんだろうか、と。方向性を誤っているような感じがします。演者には非はないです。
梅田:期待していただけに、今のところは残念だと思っています。脳の神秘という領域を扱っているので、レアケースが多いんですよね。脳腫瘍のせいで性格が一変する症例とか。なかなか当事者感を持って見られないというか。
吉田:役者陣は大好きな人が出ているのに、なんでこんなに面白いと思えないんだろうと。多分、論文集とか事例集から、これ面白そうと引っ張ったような感じがしちゃうんですよね。ただ、患者役によっては神回みたいな話もあるんです。
久代アナ「単純にドラマを楽しみたかった」
桐谷健太演じる刑事と東出昌大演じる検事がバディを組んで事件を解決する『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』(テレビ朝日)は、ありそうでなかった刑事ドラマとして注目された。しかし、出演者のスキャンダル報道が作品にミソを付けてしまうという状況に。
梅田:刑事と検事のバディものという着眼点は、斬新で面白い題材なんですよね。なのに、今のところは主導権争いの大騒ぎをしている段階を出ていない。カギを握るのは、2人の間に立つ比嘉愛未さんだと思っていて。“おバカさん”の2人をうまく動かしながら、真相にうまく着地していくという流れがだんだん出てきたので、この感じで頑張ってほしいと思います。
吉田:いろいろありましたけど、打ち切りには反対です。梅田さんが言う通り、刑事と検事のバディというのは興味深く見守っていこうかなと思っています。ただ、ドラマとして見ているんだけど、あれだけの騒動になっちゃうと、違う見方になっちゃうというか。
木村:見方を変えれば、バズるチャンスでもあるんですね。セリフが現実とリンクしたとか、話題になったりもしているんですよ。
久代:いろんな気持ちをなしにして、単純にドラマを楽しみたかった。それだけです。
そんな中、評価が高かった作品は…
小泉孝太郎を主演に、多額の借金を抱えて倒産危機に瀕した病院を大胆な改革で再建していく医師の奮闘を実話ベースで描く『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』(テレビ東京)。病院経営のリアルに焦点を当てた方向性と、しっかりとしたキャラクター造形に高い評価が集まった。
梅田:主人公の改革に説得力があるんです。小泉孝太郎さんがやっている、ケロッと涼しいことを言うしぶといキャラクターが面白い。どの業界にも参考になるアイデアとかトリビアがいっぱいあります。
木村:『カンブリア宮殿』(テレビ東京)で放送した面白い内容をドラマ化したという面白い試みで、テレ東の黄金パターンになるかもしれない。数字(視聴率)もそこそこ取れています。ドラマBiz枠は見応えがあるし、お客さんが付きやすいコンテンツになっていると思います。
吉田:高嶋政伸が狂気とかキテレツという感じではない立ち位置を久々に演じているので、最後まで見守りたいと思います。
安易に医療もの、刑事ものに走るのではなく、 “新しい視点で誠実に描く医療ドラマ、刑事ドラマが見たい”というドラマ通たちの熱い思いが伝わってくる座談会となった。
次週、 2月22日は、東日本大震災からまもなく丸9年となる宮城・気仙沼で、カフェを営みながら被災者に寄り添い続ける俳優・渡辺謙に話を聞く「The批評対談」の特別企画(前編)が放送される。
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